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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
424/520

そうかい。そうかい (賊殲滅)

 ……


 24階。前に殲滅した盗賊団【闇の指標】の本部アジトのあった区画に来たときだった。

 新たに湧いたであろう”ダンジョン賊”がアジトの設営をしているところに遭遇。

 …… 


 「ふふん。抜いたな。サディカ!」

 「おうよ! 父ちゃん!」

 

 腰のトンファーを素早く引き抜き、雄叫びとともに手前にいた男の頭をしたたかに殴りつけるガハルト。その雄叫びに怯んだ賊の集団に突っ込むサディカ。

 二人とも金属製のトンファーは封印しているようで一撃で頭が消し飛ぶようなことはないようだ。が、習熟のためか、大抵の者が手や足を砕かれ、無防備の頭部に連撃、所謂、滅多打ちにあい、頭蓋はボコボコ、顔面は出血と内出血で赤黒く腐った果物のような状態の躯に。


 入口から弓で狙うものにはもれなくミスリールが鉄の矢をプレゼントしている。恐ろしい威力のアーバレスト、矢羽の際まで矢を頭部に撃ち込み、食らったものはその場より後方に吹き飛ぶ。


 矢を恐れてでてきた賊はガハルト親子に順番に手を砕かれ、膝を砕かれ、頭部を滅多打ちにされ果てる。


 この頃になると、カンイチたちも隠れてる必要性がないので姿を現す。

 

 そのカンイチたちの足下に、ガハルトが驚いて突っ立っていた二人のポーターを蹴り飛ばし、カンイチとイザークが縛り上げる。その内の一人、ガタガタと震えているのは例の顔見知りの男だ


 「どれ、中を確認してくる」

 でてきた賊共を撲殺したガハルト。残党掃討と親子で小部屋の奥の区画に向かう

 …… 

 

 「またあったねぇ。ポーターのお兄ちゃん。元気だったかね?」

 と、震えているポーターの髪を掴み、上を向かせるディアン。まごうことなく、前回は赦し逃がした男だ。

 前回だって本来なら見逃さず、斬り捨てるところだったが、オーサガと同室で捕虜となっていた冒険者の案内。水食料の運搬係として解放した。今後は職務に忠実に、真っ当に生きるとも誓った。その男が眼の前に

 

 「し、知らない! お、俺はアンタたちなんか知らない!」

 と白を切るポーター

 「そうかい? 知らない相手なら首をはねるのにも何も思うことはないねぇ。ちょん! だわ」

 と、笑うディアン

 「え……」

 「で、一つ聞きたいのじゃが、確認だ。連中は新たな”賊”でいいんじゃな?」

 とダイインドゥがドスの利いた声で語りかける

 「……」

 「おぅん? 何も言うことはないのかの? 沈黙は肯定と取らせてもらうで。なにせ、わしらに弓も向けたし、剣まで抜いてかかってきたでな。のぉ、盗賊のお味方さん」

 と、カンイチ。

 「な! お、俺は関係ない! た、ただ、荷物を届けただけだ!」

 「そ、そうだ! そうだ! き、貴様らぁ! 『迷宮ギルド』に逆らうのかぁ!」

 「あ、ああ! どんな処分になっても知らんぞぉ! 解放しろぉ! 縄を解けぇ!」

 相手がカンイチ、若造とみたか、大声でがなり立てるポーター。今まで黙り込んでいた仲間のポーターも声を上げる

 「ほ~~ん。そうかい。そうかい……」

 くしゃくしゃとポーターの髪をかきまわすディアン。

 「どうやって地上に帰るのだか。ギルドにどうやって報告するんだい?」

 「え!?」

 ディアンの言葉を聞いて再び顔が青くなる二人のポーター

 「まぁ、どのみち今回は助けん。わざわざ痛い目にあって死ぬのもいやじゃろ。知ってること全部はけば、一息にそこなディアンさんが首を落としてくれようさ」

 「え! ええぇ!?」

 「ああ。じゃなければ、手足の指、一本ずつ、この鍛冶用のハンマでぺっちゃんこにしてやるよ!」

 「お、俺達は……? し、死にたくない! 死にたく……」

 

 頭の大きな鍛冶用のハンマをバッグからとり出すディアン 

 ”がちん!” 

 そのハンマで床を叩くと火花が散る。間違いなく一撃で人の指など骨までぺしゃんこだろう

 

 「ひ、ひぃ!」

 「そっちのお兄ちゃんもね……くっくっく」

 「「ひぃーー!」」

 ……


 「ほぅん。新築祝、持ってくりゃ良かったかの」

 「親方、洒落にならんで」

 カンイチ、ダイインドゥ、ミスリールの3人でアジト”跡”の調査。他のメンバーは帰ってきたり、合流しようという賊に対して外で備えている。

 「そういや、親方。前のアジトにあった家具やらはどうしたんじゃ?」

 「おぅん? 言わなんだか? 誰も欲しいいわなんだでウチのギルドで適当に売り払って酒宴の酒代にしてしまったぞ。残ったのは炉の焚付にしちまったわい?」

 「そうかの。それならええがの。今日も結構な量の家具やら雑貨があるのぉ」

 「うむうむ。またギルドで売っぱらえばよかろうさ」

 「そうじゃな。金目のものがあるといいのぉ」

 「開店前だから、何もないねぇ~~」

 ”がさごそがさごそ……”


 引き出しを開けたり、樽をひっくり返したり。チェックした家具類はマジックバッグにしまう。

 おまけで封を切っていないワイン樽が二つ、蒸留酒が2つ。これらは何もいわずとも親方のマジックバッグにスルリ。

 

 「あった! あったよぉ! 師匠!」


 と、ミスリール。もはや盗賊稼業といったらのマジックバッグ。生活のための『穀物用』、『水用』、そして『鹵獲品用』の三つ。あとはおかしらの私用やら。景気の良いところなら他に肉用やら、嗜好品用と続く。

 ここには鉄板の3個のバッグと、賊の装備品から容量は小さいポーチ型のもの2個を得ることができた。


 「うむ。お宝じゃな! 容積の大きいのに交換するとええ」

 「ギルドの方でも買い取りたいという話がでてたの。良いか、カンイチよ」

 「ああ、構わんじゃろ。世話になってるで、いくつか渡したって――」

 「そりゃぁいかん。なにせ、マジックバッグは高価じゃ!」

 「そうそう。お礼の宴、オレたちだけじゃ飲みきれないよ。師匠」

 「……酒かよ」 


 そして、この後に二人の”ポーター”のそれぞれ持っていた私物のマジックバッグ、ギルドより貸し出されたであろバッグ、計3つが追加されることになる。




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