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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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気合い入れていくぞ! (採取の達人)

 …… 


 6日目 11階


 昨日はボス部屋を攻略したこともありすこし早めに休んだ一行

 美味い飯をたらふく食べてゆっくり休んだ。今朝から気も充実している。

 

 「よぉし! 気合い入れていくぞ! 特にカンイチよ!」

 「なんでわしだけなんじゃ。まったく。ヌシはいつも元気じゃな。ガハルトよ」

 「そりゃぁそうだろう! ここはダンジョンだぞ! 当たり前だろうが! なぁ、親方!」

 「はっはっは。まぁ、ガハルト殿だでな」

 「ふぅ……」

 やれやれと肩を竦めるカンイチ。イザークとアールカエフはクスクスと笑う。

 「ぬぅ! カンイチだって好きなことをやってるだろう。昨日は風呂に入っていたではないか!」

 「なんか問題あるかの?」

 『なにか問題あるか、ガハルトよ』

 風呂と言ったら退けないカンイチ。そう、フジも参戦だ。

 「……い、いえ」

 「ほら、父ちゃん、余計なこと言うから……」

 と、憐れむ目で縮こまっている父をみるサディカ

 「では、いくかのぉ。皆の衆。はっはっは」

 今日はダイインドゥの出立の合図で始まるようだ。


 この階層あたりから、薬草等の植物系の採取に手が回らないのか”採取ポイント”がいたるところに採取されずに残っている。

 こうなれば採取の達人こと”教授”イザークの出番だ。帳面をめくりながら次々と採取していく。

 採掘ポイントのオブジェのような草体を刈り取ると、”ぽん!”と束になって出てくるドロップ品。それを別に用意した香草用の”マジックバッグ”に次々と詰めていく。

 

 「うん? その帳面はなんじゃ。イザーク君?」

 大抵の採取可能な有用植物は頭に入っているイザーク。そのイザークが帳面を見ながら採取しているので気になったカンイチが声を掛ける

 「ええ、これですか。レストランで頼まれたんですよ。地上にも生えているのですけど、やはり、ダンジョン産、品質も一定ですし季節もありません。人気もありますよ」

 「ほ~~ん。レストランよりの注文のぉ」

 『そうだ! イザークよ。ムラサキショウブも沢山採ってゆこう!』

 「ええ! もちろんですよ、フジ様! ショウブ湯、気持ちがいいですものね。ヨモギもいいですね」

 『うむ。あの清涼感がたまらん!』

 と、ここでも風呂好きのフジ登場。

 「イザーク君! ”霊薬”の材料になる素材の採取もよろしく!」

 「はい、アール様」

 「ほっほっほ。採取となればイザークの独壇場だな。どれ、ワシも手伝おう」

 と、ダイインドゥ

 「うむ! わしも手伝おう。イザーク君!」

 と、小さい草刈り鎌を引っ張り出すカンイチ

 「じゃ、俺たちは周囲の警戒でもするか」

 {おう!}

 ……


 帳面以外の草体の採取もしながら深部を目指す一行。”収納”のお陰で取り放題だ

 会敵するモンスターはクマたちが対処する。

 偶に冒険者とすれ違うが、”収納”や”マジックバッグ”が明らかになるので手を休め、彼らをやり過ごす。普通であれば情報交換等もあるのだが、アールカエフがいるチーム――よりも、鼻息の荒いガハルトのせいか。

 

 「ふぅ。これで頼まれた量は、ほぼ集まったかな。あとは様子を見ながらいきましょう」

 と、帳面を肩掛けバッグにしまう。

 「了解じゃ」

 「よし! 行くか!」

 採取も一段落。足もあがる。そして次の階層に向かう

 ……

 

 9日目 15階


 誰一人怪我することなく順調に下りてきたカンイチ一行。


 「確かこの辺りから人型の……ほれ? なんだったか……」

 「ああ、ゴブリンですよぉ。ホブゴブリンも混ざるんでしたっけ?」

 と、イザークが補足

 「サディカさんや、どうじゃ」

 「どうか……とは? カンイチさん?」

 「いやの。ほれ、ガハルトとクマたちのおかげであまり戦闘もないでな。一線で活躍してたんじゃろ? 腕が鈍るんじゃないかのぉ」

 「いや、は、ははは……。父ちゃんとは毎日鍛錬してるから腕が落ちることはないと思うし? 毎日、美味しいものも食べられるし? 全然不自由していませんよ?」

 「そうかのぉ。フジよ。ここからサディカさんも混ぜてやってはくれんか。ガハルトの割当分が減ってもいいで」

 「んな!?」

 『ふむ。そうよな。若い者を鍛えるのも群れの長たる我の仕事。うむ、”修行”にイザークと加わるといい』

 「は、はい。フジ様。父ちゃん、なんか悪いな!」

 と、練習用のトンファーをクルクル回すサディカ

 「ぬぅぅ……」

 「ディアンさんたちも加わるかの?」

 「カ、カンイチ!」

 焦るガハルト。これ以上減っては困ると思わず声が出る

 「はっはっは。私らは、備えてるから。好きにやりなって」

 「うむうむ。”採掘ポイント”が出たら頼むのぉ」

 「そうそう! あ。フジ様、武器持ちはなるべくこっちに回してくださいね」

 と、ドワーフ一家。ほっと、胸をなでおろすガハルト。

 

 『よし! そうと決まれば征くか!』

 {おう!}

 「おう……」

 「くっくっく。もっと気合い入れい。ガハルトよ」

 「うるさいわ!」

 余計なことをと、カンイチを睨みつけるガハルトだった

 ……

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