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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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むむむぅ?! (青スライム)

 ……


 ダンジョンを進むにつれ人の背中が目につくように。先ほどまで空いていたのだが

 その流れは段々と遅くなり、ピタリと止まる。

 青スライムが道を塞いでいたのだ


 ”ぷるん、ぷるん”


 野次馬の眼の前に薄青色の粘性のあるゼリー状の物体が通路の中央に鎮座していた。アメーバのようにプルプルと体を震わせる。大きさは今まで見てきたよりも大きい。一抱えはありそうだ。


 「あれ? そういえば、もう討伐されたんじゃなかった? 今朝の掲示版にはなかったな。新たに湧いたか?」

 前回のオーサガ王太子と出会った攻略時、掲示版に注意喚起されていたイレギュラーの魔物だ。イザークの言う通り、ちゃんと掲示版は確認してきた。

 「そうか?」

 と、サディカ。

 『まぁ、どちらでも良かろう。なぁ、ガハルトよ』

 「ええ。これはイレギュラー案件! カンイチ! サディカは腰抜け連中を下げろ! 邪魔だ!」

 「仕方ないのぉ……」

 銀貨を指で弾き、コイントス。

 『ふん。ガハルト、貴様に選ばせてやる』

 「後悔いたしますぞ! フジ様! 我に裏なし! 表だ!」

 「……いつも表ですよね……。コイントスの意味あるのかな?」

 「言ってやるなイザーク君。が、それでワシがイカサマしてると疑われるのは心外じゃがの」

 と、コインを隠している手を退かすカンイチ。

 「「お、表!」」

 「おおおおぉぉ!」

 『ふん』

 どうやら、初めて”表”がでたようだ。二分の一の確率なのだが


 「ヤル気のないのなら、どいてろ! 道を空けろぉ!」

 

 と、ガハルトの大声が雷鳴のように轟く

 スライムがいなくなるのを遠巻きに窺っていた冒険者たちも驚き、ビクリと体を硬直させ場を譲り、道ができる。

 青スライムに挑戦しようと準備していた連中もサディカの説得で後方にさがる。彼らにしてもさっさとどけてくれるなら言うことはない。物資、人的損耗も避けたいところだ


 「では! 参ろうか!」

 と、腰のトンファーを引き抜くガハルト

 「がんばれーーーー! ガハルト君!」

 ほかのメンバーは距離を取り、観戦に回る。その後ろから、野次馬連中もことの成り行きを見守る。

 ……

 

 ”ぷるん ぷるん” と、体をゆするだけで一向に動く気配のない青スライム。そのスライムににじり寄る、ガハルト

 

 「うん? 動かんな。これじゃつまらんな」

 もういい。と言わんばかりにスライムの頭頂部? にトンファーを叩きつける。

 誰もが一撃で終わりかと思ったが、

 

 ”ぼちゅん”

 

 潰れて消えるどころか、4つに分裂。大きさも小さくならずに元のままの大きさだ

 「ぬ? むむむ!」

 そして、同様に動くことなくその場でぷるぷると体を揺する

 「ううん? これで前の奴は駆除したと思ったのだろうか?」

 「かもしれませんねぇ」

 と、サディカと、イザーク

 「ふん」

 と、武器をバスターソードに持ち替え、ブスリ。今度は2つに分裂。と、同時に、他の個体、三体も連動しているかのように二つに分裂。この場に都合、8体のスライムが


 「むむむぅ?!」

 

 今度は、大きさは半分。が、今までと違って動き出す! 


 ”ぷるぷる”

 と、体をゆすりながら、飛び跳ねる!

 その内の一体がまっすぐ、サディカの方に

 「生意気な!」

 腰のナイフで斬りつける。

 すると、二つに分裂。また、連動するように全てのスライムが二つに分かれる


 「こ、こりゃ、きりがないぞ! むやみに、攻撃するな! サディカさん、ガハルトもな」

 「で、でも!」

 「わわわ! こっち来た、カンイチさん!」

 「どうするんじゃ、カンイチ」

 一匹一匹、自由に動き回るスライム。下手に手を出すと分裂する厄介者だ

 『これは我らの出番だな! 退け! ガハルトよ! 誰かが怪我をしてからでは遅いぞ!』

 「む、むぅ!」

 『出番だ!』


 ”ぅおん!” ”ぅわん!” ”ぅをん!”

 

 一吠えしてから一斉にスライムに襲いかかる! 

 ”がぶり!”

 と、スライムに噛みつけば、分裂はせずに魔素のモヤになり、クマらの口へと吸い込まれていく。

 次々に屠られるスライム。そのスライムに知能があるのか、ダンジョンの意思か、残り、二匹になったスライム、壁を伝い、逃亡にうつる。

 それを見逃すフジではなし、ハナ、シロが追撃し仕留める


 「ごくろうじゃったな。しっかし、何ともけったいな敵じゃったな……」

 「もっと、細かくすれば倒せたのでしょうか?」

 と、イザーク

 「ふぅむ。物理攻撃よりも魔法の火やら、松明の火が有効とも聞いたの」

 と、ダイインドゥ

 「ほう……。あの増え方だとまだいそうじゃな。最後は逃亡に移ったで」

 『ふん。問題あるまい。次出たらまた我らで対処しよう。文句はあるまい』

 渋々だが頷くガハルト。他のメンバーに怪我をさせるわけにはいかない。スライムから見たら、メンバー全員が”敵”なのだから襲ってくる

 

 「ふぅ~~ん。カンイチのアーティファクトも効くのかねぇ? 次、試してみ?」

 「う~~ん。アールよ。もしも効かなんだら、恐ろしい数になるんじゃなかろうか?」

 「そうしたら、ダッシュで逃げる?」

 「アール様ぁ、ダンジョン、スライムで溢れちゃいますよ……」

 と、イザーク

 「うん? それもアリ?」

 「勘弁してください。アール様」

 このダンジョンで稼いできたサディカ

 「だめじゃろ……」

 ボソリと漏らすカンイチだった

 ……


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