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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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何をしようかの (封鎖されて)

お、お久しぶりでございますぅ。


時間を見ながらちょこちょこと投稿していきます。

 ……


 ダンジョン内での冒険者同士のいざこざが発展し毒を撒くというまさかの暴挙に。おかげでダンジョン内にこもる毒が分解されるまで立入禁止に。

 死人もだし、毒が消えるまでのダンジョンの閉鎖。その間、ダンジョンに依存するこの街の経済は止まり、金銭的被害が。上ってくる連中に被害が出なかったことが唯一の救いか

 犯人は即刻、死刑となったが、この事件は近年稀に見る凶悪性、損害の大きさから、『ショサイの毒まき事件』として語り継がれることになる。


 渋々引き上げることとなった一行。一旦、拠点に戻り、クマたちを自由にする。

 楽しみにしていたダンジョン行きを潰され不機嫌だろうフジをチラリと見るカンイチ。が、当のフジは気持ちをすっぱりと切り替えたのだろう。何時ものフジだった。ホッと胸をなでおろす。

 そして、横の大男に目を向ける。こちらはまだ怒りが収まっていないようだ。手にしたトンファーをクルクル回す。そう、ガハルトだ

 「ふぅ……どっちが獣だか」

 と、ため息一つつくカンイチだった

 ……


 「さてと。ぽっかり予定が空いてしまったの。何をしようかの」

 と、メンバーの顔を見回すカンイチ

 「のんびりすればいいじゃん? はぁふぅぃ……。今朝は早かったから僕は寝るよ。うん? 一緒に寝るかい? カンイチぃ♡」

 と、カンイチの左腕にひっつくアールカエフ。

 「……ワシはいつもと変わらん時間じゃで。眠くはなし」

 「そ、つれないなぁ。じゃ、お昼になったら起こしてね!」

 「昼まで寝るつもりかい!」

 「おやすみぃ~~」

 と、本気寝だろう。暖炉のある居間ではなく、寝室の方へ歩いていくアールカエフ

 「やれやれ。で、ガハルトはどうすんじゃ?」

 「うん? そうだな。今日はギルドに行ったところで例のダンジョンの事件の話題だけだろうな」

 「そうですね。人死にが出たようですし。……大騒ぎでしょうね」

 と、イザーク

 「ま、ここで大人しくしてるさ」

 「じゃあ、父ちゃん、このトンファーの扱い教えてくれよ」

 「ふむ。良かろう。行くか!」

 「おう!」

 ガハルト親子は鍛錬場の方に行ってしまった

 

 「ガハルトさんだしぃ。じっとしてはいませんね……」

 「まぁの」

 「じゃぁ、ワシらは鍛冶場に行ってくるでの」

 と、立ち上がるダイインドゥ。ディアン、ミスリールも続く

 「ん? 親方、ゆっくりすればよかろう?」

 「サディカ嬢ちゃんに”トンファー”頼まれたでなぁ。ワシもじっとしてるよりも炉の前にいる方が良いでの」

 「そうか。ご苦労じゃな」

 ドワーフ一家もいつものようにギルドの鍛冶場に出勤する

 残されたのはカンイチとイザーク。

 「ふむ。なにもせんというのもの……ひとつ、鍛錬でもしようかい。イザーク君」

 「そうですね。散歩にでるには半端な時間ですものね」

 ……


 昼になれば空腹で起き出してきたアールカエフ、キキョウを連れて食事に。リンドウは学校だ。

 昼食はオーベルジュ『リンギーネ』で摂ることに。フジ絶賛の香草焼きに舌鼓。


 食事が終わればその足でサディカの要望で『三丁目服店』を訪れる。


 「へぇ~~ここが?」

 店内を見回すサディカ。今や、沢山の色とりどりの”褌”が垂れ幕のように店内を彩る。


 「いらっしゃいませ」

 「あら、ガハルトさん、アールカエフ様いらっしゃいませ」

 やぁやぁと手を上げて挨拶に応えるアールカエフ

 「世話になる。で、サディカ。何を注文するんだ?」

 「決まってるだろう。その”ツナギ”と”じかたび”さ。このクランの制服みたいなものだろう? ん? 褌も買おうかなぁ」

 「え? サディカさんも……? 褌……」

 何を想像したのか、ほわんと顔が赤くなるイザーク君 

 『これ、イザークよ。さかっておらんで例のものを』

 「そ、そうでした。トキさん注文したいのですが……」

 珍しく店内に入ってきたフジ、どうやらスカーフを新調するようだ。カウンターにイザークが見本のスカーフを広げる。

 

 各々、店に並ぶ商品を吟味する。

 アールカエフはキキョウに服を当て、うんうんと唸っている。 


 「忙しいのに騒がせるの。女将さん」

 と、申し訳なさそうに頭を下げるカンイチ

 「いえいえ、カンイチさん。ウチも商売ですから。そうそう、だいぶ空けておられたんで、”じかたび”も上がってるよ」 

 「そうじゃったなぁ。本当に手間をかけます」

 「いえいえ、沢山買っていってくださいね」


 早速と手に取る。しなやかな王蛙革のソウルを何度も撫で、曲げたりと確かめる。


  ――うむ。縫い目も樹脂の具合も言うことなし。いい仕事じゃの。

 うんうんと頷くカンイチ。女将もまた。

 その地下足袋に足を通す。足の裏には独特のフィット感。その場で足踏み、軽く飛び跳ねと具合を確かめる。『ユーノ服店』製の地下足袋よりも、この工房製のほうが独立した親指の自由度があり、小指にも力が入る 


 「うむうむ。これはいい。より踏ん張りが利きそうじゃ」

 と、納得の声をあげるカンイチ

 「指先周りをすこし工夫してみたのよ。特に付け根の部分をね」

 と、胸を張る女将

 「うむ。こういった改良はありがたい。さすがベテランさんじゃの」

 「それと、イザークさんのご要望の樹脂の塗っていないものもあるけど。カンイチさん、どうする?」

 「ほぅ。普段使いにしようというのだろか。見せていただいても」

 「ええ、そのためにこさえたんですもの」

 

 形状は地下足袋だから同一。ソールも王蛙の革。ただ補強のためか、かかと部分にも革が張ってある。

 「布もすこし厚いのを使っているわ」

 「どれどれ」

 足を通すカンイチ。履き心地は変わらず。樹脂が塗っていない分、蒸れるということはなさそうだ。

 「ほぅ。晴れの日の散歩にいいのぉ」

 「お! ジカタビか!」

 と、ガハルトもやってきた

 「ああ、ガハルトさんのも上がってるよぉ!」

 「どれ、見せてもらおうか」

 ……

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