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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 2
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”暫くのんびり”って? (ダンジョンにいこうか)

 【アロクゴーナ】に帰還して一週間。長旅の休暇に充てる。といっても日々のルーティンは欠かさず行う。朝の鍛錬、馬達の世話、クマらの食糧確保のための狩り、散歩は欠かさない。

 ドワーフの連中もメヌーケイ産の酒をもって宴会を欠かす事はなし。ドワーフ夫婦はここのところ、姿すら見せない。ミスリールが馬の世話で顔を見せる程度だ。その時の伝達で事が済んでしまうのも事実。

 カンイチ達も特に焦るでもなく、のんびりと余暇を過ごす。ともなれば……

 

 「おい。カンイチよ。何時になったらダンジョンに行くのだ?」

 と。言わずもかな、一人、暇を持て余すガハルトだ。アカジンとの気の入った鍛練もできているのだが、如何せん、一向にカンイチ達が腰を上げない。

 焦るガハルト

 「そうよなぁ~~いつまでも……て訳にも行くまいなぁ。ダンジョンの為に来て、ここに世話になっとるのだし?」 

 「う~~ん。やっぱし、今からオーサガ君の国にでも行くかい? カンイチ? 暫くのんびり畑やって暮らすのもありだぞ? 二人でしっぽりと?」

 と、カンイチの左腕に身を寄せるアールカエフ。

 「そうさなぁ~~。それもええのぉ」

 「!」

 その台詞を聞いて焦るガハルト

 「何をそんなに焦ってるんです? ガハルトさん?」

 「いいか、イザークよ。カンイチとアール様の”暫くのんびり”はどれくらいだ?」

 「……? え? ああ! ……俺、死んでるかも? 寿命で」

 長命種ならではといったところか。大神様の加護持ちのカンイチにしても死ぬかどうかさえ不明だ。ガハルト達はそんなカンイチの伴侶としてアールカエフが復活したことも知っている。そんな彼らに腰を落ち着かれてしまったら大変だ。

 「だろうが!」

 「アホ抜かせ! そこまでのんびりせんわい! まったく。じゃ、親方にも一回、打ち合わせにくるように言っておいてくれ」

 「おうよ!」


 ……


 そんな中。

 

 リンドウも午前中は学校。午後は軍の鍛錬に混ざって鍛えている。その中にガハルトとイザークも混ざる。イザークもまたアカマチに体術を習っているようだ。

 「よぉし! 組手ね! 始め!」

 {おう!}

 二人一組の組手。片手にはナイフ。もう片手には十手。中にはナイフは捨て十手を主武器にしてる隊員もいる。

 「ほう。十手術も大分浸透しているようじゃなぁ」

 「でしょう? なかなかのものでしょう! カンイチちゃん! この前、捕り物があったのだけれどもねぇ、十手……良いわぁ。安物の剣なんかもうバッキバキよ。で、一撃入れて気絶させて悠々生け捕り。ほら、ウチの隊って元々、体術押しだったでしょう。もう相性抜群! そう! 私とカンイチちゃんみたいにぃ!」

 「……そ、そりゃぁ、良かったの」

 すすすぅと、滑るようにカンイチに近づくアカマチ。その、アカマチとカンイチの間に、此方もすっと身を割り込ませるアールカエフ。

 「カラマチ君! カンイチはやらんといっただろう!」

 ばっと、手を広げ、防御は万全。

 「わかっていますわ。アールカエフ様。これは叶わぬ恋……」

 「そう……じゃぁ、代わりにイザーク君を上げよう!」

 「おい」

 そのイザーク君は既に大地に大の字を書く(伸びているが……)。

 

 「おっちゃん! もう一本!」

 「おうよ! こい! リンドウ!」

 と、隊員に突っ込んでいくリンドウ。組んでからブンと投げられる。綺麗な受け身を取り、すぐに立ち上がり再び向かっていく。

 「ほんと獣人さんて反則よねぇ。身体は柔らかいし、センスいいし。根性だって人族の比じゃないし。見事な受け身でしょう? 受け身だけならもう一人前よ。リンドウちゃんも」

 「うむ。自ら飛んでるようじゃな。しかも、柔らかい体が衝撃を吸収している」

 「ええ、最初に受け身を教えたんだけどすっかりものにしてるわねぇ。楽しみねぇ。カンイチちゃんの組打ち術も教えるんでしょう?」

 「どうかのぉ。ま、もう少し大きくなってからじゃな」

 「ううぅ~ん♡ 楽しみ♡」

 「そうじゃな」


 ……


 「よし。一週間十分に休んだな。なぁ、カンイチ」

 久し振りに居間に全員集合。今後の予定、ダンジョン攻略について話す。

 「……まぁ、そうじゃな。ダンジョンじゃろ?」

 「そりゃぁそうだろうよ? ダンジョン抜きでここにいる理由がないぞ?」

 「そりゃぁそうじゃがの」

 ガハルトのいう通り。わざわざ軍の屯所の宿舎を借りてまで滞在しているのだ。

 平和な日々でどうにも気が抜けたカンイチ。

 ”ぱん! ぱん! ぽあん!”

 自分の頬を両手で叩き気合を入れる。

 「うむ。これじゃぁ、生きて帰ってこれんわい。よし。再始動じゃな。ガハルトとイザーク君は近々のダンジョンの情報集め。わしは物資の購入じゃな。菜っ葉が足りんでな」

 「菜っ葉は要らんが情報は集めてこよう。アカジン殿も特に変わったことは無いと言っていたから大した問題もなかろう。親方の方はどうだ?」

 「うんむ? ワシらの方は問題ないぞ。土産話もし終わったで。何時でも潜れよう?」

 「ああ。ゆっくり休めたしな。武器の整備も万全だ」

 「オレも問題なし! アーバレストの改良も済んだし?」

 「うん? ディアンさんも行くのかの?」

 「当たり前だろう? 旦那が行くんだ。ふぅ……」

 ダンジョンより酒のディアン。が、旦那と娘が採掘すると張り切ってるので仕方がない。

 「じゃぁ、一週間後、潜るということで各自、準備頼むの」

 {おう!}

 「僕は何する?」

 「ま、アールはわしと一緒にいればええで」

 「だね♡」

 「ふんだ! 情報仕入れに行きますよ! ガハルトさん! 置いていきますよ!」

 「お、おう」

 ……

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