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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
いざ! ダンジョンへ! 1
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はぁあ! いよいよだな! (いざ! ダンジョンへ!)

 …… 


 「うおおおぉぉぉお! いよいよだな! カンイチぃ! やっと今日という日が来たわ!」

 と、大興奮のガハルト。歓声を上げる。

 「そうじゃなぁ。お宝、うんと貰えるとええのぉ! で、畑を買うぞ!」

 と、呑気なカンイチ。すっかりお宝がもらえると信じている。

 「だからぁ、カンイチぃ。そう易々とお宝、くれないぞ? 一体、何処の御大尽様だよ? ダンジョンさんは?」

 と、そんなカンイチに呆れ顔のアールカエフの突っ込み。

 「まぁまぁ。アール様。でも、ダンジョンかぁ! 興奮します! ホントに来れるなんて!」

 と、拳を握り、感動に打ち震えるイザーク

 「うむ。鶴嘴も沢山こさえたで! 楽しみじゃなぁ!」

 「おう! 親父! 沢山、掘るぞ! 珍しい金属でるといいなぁ!」

 と、まだ見ぬ採掘場、金属に思いを馳せる、ダイインドゥ、ミスリール父娘

 「……はぁ。オレ、やっぱ、上に残ろうかな……」

 と、地上――主に酒に未練たらたらのディアン

 『どれ。ダンジョンやらがどれほど強いものか! 楽しみだな!』

 ”ぅおふ!” ”うわふ!” ”おをふ!”

 と、こちらも気合十分。フジ筆頭に、クマ、ハナ、シロの従魔団

 これが今回の攻略組の面々だ。

 リンドウ、キキョウはティーターとアカマチがみてくれることに。

 ダリオンも同行を願ったが、『うん? 君の精霊様は潜るのかい? ふぅ~~ん』とアールカエフに言われ、断念。

 彼女の精霊も”風”。アールカエフの精霊同様に入るのを拒む。

 ともなれば、只の人、お荷物。チームですらない彼女が置いて行かれれば死が待っている。


 「……これが申請書です。スィーレン様。お気をつけて……」

 と、仏頂面のダリオン

 「うん。ありがとう。ダリオン君。くれぐれもリンドウたちを飢えさせないでね。お願いだよ」

 「は、はい。金子も預かっております。ご安心ください」

 リンドウとキキョウは今はティーターと屯所に。今朝、別れは済ませて来た。

 金子も子供達の世話代、ハク、リツの世話代。そして、万が一、戻れなかった時のために、リンドウとキキョウが成人するまで不自由しないくらいの額を預けて来た。

 

 「では、色々と世話になる。ダリオン殿」

 「お気をつけて。カンイチ様も」

 「よぉし! 征こうぞ!」

 {おう!}

 ……


 早足でゲートに向かう。カンイチ一行。

 が、さっそくと足止めを食らう。

 色々な種族の混ざった七人と、四頭の狼(二頭は犬だが)。このダンジョンの町でも特殊な組み合わせだ。何よりもハイエルフが混ざる。

 

 「随分と大人数だなぁ。それにエルフ様も? こりゃぁ、珍しい」

 申請書を捲りながらカンイチ達を見まわす衛士。

 「た、隊長……」 

 「ん?」

 そこに、ダリオンが前に出る。

 「帝国の客だ。サッサと通してもらおうか」

 「こ、これはダリオン様……で、ですが、従魔も連れておりますので……」

 「うむ。ダリオン殿。わしら何ら、後ろめたいことは無いで。お気遣いは嬉しいがの」

 カンイチの言葉を聞き下がる

 「ふぅ……。ん? アールカエフ? アールカエフってあの?」

 「隊長?」

 「うん? なんだい? 僕、何もしてないのだけど?」

 「! お、お通りください、アールカエフ様!」

 「うん? そう? じゃ、遠慮なく」

 アールカエフの顔パスで通れるようだ。

 「あ! た、隊長ぉ! ま、まって、お、お待ちをア、アールカエフ様、従魔の認証票です。お持ちください!」

 カンイチ達に追いすがる隊員。小さな金属片のタグを渡す。その従魔用のタグを受け取るカンイチ。

 アールカエフに振り回されて不憫な。そんな表情で。

 「ありがとう。では」

 警備隊とダリオンに見送られ、第一隔壁の中に。

 

 第一隔壁の中は前に立ち寄った時以上に人が溢れ、雑多としている。

 「さすが、アール様、帝国まで名が轟いておりますな!」

 「ちっとも嬉しくないよ! ガハルト君! 僕が何をしたと?」

 と、膨れるアールカエフ。

 「まぁまぁ。うん? これは?」

 「おぅ? 掲示板じゃな。どれどれ」

 

 入口すぐにある注意勧告の看板。そこにはダンジョンで起きている変化や、捜索依頼などが張り出されている


 ・メヌーケイ第三王子のパーティ、行方不明・救出願う

 ・3階にスライムのイレギュラー確認。注意されたし

 ・4階にスライム(青)のイレギュラー確認。注意されたし

 ・15階にゴーレム(種類不明)のイレギュラーが徘徊中。注意されたし

 ・大きな盗賊団が二つ確認されている。

 ・行方不明チーム……

 などなど。


 「ふぅん。ダンジョン賊かのぉ。よくよく考えてみりゃぁ……。金、持っていそうじゃな!」

 「だろう? カンイチよ! 一丁、狙ってみるか?」

 「でも、ガハルトさん。なんか町のお偉いさんや門衛やらと繋がっていそうですよ?」

 非合法。確かに応援が無ければいつまでも隠れていられないだろう。食料や水にしろ

 「ふん。中で消せば問題なかろうよ? 俺らはお宝がいただければそれでいい。なぁ、カンイチ」

 「うむ! そうじゃ!」

 「カンイチさん……もう、賊、金塊に見えてません?」

 「おうおう。確かにお宝も存分に期待できるのぉ。ダンジョン賊。そんなもん、このメンバーなら問題なかろうに? イザークよ」

 「面白そうだねぇアンタ! 叩き割ってやろう!」

 「矢も沢山作ってきたから大丈夫だぞ!」

 ドワーフ一家も賛同の声を上げる

 『お爺の夢に近づくのであれば狩ろうではないか! 我の夢でもある! 良き環境での仔育てはな!』

 「……今日も盛ってるのぉ。フジよ」

 『当たり前であろうが! ハナらの格も上がると良いがな!』

 「普通、賊って、狙うものじゃぁ、ないのですけどぉ。はぁ」

 「ま、何を言っても無駄さ! あの連中は。イザーク君。精々、ころっと死なないように頑張ろう!」

 「はい、アール様……」

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