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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
外国へ!
329/520

さぁ? まったく分かりませんが? (報告会)

 …… 


 「……というわけだが? カンイチよ!」

 「……さっぱりわからんが? ガハルトよ?」

 睨み合うカンイチとガハルト。

 とは言うものの……今までの付き合いもある。ガハルトが挑戦したがってるのは丸分かりだ。付き合いが無くともわかろうという様でもあるが

 

 「明日、そいつが目撃されたという、隣村に行ってみようと思うが? なぁに、クマ達貸してくれりゃぁいい」

 「おいおい……ダンジョン入る前に死んじまっても知らんぞ?」

 「死ぬか!」

 と、ガハルトが腰に下がるトンファーを撫でる。

 「のぉ、イザーク君。ガハルトのこの自信は何処から湧いているのだ?」

 「……さぁ? まったく分かりませんが?」

 「仕方なし……か。付き合おう、ガハルト」

 「そう来なくてはな!」

 「で、親方達はどうする? 無理にとは言わんがの」

 と、話を聞いていたドワーフ一家に話を振る。

 「そうだなぁ。一つ顔を見に行くかな。ワシも聞いたことないでな」

 「オレもいく!」

 と、ミスリール

 「オレはアール殿と子守でもしていようか。どうせアール殿も行かないだろう?」

 とは、ディアン。恐らく彼女の言う通り、アールカエフは面倒がって行かないだろう。

 「そうさなぁ。アールには後でもう一回話してみようか」

 ……


 「ふぅ~ん。白豹熊? うん? あれって極上の敷物になるやつだったね? ダリオン君? カンイチ、お茶ちょうだい。リンドウもキキョウも飲むんだぞ。寝汗、結構かいたからね!」

 昼寝から目覚めたアールカエフ。子供達にお茶を与える。

 『ふむ? 狩りか?』

 改めてフジも交えて、ガハルトの狩猟計画について吟味。計画とはいってもターゲットが白豹熊という事しか決まっていないのだが

 特にこの国には義理はない。が、難敵、被害も多い、狩れそうならやぶさかでないと行動を共にすることにしたカンイチ。

 ガハルトは既に行く気満々だ。

 

 「はい? ええ、スィーレン様。確か? 何処の貴族も喉から手が出るほど欲しがる逸品ですね」

 と、金髪エルフのダリオンが答え、

 「でも、スィーレン様の馬車に敷いてある大熊兎の敷物の方がずっと希少ですよ?」

 銀髪エルフのティーターが補足をする。カンイチがこの世界に来て真っ先にクマが仕留めた大ウサギの毛革だ。カンイチとアールカエフの馬車に敷いてある。フカフカで温かいのでキキョウなどはよくコロリと昼寝している。

 「そう言えばそうね。モフモフだものねぇ。あれ。で、その白豹熊を狩りに行こうっての? まったく、戦闘狂のガハルト君らしいというか……。それにしても……君は毎度ギルドに何を聞きに行ってるのだい?」

 と、あきれた様子のアールカエフ

 「そ、それは……珍しい獲物? 強い獲物……か? イザーク?」

 ごにょごにょと口にするガハルト。

 「……違うでしょう、ガハルトさん。道中の障害になりそうな魔物やら盗賊の情報ですよ? あと、採集物やらの調査」

 と、呆れ顔でバッサリと切り捨てるイザーク

 「採集物……だろう? ……どう違うのだ? イザークよ?」

 危険な魔物、白豹熊を採集というガハルト。

 「ふぅ。まぁ、いいですけどぉ。ガハルトさんですし?」

 皆、一様に頷く。立ちふさがる障害ではなく、態々こちらから顔を見に行く障害だ。顔を突っ込むともいう。

 「うんうん。ガハルト君だしなぁ?」

 「イザーク兄ぃ、焼き菓子もっとちょうだい!」

 「わたしもぉ! 甘いの!」

 「で、アールはどうする? 行くか?」

 「そうねぇ。狩に行くのは止めないよ? 僕は行かないけど? 寒いしぃ? リンドウたちとここにいるよ。フジ殿はどする?」 

 『うん? ハナを連れて行くのだろう? 我も行くに決まっておろうが。白豹熊というのはどんなものか知らぬが、ハナらにとっていい糧となろう?』

 「ほぅん? フジが知らぬとは。森にいなかったのかの?」

 『さてな。白豹熊というのは人の付けた名だろう?』

 「なるほどのぉ……”鑑定”じゃないのかの? じゃぁ、アールとディアンさんが留守番って事でええかの」

 「おう! 子供らは任せろ! カンイチ!」

 「うん。任せたまえ! やばそうだったら逃げてくるんだよ? ここまできてダンジョン前に死んじゃったら洒落にならないぞ? ガハルト君!」

 「は、はい、アール様」

 『ふん。その場合、我が仕留めてやろう! クマ等に食わせるのにな。人に狩れるものなら大した相手でもあるまい』

 「なら、大丈夫だね! 死んじゃぁ、駄目だぞ! カンイチ! 特に……イザーク君!」

 「お、おう。ワシは死ぬ気はないがの」

 「俺も……って、何で? 俺、死んじゃうんです? 何時も……。アール様ぁ?」

 「お、俺だって死ぬ気ありませんよ? アール様?」

 「そう? 困ったもんだ! ガハルト君は! ま、気を付けていってらっしゃい!」

 と、狩りの概要が決まったところに鍛冶師ギルドの職員が呼びに来た。挨拶という”酒宴”の迎えが来たのだろう。すくっと立ち上がるドワーフ一家。

 「じゃぁ、行ってくるかのぉ! 明日に備えて今日は早めに切り上げてくるでな!」

 「朝飯までには帰ってくるよぉ~~」

 「おいおい……大丈夫か? 親方達は……」

 「忙しいですね……。飲むのに……」

 ……

 

 ダイインドゥたちも一次会で切り上げ、夜、日付の変わる頃には帰宅したようだ。

 朝には何時もの……前日に大量の酒を飲んだとは思えない、普段のドワーフ一家が食卓を囲む

 「で、ガハルトよ。目撃例のあった村まではどれくらいじゃ?」

 「うん? 確か、東に向かう街道沿いの農村と聞いたな。馬車で半日と言ったところか? なぁ?」

 「ええ、ギルドの情報では。既に村民が二人喰われてるとか? 他に行方不明のが二人だそうで? それも恐らくは」

 ガハルトに振られ、イザークが答える。

 「ふぅん。人喰い熊かの。冬の間、村に居座る気かの?」

 「一応、極寒時には冬眠すると聞いています。その前の貯えと申しましょうか?」

 と、カンイチお手製の白菜の浅漬けを摘まみながらダリオンが答える。エルフ族の連中には大変に人気だ。隠し味のトウガラシがいい仕事をしている。未だ昆布等の海藻類に出会えていないが入手出来たらさらなる進化をするだろう。

 「今日は移動して、現地に到着。一服して夜には狩りに出られるだろう?」

 「ま、お前さんならそうじゃろうがな。さてさて。で、何日くらい予定しておるんじゃ?」

 「は? ……?」

 ……しばしの沈黙。

 「おい。狩るまでというのは無しじゃぞ!」

 「だ、大丈夫だろう? クマ達もいるしな。すぐ見つかるさ!」

 「……本当に困ったもんじゃな」

 「状況が分からぬし、向こうに行って決めようさ。な、カンイチ」

 「それをひっくるめての計画書が欲しいのじゃがのぉ。ま、農村というし。ええ野菜があるとええの」

 「おい」

 ……

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