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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
外国へ!
320/520

吠えていないでかかってこい! (対、トゥロー)

 …… 


 時間は少し遡る。

 

 先に走ってきたトゥローAをカンイチに任せトンファーを構えながらトゥローBの進行方向に立ちふさがる。

 ”どすどすどす”と駆けて来たトゥローBも目の前の相手、ガハルトの尋常の無い気に怯み、止まる

 「ぶぼごぉおぽぉおお!」

 両手を地に突き盛大に吠えるトゥローB。威嚇だろう

 「ふん! 吠えていないでかかってこい!」

 「ぶぶぼぼぼっほ!」

 両手の指を組み合わせ頭上に振りかぶり、ガハルトに向かいジャンプ! 両こぶしをガハルトに叩きつける腹積もりだ。

 「そんな大技、食らうか!」

 身を引き躱す。 

 ”どずぅうん!” 

 下がった頭部にトンファーを打ち込もうと回り込み、間合いに踏み――込まず、すぐさまバックステップ! 踏み込んでいただろう場所に大きな左拳が通過する。トゥローBのバックブローだ

 「ほう。思った以上に反応も良いな。しかも速い」

 「ぶぶぶばばばっぼっぼ!」

 凶悪に歪む顔、黄色く変色した乱杭歯を覗かせて

 「は? 笑ってるのか? お前、随分と余裕だな。ふっ!」

 神速の踏み込み、小さな目をこれでもかと見開くトゥローB

 ”ばきゃぁ!” ”めしやぁ!” ”ばしゃぁ!”

 「ぶっぼはぁ!」

 くるりと回したトンファーが空中にあったトゥローBの左拳に叩き込まれる。金属製のトンファーの三連撃! さしもの太く丈夫なトゥローの指の骨も砕け、皮膚を破り青い血と共に露出する。

 「あぼぼぼぼぉほっほほぉ!」

 左拳を右手で押さえ、狼狽えているのかきょろきょろと視線をあちらこちらに巡らせる。

 そして一点に。そう、仲間のトゥローAに。が、そのトゥローAはカンイチと戦闘中だ。こちらの咆哮にも反応せず、カンイチを追っている。

 仕方なしと、己のこぶしを砕いた憎き相手、ガハルトを睨みつける。

 当のガハルトは左右のトンファーを自在に回し、トゥローBの出方を測っている

 「うん? 仲間に助けを呼ばなくていいのか? もっともカンイチに足止めを食ってるようだがな」

 ”ひゅんひゅんひゅん”

 「ぐぉぉおぼぉっは!」

 振り上げた拳をガハルトに打付けるように振る。サイドに躱す。

 躱したところを負傷している左拳が通過する。下がったところに右拳。避けたところに左の拳。ぶんぶんと大振りされる両腕。スピードも申し分なし。当たれば必殺! が、相手はあのガハルトだ。

 「ふん。この程度か? その頭は飾りか?」

 ぶぅん! と横に振られた左拳、通過するときに後を押すように左肘にトンファーを叩き込む!

 ”ばきゃり!”

 押され、その勢いのままその場で一回転。バランスを崩し膝を突くトゥローB。

 「参る!」

 ”ぶん!” ”ぼぼぐぅ!!!”

 未だ、膝を突いたまま、下がったトゥローBの顔面に棍棒の用法でトンファーを叩きつける!

 鼻が潰れ、滝のように青い血が流れ落ちる! くっきりと顔面中央にトンファーの跡を残して

 ぐるりと白目を剝く。その頭部に

 「どぅぉりゃぁ!」

 ”ぼぐ!” ”ぼご!” ”ぼっごぉ!” ”ばぎょ!”

 続けざまに4連撃が叩き込まれる!

 「ぶ……ぼぶぼ?! ぶぶっぼ」

 その衝撃で右目は眼窩から飛び出し、ぶら下がる。顎の骨も砕けたか口が、がばりと大きく開く。

 左瞼はパチパチと開閉を繰り返す。

 トゥローBからしたら、こんな小さな餌に良い様にされることは今まで無かっただろう。圧倒的な力を持った魔物だ。

 「ぐぉおおおおおおぉおおおおぉぉん!!!」

 今度はガハルトの咆哮! バトルクライ! 気が満ち、腕が一回り太くなる! そこから繰り出されるトンファーの連撃! 

 ”ばこぉあん!” ”ばがぁぁぁん!”

 口に叩き込まれたトンファーがトゥローBの歯を辺りにまき散らす!

 ”びきん!” ”ばこ!”

 頬にあたったトンファーが頬骨を陥没させる!

 ”ぶぎゃ!” ”ぶぶっしゅ!” 

 横に振られたトンファーが耳を潰し、内部を破壊したのか血が噴き出す!

 ”べきん!” ”ぐきり!”

 左顎を捉えたトンファーがグキリと下あごをあり得ない角度にずらす!

 ”ぼごおん!”

 頭頂部にたたきつけられたトンファーが頭蓋を割りへこます!

 「ぼ……ぼぼぁ……」

 「ふぉおおおおおおおーーーー!」

 縦横無尽に振られるトンファー! そのスピード! 破壊力の全てを叩き込む!

 ”ばきゃ! びきん! ぶぼぉん! べごん! ぼきゃ! ぱきん! ぴきん! ……”

 更なる連撃が頭部に叩き込まれ、骨の悉くを砕く! 

 「ぷぶぴ……ぺ……ぽひひ……」

 膨れ上がり、鮮やかな青色に染まる頭だったもの

 そのまま前に倒れ込み動かなくなった

 ……

 

 ……


 「おう! ご苦労だったな! カンイチ! おかげでじっくりと対峙することができたわ!」

 すでに、トゥローBを屠っていたガハルトがカンイチの労をねぎらう。

 「ガハルト君だし? もう、タコ殴り。トゥローごときは敵じゃないね!」

 「何をおっしゃいます! アール様の魔法も見事! あの太い首を一撃で。ミスリールの矢もな! あの分厚い頭蓋を射抜くとは!」

 「はっはっは! だろう! ガハルト君! 復活してから精霊様も随分とご機嫌でね! 威力が数倍あがってるんだよ?」

 (無い)胸を張るアールカエフ

 「師匠と改良したお陰だよ。新しい技術も取り入れてるからね!」

 ぶんぶんと自慢の大きなアーバレストを振るミスリール

 「……わしは良いところ、ちぃともなかった……のぉ」

 一生懸命闘ったが、逃げ回っているようにも見える。十分に役割は果たしたのだが。良いところなしのカンイチ。少々いじける。

 「カンイチ、その”銃”とやらの威力、上げられんのか? もっと大きくとか?」

 「おぅん? 確かに! ガハルト君のいう通り。それって、カンイチの”知識”や”常識”の範囲内の威力なんじゃない? カンイチ専用のアーティファクトなんだし? 多少、無理できるんじゃない?」

 「む! そうかもわからん! イメージが大事だと言われておったわ……」

 「だろう! うん? どうしたね? ダリオン君?」

 「せ、専用のアーティファクト……? そんな物……」

 厳密にはアーティファクトという物は神から授けられるものとされる。が、ダンジョン等の出物でアーティファクトと呼ばれる貴重なものは数点ある。

 ダリオンの目の前のもの、真っ黒な筒状の武器。先ほどの戦闘で轟音と共に何かを吐き出し、トゥローを傷を負わさせた。それが専用? 何者の意思でか。

 「うん? ああ、あれね。報告してもいいけどぉ。カンイチ専用だから取り上げる事も無理だぞ? たぶんカンイチと共にしか存在しない」

 「は、はい……」

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― 新着の感想 ―
[一言] なんか、かんいち、弱すぎじゃねぇ!! ハイエルフの夫の器じゃないんじゃないの?
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