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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
外国へ!
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カンイチ……がっかりだよ…… (出立)

 …… 


 毛長猪を狩り、レストランで食事を楽しみ、ダンジョンの備えをしつつ休暇の期間、ひと月を消化する。

 その間、チンピラやら貴族に煩わされることもなく。これもゾットの死亡が大きい。

 ファロフィアナもこれ以上、手足になる都合のいい者達が消えてもらっても困ると連中に関わらないように目を光らせてたのも要因だろう。

 

 巨躯の毛長猪のお陰で肉の備蓄もかなり確保できたし、小粒だが魔石も得ることができた。また毛長猪や猪、鹿等の持ち込みの販売益で少なくない金子も得た。

 レストラン側も卸した毛長猪やら、その副産物で大いに潤うだろう。

 リンドウたちも大分落ち着いてきた。獣人族にとっての『力の象徴』のフェンリルのフジの加護。そして恐ろしく強い虎人のガハルトを筆頭に皆、化物ばかり。

 イザーク君に至っては美味しいご飯をくれる優しい兄貴分の地位を確固たるものにしているようだ。

 

 「さてと。次はいよいよダンジョン国か。楽しみじゃなぁ!」

 朝食時の歓談。準備は調った。あとはダンジョン国に乗り込むのみ。必然に話題はダンジョンに。

 「楽しみは良いが、何処のダンジョンに潜るんだ? 決めてるのか? カンイチ?」

 朝から分厚いベーコンを腹に納めるガハルトが問う。

 子供達もガハルトを真似て分厚いベーコンに食らいつく。

 「ん? ガハルト? 別に何処でも構わんじゃろう? お宝がもらえれば?」

 と、パンをちぎりながら呑気に答えるカンイチ爺さん。

 「はぁ? ダンジョンだって個性があるんだぞ?」

 「はぃ? それじゃぁイザーク君が死んじゃうぞ! カンイチ!」

 「ええ! アール様! また俺ぇ!?」

 イザーク君の悲痛の叫びが。

 「そもそも、お宝だってホイホイくれないんだぞ? カンイチ君! 変な話、このメンバーなら山とか雪原に行って魔物狩った方が金になるかもしれんよ? そもそもダンジョンってなんだかわかっているのかね?」

 と、フォークをカンイチに向けて熱弁をふるうアールカエフ。

 ダイインドゥ一家は発掘さえできれば細かい話はどうでもいいようだ。推移を見守っている。ディアンに至ってはダンジョン自体遠慮したいくらいだ。

 「おん? たしか要石というもんがあって、生きた構造物じゃか? 人喰うために財宝を餌にしておるのじゃろ? その餌をわしらでかすめ取ろうという腹じゃろ?」

 「……おい。こそ泥みたいに言うなよカンイチ。ダンジョンにゃ堂々と入っていくし、命がけの正統な報酬だ」

 「カンイチ……がっかりだよ……」

 ダメダメだよ、カンイチと言いたげに肩を狭めるアールカエフ。

 「うん? じゃぁ、アールの言う通り、ダンジョンさやめて魔物退治にするかのぉ? その方が金になるんじゃろ?」

 「いや、ダンジョンはマジックバッグやら希少な武具やらアイテムの入手できる可能性がある。そういった物は高価で売れる」

 とはガハルト。ダンジョンは金になるアピール。さすがにここまできて『ダンジョンやめじゃ!』 は無かろうと。

 「ん? 途中、マジックバッグも結構溜まってるで? ん? ……なんでダンジョンじゃ?」

 「おいおい……カンイチよ……」

 それは無かろうと脱力するガハルト。

 ダイインドゥたちも笑いながら推移を見守る。

 「でもまぁ、こんなにバッグやら金貨が手に入るのって想定外でしたものね。ガハルトさん。盗賊が思った以上に景気が良かった? てか、普通に盗賊とはいえ楽に退治できませんもんね。このメーンバーだから」

 「そうだな。確かにイザークの言う通り……だが」

 「ふぅ。ま、いいや。カンイチ。お金稼ぎに行くよ? ダンジョンに?」

 と、アールカエフ。

 「うむ? ようわからんが、そうせようか。明日、早朝出立でええのか?」

 「お、おう。ふぅ……」

 どうやら予定通りダンジョン行は決行されるらしい。ほっと安心するガハルト。

 「いいんじゃない? ……誰に畑の代金払うのかは未だに不明だけど?」

 「うん? なんじゃ? アールよ?」

 「何でもないさ! 畑買う資金の為さ? がんばろ!」

 「おう!」

 ……


 「ここからアマナシャーゴの国境の町【アティゴナ】までは私も同行いたします」

 と、借家を出たところで金髪エルフのダリオンが合流。

 「うん? そいつは構わないけど? ファロフィアナ君は? 見送りにも来ないのかね?」

 「はい。ファロフィアナ様は帝都の方に」

 「ふぅ~~ん」

 「それで、スィーレン様、どこのダンジョンに入られるのです?」

 「それが良く解らないのよ? 僕には。どこかおすすめなダンジョンってあるのかい? ダリオン君? 簡単に大金稼げるところとか? 帝国が隠してる秘蔵のダンジョンとかないかい?」

 「さぁ? どうでしょう? そもそもエルフ族はあまり潜りませんし? 変わり者以外は?」

 と、ちくり。

 「言うねぇ。ダリオン君! 君も! 仕方なし! アティゴナで情報収集?」

 「アール様、確か一番大きくて賑やかなのは【アロクゴーナ】の町、次席が【アモヒゴーナ】だったかな。ここから近い方はアロクゴーナの町ですよ」

 と、イザーク。

 「へぇ。どうするの? カンイチ?」

 「どう違うんじゃ? ガハルト?」

 「さてなぁ、俺はアロクゴーナの町にある【黄金の洞窟】しか入ったこと無いしなぁ。確か、15、6階までだったか? 結局、金のひとかけらも得られなかったわ! はっはっは!」

 「笑い事じゃあるまいよ……ガハルトよ」

 「まぁなぁ、準備の金子が無駄だったわ。人も多かったし、戦いも皆無。下に行くには大きなバッグが無いとな」

 「うん? ワシが入ったのはアモヒゴーナの方じゃな。【魔結晶の大坑道】というてな。鉱石の採掘ポイントの多い自然坑道型ダンジョンだったな。ワシらは旅行みたいなもんじゃったで3階までじゃったな。骨系の魔物が多くてのぉ、ワシらドワーフ族と大層相性がええんじゃ。採掘がメインでの。ワシら小金はあるでバッグは標準装備じゃ。もっとも、バッグが無いと採掘もおちおち出来んがなぁ」

 「なるほどのぉ。兎にも角にもマジックバッグが必須という訳じゃな」

 「おう! だから今回は(”収納”に)大いに期待しているぞ! カンイチよ!」

 「うんむ。じゃぁ、とりあえず近い方から覗いて見ようかの。目指すは【黄金の洞窟】じゃな! 黄金じゃろ? 金子の匂いもするでな」

 「どうだかな。ま、とりあえずは国境越えて【アティゴナ】だな」

 「そうそう、カンイチ様、【~ゴーナ】という町には認知されたダンジョンがある『ダンジョン町』ですので」

 「ほぅ、面白いの。ティーターさん。了解じゃ! それじゃぁ、出立せようか! 皆の衆!」

 {おう!}

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