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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
外国へ!
234/520

こき使われそうですね……俺

 ……


 「はぁふぅ……。むにゃ……。うん? 何が良かったのかね? イザック君……」

 「イザーク君じゃ……。顔洗ってこいアール」 

 「うん? おお? 了解……。ベーコン大盛ね」

 ……


 「へぇ! これが昨日のナイフ!? こりゃ……風の上位精霊(シルフィード)様の気が込められてるのかなぁ? 今なら、ビンビン感じるよ! んじゃ、これ貰うね! どうせ、僕以外使えないでしょ? ”風”見えないと、自分の足とか飛ばしちゃうかもよ?」

 「物騒じゃな……なるたけ使わないようにの。……守り刀に」

 「……うん! カンイチの気持ちは分かった! 任せたまえ! ナイフ使う前に魔法でポン! だ!」

 「いや、そういう意味じゃないのじゃがの」

 「……判ってるよ。護ってね」

 「……うむ」

 見つめ合う二人。

 「はいはい! じゃ、冒険者ギルドの報告しますよ!」

 ”ぱん! ぱん!”と手を打ち鳴らし、茶番は終わりとでも言うように立ち上がるイザーク君

 「おいおい、イザークよ……」

 「こりゃ、また随分と仲が近くなったねぇ。アール殿。くくく」

 「そりゃぁ、僕達、夫婦だしぃ? 落ち着いたらバンバン子供つくるよ! 村が出来るくらいに!」

 「ほっほっほ。そいつは楽しみじゃな。カンイチよ」

 「……おう」

 

 「では。はじめますね!」 

 イザークの仕切りで、冒険者ギルドで集めた情報が報告される。報告次第で今後のルートやスピードにも影響が出る。

 「特にギルドは問題等は無いようですね。本部からなんか話が来てるとも思ったんだけど……。一応、国境のない組織ですから。特にギルドから接触も無かったし。ついでに、周辺の危険な魔物の発生等も無し。ゴブリンもこの辺りじゃ問題になっていないみたいですね」

 「そうだ。至って平穏……と言ったところか。が、俺としては、 「湿地に行きたい! ……じゃろ?」 ……おう? 良くわかったなカンイチ?」

 「わからいでか。が、目的があってじゃぞ? 面白そうだから行くってのは無しじゃ。死んじまうぞ」

 「そうじゃなぁ。備えを以ってあたろう。外国じゃしの」 

 とダイも賛同の声を上げる。

 「湿地……かぁ。泥でズブズブなんだろぅ? オレはあまり行きたくないなぁ」

 普段は先頭切って戦斧を振るディアンも尻込み。

 「賛成~~。ガハルトさん、オレ達泳げないぞ?」

 そう、ドワーフ族は見た目以上に”重い”。筋肉やら骨の密度が違う。故に泳ぐのも苦手だ。

 「うむ……了解だ。獲物の選定をしておく」

 「はぁ、行かないって選択肢はないのかい? ガハルト殿?」

 本当に嫌そうに声を上げるディアン。

 「そりゃぁ、行くだろう?」

 

 ――ここにも中毒者がおるのぉ。戦闘にじゃが

 ダイや、ディアンの酒飲む時とダブって見えてる。 

 

 「ま、強制参加ではないで……ガハルトさんの狩猟計画次第じゃな。ちゃんと出せよ」

 「おうよ! 任せておけ! 楽しみなダンジョン前に怪我してもつまらんからな! じっくりと考えて出すさ!」

 「だからぁ……行かない……は無いのかよ? ガハルト殿?」

 「ディアンさん、そこはカンイチさんの言う通り、ガハルトさんの計画次第ということで。後は……東門の先に畑があって、兎や猪の駆除依頼が出ていました。常設依頼なので兎狩り行った時には多少だけどお金になります。後……なんかありましたっけ? ガハルトさん?」

 「特になし! じゃ、ギルドに新たな情報収集に行ってくる!」

 「おいおい……。親方の方は?」

 「ワシか? ガハルト殿の依頼もあるでの……鍜治場に行ってこようと思うている。ま、大抵はそこにいるで。何かあったらそこにの」

 「じゃ、オレ達は買い物行って、昼寝だな。ミスリール?」

 「そうだね。母ちゃん。酒も買おうぜ」

 「イザーク君はどうすんじゃ? ガハルトと一緒か?」

 「そうですねぇ、カンイチさん、さっそくクマたち連れて、畑、観に行きましょうか」

 「うん? そうじゃな。行ってみるか。アールはどうすんじゃ?」

 フジと戯れるアールカエフに目をやる。

 「僕? 僕はカンイチと一緒に行くよ? ねぇ、フジ殿」

 ”もふもふもふ……”

 『……おふぅ、ふぅ、クマたちも喜ぼうよ。エルフ殿、もう少し上……』

 「了解!」

 ”もふもふもふ……”

 ……


 カンイチがフジとハナを。アールカエフがクマ。イザークがシロの手綱を引いて町に出て来た。目的地は東門にの先、隣接する畑に向けて。兎狩り、クマ達の良い運動になるし、餌にもなる。肉はダンジョンがそなえているのでできるだけ確保しておきたい。

 走るでもなく、吠えるでもなく。静々とすすむ、4頭の大きな狼(犬)。

 町の住人も一目見てギョッとはするものの、大人しい姿を見てすぐに普段の生活に戻る。子供達は興味津々だ。

 「ふふふ。なんだか俺まで『狼使い』になった気分ですよ。カンイチさん」

 「うん? イザック君 「イザーク君じゃって」 ……は、もう、『狼使い』だろうに? ねぇ、クマ?」

 ”ぅおん!”

 肯定の吠えを上げるクマ

 「そうじゃなぁ、実際クマ達もよう言うこと聞いてるしの」

 それに、良く面倒を見ていると。そんなイザークを好ましく思うカンイチ

 「そ、そうでしょうか?」

 「うむ。嫌でなくば、目指してみればよかろう? 『狼使い』とやらを」

 「そうですよね! 狼使いかぁ」

 「うむ。フジの子とか?」

 そうなれば『狼使い』の上位、『魔獣使い』。下手をすればカンイチに続く『フェンリル使い』とも言えるのかもしれない

 「……なんか、こき使われそうですね……俺」

 「……まあのぉ。くくく」

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