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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
外国へ!
233/520

うむ! それよ!

 …… 


 「でだ! 親方! その”十手”だかのデカいのを造ってくれ! 俺用にな!」

 「はぁ? ガハルト殿? お主の得物はバスターソードであろうが」

 十手を目にしたガハルト。未知の武器に心を奪われたようだ。

 「いやな、最近、対人だと少々持て余してなぁ」

 「化物が……。なら、こういったもんはどうじゃ? 確か、名はトンファーじゃったか。撲殺用の武器じゃ。お前さんは待つより打って出る方じゃろう?」

 紙に変形したT字の中国武具の絵を描いていく。カンイチ

 「ほう……これを両手にか? ……ふぅむ。親方、こいつを金属で作れるか?」

 「そりゃぁ……まぁ作れるがのぉ。見た感じの構造も単純。じゃが……貴殿の腕に合わせると結構な重量だぞい。ふぅむ……この形状から言って中空にするかの。長い方の先は重くして、短い方の先に槍の穂先でも付けるか? むしろ尖らせるのもアリじゃな。ふぅむ」

 「問題なかろう? 多少の重さなら、鍛錬でなんとかする」

 「そもそも、木製のものじゃったぞ?」

 「では、木製と金属製のものを頼む!」

 「ふぅむ……確かに撲殺であれば重さは必要か……木製? ふぅむ。確かお貴族様らの馬車の車軸、鉄木てつぼくじゃったな……ソイツから削り出すか?……とりあえず馬車屋に行ってみるかのぉ」

 ブツブツと呟きながら、どんどんカンイチの描いた絵に注釈を加えていくダイインドゥ

 「あ~あ。親父が長考に入っちゃった。んで! 師匠! 他にもなんか面白い武具ものってない?」

 これはチャンスと、畳みかけるミスリール。異国の武器を知るいい機会だ。その背後から被さるようにガハルトも。

 「面白い物……かの? ……さてなぁ」

 「俺も聞きたいな! 他所の世界の武具になるのだろ?」

 戦闘狂のガハルトもさらに身を乗り出す。もう一歩出ればカンイチとキスする距離だ。

 「ぐぇ、お、重いって! ガハルトさん!」

 頑丈なミスリールではなくイザークであったらべちゃんこだ。

 「お、おぅ、すまん。ミスリール。で?」

 「もうちょい離れろ! 全く……武器マニアの脳筋さんは始末が悪いのぉ。ワシの世界には魔物とかおらなんだから、主に対人じゃぞ?」

 「うむ! それよ!」

 紙に再び、知ってる限りの武具の絵を描いていく。刀剣の類はこの世界でも大きく文化が開いているので、中国武具から、槍、手裏剣等々。思いつくものを書いていく。ダイインドゥも長考から戻り、カンイチの手元を注視する。

 「ほうほう。面白そうなのもあるの。だが……動物には……。そ、そうか! そこであのアーティファクトという訳じゃな!」

 「そういう事じゃ。”銃”と言ってな。何倍、何十倍も大きなものやら、雨あられのように礫を吐き出す物もあるんじゃ」

 「なるほどのぉ……どういった仕組み何じゃ? カンイチよ?」

 「わしのは魔道具? あーちはくと? らしいのでよぉわからんが……。わしの世界の物は”火薬”と言っての。字の如く良く燃える粉じゃ。その爆発的に燃える力を利用して礫を飛ばすんじゃ」

 左手の親指と人差し指で輪を造り金貨を軽く握る。そこを空気が漏れないように右手で”ポン!”と叩けば金貨が飛ぶ。

 「……なるほどのぉ。仕組みは簡単。燃える物質……その衝撃に耐えうる箱……そしてあの筒で方向を……」

 「親父、爆火玉の小さいのやら、爆裂系の魔法で行けるんじゃね?」

 「ふぅむ……。ん? なら最初から魔法の方が……」

 「そうよ、そこじゃ。この世界には魔法がある。こんなもの造らんでも、アールみたいに腕やら首も飛ばせよう?」

 「そうじゃな……が! 職人としては面白い! バリスタなんぞよりもの! でかいのこさえようぞ! 一発で城壁を吹き飛ばすくらいの!」

 「……。だから、親方は何処と戦争したいんじゃ? まったく……」

 ……

 「じゃ、次は俺達から報告な」

 「おっと、ちょっと待ってくれ。武具ついでにの」

 「うん?」

 「市場で手に入れたんじゃ。どうやら、魔剣じゃか、魔武具やらのようだで、親方に見てもらいたいんじゃが」

 収納から例の翼の意匠のナイフを出す。

 「! おお! こりゃぁ【風きりのナイフ】じゃな! おうおう。良く見つけたもんじゃ。……朽ちる一歩手前じゃの」

 「こ、これが【風きりのナイフ】? 初めて見た。さ、触っていい? 親父?」

 興奮気味のドワーフ父娘。

 「朽ちる一歩手前……かのぉ。そいつは不隠じゃ。どうすればええんじゃ? 復活するのかの? 魔力込めても良いのか?」

 「うむ! カンイチ、込めてやっておくれ。ゆっくり無理せんようにの」

 「わかった……魔力! ……そおっと」

 カンイチの人差し指より静電気のようにピシりと青いスパークが。それがナイフに注がれる。

 「無理するでないぞ。何日かに分けて……の。? ……!……! ……化け物じゃな」

 うっすらと、緑色に輝くナイフ。鞘も土色から象牙のような色に。

 「すげぇ……」

 「うんおぉ? 生き返った……かの? 親方?」

 「そんな事よか、何ともないかの? カンイチ。頭痛やら、心の臓は? どうじゃ?」

 「うん? 問題ないぞ。……軽い倦怠感はあるがの。直ぐに戻るじゃろうさ」

 「……お前さんも十分、化物じゃわい。でじゃ、こいつは、この刀身の隙間から、真空の刃を飛ばすことが出来てのぉ。うちで十全に扱えるのは……アール殿くらいじゃな。風が見えん我等にゃ無理じゃな。魔力も食うしのぉ」

 「残念だったな! イザークよ!」

 「は? ……魔剣持てる実力がないことくらい自覚ありますよ。俺」

 「そんなこと無いぞい。イザークよ。こういった物は”出会い物”じゃて。ダンジョンの奥に行くんじゃろ? お前さんを待ってる武具もあるやも知れん」

 「親方ぁ……」

 「良かったな! イザーク! はっはっは!」

 「はぁふぅ……。むにゃ……。うん? 何が良かったのかね? イザック君……」

 「イザーク君じゃ……。顔洗ってこいアール」 

 本日の【風きりのナイフ】の出会い主の登場だ。……ぼさぼさ頭に眠気眼だが

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