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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
序章
14/520

世界

 ……

 

 『う~ん……こうまで話が通じないとは……もう少し若けりゃ、『異世界』行けるぞ! がんば! って、サクッと話がつくんだがなぁ』

 お手上げだと言わんばかりの***

 

 『……***よ、面倒でも一つ一つ説明しないといかぬだろうよ』

 と、*****も色々と気を回しているのだろうが、こちらも打開策は見えていない。

 

 「す、すいません。神様……ワシ、私のために……」

 困惑顔のかんいち。不本意ながら、己の言動で二柱の神の手を煩わしていると責任を感じている。

 平伏し、只々、恐縮するばかり。

 

 『ま、仕方ない。例えば――俺の管理してる星は、幾つかの大陸があってな。小さい国が乱立し……ちょっと待ってな。検索……と。……ふむふむ。カンイチのいたところで言うと有名どころだと、『三国志』? 日本で言うと安土桃山時代みたいな? 群雄割拠……まではいかないけど、今のヨーロッパ。EUみたいな? そんなとこだ』

 「?」

 

 安土桃山時代。EU。知ってる単語は出てきたがそれがどう今の状況に結びつくのか? かんいちは益々混乱だ。『三国志』? 名は知ってるが、読んだことも無い。全く関連性、理解が及ばない

 助けを求めるように*****の目を見つめる、かんいち。そう、すがるように。

 

 『うむ。良くわからんが。私でも』

 もう一柱の神*****も同意見のようだ。ホッと胸をなでおろす、かんいち

 

 『じゃぁ、どう説明すりゃいいんだ? まぁ、管理する者によって星も様々……なんだよ。*****さん。! うん? そうだ! カンイチ! 面倒だ。いっそのこと俺の管理してる星に来いよ。なぁ!

 世界中、あちこちでいくさやら、魔物、怪獣やら、魔法やらで楽しいぞ。な! な! 俺の星にしろよ!』

 『…』

 「あ、あのぉ。神様、さっぱし、楽しそうに聞こえないのは……ワシの気のせいかの?」

 怪獣? 戦争? 静かに畑を耕して暮らしたいかんいちにとって、懸案事項以外の何物でもない  

 

 『いや、カンイチ。其の方が正しい……。全く、***よ……まったくの意味不明ぞ』

 と、*****と、呆れ声を上げる

 『良いか? カンイチ! 文明度が上がるほど、個の存在が 『奴隷になれば権利などあるまいよ』 ……うるさいなぁ。*****さん、今、説明してるんだから』

 「ふぅむ。なるほどのぉ。集団に埋もれるより、好き勝手。自由に動ける方が楽しいのぉ」

 『ええぇ? 今ので理解しちゃったの? カンイチ? でも、なんか違うぞ。その思考は』

 驚きの声を上げる*****。

 

 『いいんだよ! *****さん。細かい事は! だろう?カンイチ! 国やら王が文句言ってきたら、ぶっ飛ばしちまえばいいんだ! 力が全てだ!』

 「流石に国は……のぉ。だけど、町の外れで農家をするには良いかのぉ……」

 『はぁ? カンイチ! 怪獣やら魔法の(地球人から見て)夢の異世界だぞ? そこ行って農業するつもりかよ! ”神”の力を使ってバッタバッタと――』

 「へぇ。ワシ、先祖代々生まれながらの農家ですじゃ」

 『そう……』

 『くくく……なら仕方あるまいよ。***』

 『でも、神格を得たとしても地上ではコロッと死んじまうから注意な!』

 と、とんでもない言葉が言い放たれる。神が死ぬ?!

  

 「し、死んじまう……のですか?」

 『ああ。で、リセット――ああ、やり直しって意味な。で、もう少し安全なところで0からやり直しな』

 「じゃぁ、最初から安全――」

 『つまらんだろう! カンイチよ! 安定してる世界じゃ徳を積む機会も少ないぞ!』

 と、***が割って入る! 

 「……はぁ? 別に私は神様にはならなくとも――」

 『決定事項だ!』

 『おいおい***』

 「……はぁ。ですがのぉ。神様。ホイホイ死んじまっては……」

 ――修行もままならないのでは?

 と少々心配に。

 『うむ! 心配するのもわかる! そこで、その世界に合せて技能スキルやら、物品アイテムを我々がカンイチに授けるという訳だ! どうだ! 神様らしいだろう!』

 ふんすと鼻息荒く、***の演説は終わったようだ。

 

 『おい、***よ』

 「はぁ?」

 そんなモノかのぉ…と。思うかんいち。だが、生きていく助になる”技能”であれば……

 

 『例えば、そうだなぁ、『無敵』とか! 『不死』とか! どうよ?』

 「あ、あのぉ……。そもそもそれがダメで地球以外の他の星に――」

 『ぅぉっほん! 例えだ! 例え! 焦るな、カンイチよ!』

 「は、はぁ?」

 『おいおい……支離滅裂だぞ。***よ……』 

 『ま、文化レベルも低いし。国も沢山ある。適当に行ったり来たりしてりゃぁバレないって』

 「はぁ? 良くわからんのぉ」

 もう何度目か。首を傾げるのは。

 クマ、ハナを撫でることで安心は得られているが……。

 

 『む~~ん。ゲームとかの予備知識が無いとここまで説明が面倒とは……。それにこのカンイチ、欲がないぞ』

 「い、いんえ、神様……人並みにはあると思いますがのぉ」

 『仕方あるまい。【地球】では長寿。悟りではないが、いろいろと思い、感じるところもあるんだろう。我らに近しい所に足を踏み入れているのかもわからん』

 

 さすがに……そこまでは……と思い、多少、ふくれるかんいち

 だが、今思うと……確かに、特に欲しいものも無いし、酒、煙草もとうにやめた。下? の方も……しょうがない一〇〇歳だもの。雄姿もとんとご無沙汰だ。

 

 『なら、若い肉体を得れば復活するな! 物欲! 食欲!! 性欲!!!』

 「それで徳が積めるのですかのぉ」

 『生きる活力だ! 活力! ……うん? なんか俺、変なこと言った? 昔のこと思い出してた?』

 『それは知らんが、まぁ、普通に生きて行けばいいと思う。なにも無理して今の生活を変えることもあるまいよ。カンイチの言う通り、他所の星に行って畑を耕しても良かろうさ』

 

 「あのぉ。神様。一つお聞きしてもええでしょうか。他にもワシみたいに他の星に渡られる方はいらっしゃるのですか?」

 『うん? ああ。カンイチの好きな農業で言うところの”株分け”みたいなものだ。双方の”管理者”の同意の上行われる。今の所、”人種原種”は発生星別に、127種確認されていてな。それを混ぜたり、現地の生物と掛け合わせたりしてその星の環境に適したものを作るんだ。もちろん、希望すれば人種のみならず、カンイチの言うところの、動物、植物、菌、ウィルス等も試される。【地球】にしたって、数種類の人種が試され、今の”種”が残ってるに過ぎぬ』

 「へ、へぇ? では、進化と言うモノ……は?」

 『猿から人? って? 無い無い。”人”は”人”。というより、現地の生物との混血実験やらはされたな。その星特有の免疫やらを得るために。その途中途中の”結果”が偶々連続していたのであろう。まぁ、それを”進化”と言い換えても構わんがなぁ』

 「はぁ?」

 『あとは、見張ってるが、【総文化レベルがⅨ以上】【魔法文化Ⅵ以上】の星は勝手に他の星から攫いやがる』

 「攫う……のですか?」

 『ああ。宇宙船……ほれ、カンイチの所で言うところのUFOだったか? 空飛ぶ円盤の? ”恒星間航行”で勝手に行っては“命”を攫って来る。あとは、物語や、ゲームなんかで言う【送還・召喚魔法】だな。こいつは魔法で特定ないし、無秩序に攫う。……また理解が及ばぬようだなぁ。そうだなぁ、行方不明者の一部なんかが攫われた方かな。ちょっと待ってよ。え~と……カンイチの所で言うところの源義経やら空海という坊さんが攫われてるな。信長っていうのも? 知ってっか? で、昔話にある鬼やら吸血鬼、化け物の類は逆。そういったところから追い出された連中だな。これらは度が過ぎると、俺ら”管理者”同士の争いに発展する場合もある』

 

 ――ほぅん。天狗やら妖怪なんかはそういうものか

 程度の認識だ。

 

 「……でしたら、この熊さも?」

 よく理解は及ばないが、足下の熊ならわかる。先ほどまで命がけで戦っていたのだ。

 『……それは。事故だ! 事故!』

 『くくく……。まぁ、そういった事例は結構ある。一部の文化レベルが高い星が、研究目的の実験動物として低い国の人種を狙い、逆に低い国が、知識を得ようと文化レベルの高い国の人種を狙う。UFO飛ばすくらいの文化であれば、【魔法】に対する防御なども行う。そういった意味から【地球】は攫うのに丁度いい』

 「先ほどの”管理者”様は御許しに?」

 『さぁなぁ。上の方で色々とあるんだろう? 俺達のような下っ端にゃ、理解できんわ』

 『ああ。何らかの取り決めみたいのもあるのだろうさ。『人種』を増やすのも推奨されてるからなぁ。そういった先進した文化を持つ人種に代理でやらせてる事例もある』

 「お上の意向……どこの世界も一緒ですじゃ」

 『『……まぁな』』

 ……

 何処の世界もせせこましいのだと理解するかんいちであった。

 

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