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二(かんいち)爺ちゃん、異世界へ!(仮)  作者: ぷりぷり星人
序章
13/520

現状

 

 《カンイチ。落ち着いて聞いてほしい。まず、其の方を【地球】に還す事、叶わぬ》 

 

 「……」

 開口一番。かんいちの希望は早々に砕け散った。あとから降臨された、この場で最も偉いであろう神。【地球】を管理する神から、お前はもう地球に入れないと。

 

 《すべては此方の不手際であるが。此度、此処――其方に分かりやすく言うと、【天界】に”生身”で至る事で、カンイチ、お前は”神格”というものを得てしまったのだ。もはや【地球】では、普通の生活の中で死ぬこともあるまい。異質の者……特異点と言っても良い。普通の人からは、最早、化物の類とみられるだろう》

 ぽかぁ~~ん。と、ただ、聞いてるだけのかんいち

 

 《が、安心すると良い。いずれ其の方は、其の方の言うところの、”神”、我らの朋友となるだろう》

 そして、かんいちの心情を汲んでか、優しく高位神が説明をつける。

 

 「へ、へぇひぃ? ワシ……私が……化物? そして”神”……? ? ?」

 只でさえ一杯一杯のかんいち。全く理解が及ばない。

 只、只、ジッと、美しい、彫刻のような*********の顔を見上げるのみ。

 

 《言葉使いも普通で良い。堅苦しいであろう?》

 「い、いえ……?」

 《まぁ、只、”神格”を得たというだけだ。いずれかの星に降り立ち、地面を這いまわり、神格に見合った己の格を上げねばならぬ。そう、カンイチに分かりやすく言うと”修行”……をせねばならぬ。1000年か……10000年か。その後、天界に籠り……うん?》

 

 ぽかんと、呆けてるように*********を見つめるかんいち

 すでに脳の容量、いや、理解の範囲を大きく超えたようだ。

 

 『*********様。普通の【地球人】には理解が及ばないかと……』

 と、フォローを入れる*****。

 『ですねぇ。若い連中なら、 【異世界転移】 やら、 【異世界転生】 どうよ? と言えば、すぐに通じるのですがね』

 すこし考え、再び声を掛ける*********

 《そうであるか。が、あまりにも突飛。では、簡単に言うとだな。カンイチ。其の方に道は二つ。己の格を上げる修行を行い”神”へと至るか。この場で、”魂”を返し――分かり易く言うと”死”して【生命の泉】に還元されるか。そのどちらかとなる》

 

 「死……」

 

 死? 死……。周りを見渡すかんいち。既に死んでいる? いや、「死にたくはない!」と己の身を案じる”自分”はここにいる。もちろん、死ぬのは嫌だ。

 

 《うむ。特異点……其の方を放置することは出来ぬ。全ての始まりであり終わり……”無”へと。折角の神格を得たのだ。カンイチよ私は修行を勧めるが。そこな***程度なら、すぐにも追いつけよう》

 「は、はぁ?」

 『……』

 一瞬、ブスッとする***

 《その辺りもまだまだ修行が足りぬな***》

 どうやらしっかりと見られていたらしい。頭を下げる***。

 

 《どちらにせよ。カンイチ。其の方の意思を尊重しましょう。其の方の言う一週間という時間内で決めるといい。色々と決まりがあってな。この部屋から出す事、叶わぬ。ここでなら食事も、水も要らぬだろう。時の流れが分かり辛いだろうが、こちらから知らせよう》

 厳かに残り一週間と告げられる。

 

 「で、でしたら、”神”様。自ら死ぬのは無しでお願いします。【地球】――曾孫に可哀そうな思いをさせるが……どのみち100も生きましたで。残った寿命だってあって無いようなものでしょう。で、あれば、違う星でも……」

 

 ――己から命を捨てることはできない。折角両親から頂いた”生”だ。全うせねば

 と。であれば、もう一方の生への道……”修行”を申し出る。

 

 《ふむ。では、【人間】がいる幾つかの星をピックアップしておこう。細かい話は、*****よ。十分に説明しておくように。***も立ち会うのだぞ》

 『『はい。』 分かりました』

 流れるような髪を翻し部屋を出ていく高位神。それを跪き見送る神々。かんいちもそれに倣う。

 

 ――しかし……えらい目にあったのぉ……わし。どうなってしまうのか……のぉ……

 すでに天界とやらに来てしまったかんいちであるがそう思わずにはいられない……例え、俎板まないたの鯉でも――

 ……


 『ふぅ。……しかし、面倒な……』

 どさりと尻を突く***。

 

 「真にもってすみません。神様」

 二柱の神に土下座して謝罪をするかんいち

 『いや、よい。そもそも***が起した事。気にすることも無い。それよりも***よ。――カンイチに詫びよ』

 『へ? 何で俺が?』

 『本気か? 貴様の不手際で、【地球人】を何人も殺したのだぞ? 己の管理する星以外で。そんな心根では――』

 『そ、そうだな。すまぬ。カンイチ』

 小太りの神に促され頭を下げる痩せの神。かんいちは只、只、恐縮するばかり。

 「ひぃ! ”神”様! 頭を上げてくだせぇ! 恐れ多い……」

 更に頭を低くするかんいち

 『色々あって混乱してるだろう? 説明は明日にでもするか?』

 と、カンイチの今の状況を鑑み優しく声をかける*****

 

 「い、いえ、神様ぁ、こ、この何もない部屋で何日も放っておかれるのも……暇ですし。できましたら今からでも……」

 『それは構わないけが。そうそう。このデュアル・ベア。カンイチが仕留めたのかい?』

 と、***が横たわる化け物熊、デュアル・ベアを指差す。

 

 「へぇ。仲間と共に……何人か死にましたがのぉ」 

 『おい! ***。不謹慎だぞ。こんなときに」

 と、*****がたしなめる

 

 『へいへい。じゃぁ、軽く説明するわ。解らんことがあれば、都度、聞いてくれ。先ずは……そのまま――は無いな。カンイチの居た星【地球】で言うところの、15~20歳くらいに若返らせて、指定された星に降ろす。後はそこで好き勝手すりゃいいさ。徳を積めば修行期間も短くなると思うぞ』

 

 ――若返るの……かの……? ワシ?

 

 『ああ、その通りだ。カンイチ。今の爺さんのまんまじゃ、すぐに死んじまうだろ?』

 かんいちの思考***が読まれたようだ。さすが神と変なところで感心するかんいち

 

 「そ、それであれば……【地球】でも」

 『カンイチの気持ちもわかるが……【地球】は”化け物”には住みづらいだろう? 200歳とか、300歳とか……いや、10000年とか生きるんだぞ? 地球……日本じゃすぐにバレるだろうさ。それに”管理者”である*********様が認めそうにないしなぁ』

 『そういった”モノ”が混ざってもバレない文化レベルが地球よりかなり低い所になるだろう。特に戦乱の多い星に。徳も積みやすいであろうし』

 「……矛盾していますなぁ」

 『ま、そんなもんだって。世の中なんか。天界ここだって同じさぁ。なんだかんだ言っても、自分のテリトリーが優先さ』

 『……おい。***』

 『んじゃぁ、*****様の星にすればぁ?』

 『私の星は”人類”はいないぞ。そもそも”人類”を発生させてる管理者は少ない。管理が面倒くさいからな。”人類”だけだ。己の住む星を”故意”に破壊し、滅亡する生物は』

 『まぁなぁ。が、そういった予想を超えるのが『人類』って奴さ。見ていて面白いぞ』

 「……孫らが、ピコピコやっている、”げーむ”? のようだのぉ」

 『そうそう! それ! そんな感じだ! 魔法の国だ! どうだ? 心躍る……よな? ……ふぅ……忘れてくれ。カンイチ……」

 ぽかん。呆けた顔のかんいち。意味不明……理解不能。全くついて行けないかんいちだった。

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