第十一話 竜と騎士3
ロゼは五分以内に倒すと宣言したが、そんなことができるのか。美空は不安でしかなかった。
「みんな、手を出さないでくれ」
さらにこの発言。いてもたってもいられなくなった美空は反論した。
「ちょっと待ってよロゼ!あれを一人で倒すの!?」
「心配しなくても平気だよミソラ」
ロゼはそれだけ言って刀を構える。鼻先と平行になるように、かつ刃先を相手に向ける構え。さっきとは異なる構えかただ。
「ミソラさん。兄さんは必ず勝ちますよ。心配入りません」
イヴがそう言うと、リトニスも数回軽くうなずいた。
「二人とも……!」
「まぁ、騙されたと思って見ておくんだ」
「…………」
リトニスに言われると、さすがに引き下がるしかない美空は強く拳を握る。
ロゼは力強く地面を蹴る。一瞬で、ワイバーンの手前まで距離を詰め、そこから真上に跳んだ。同時に刀を顔の近くで構え、ワイバーンの右目を刀で斬りつけた。そこから血が吹き出し、ロゼは帰り血を浴びた。重力に従い落ちるロゼは、身を翻し刀を振り上げた。刀はいきなり炎をまとい右翼をその刀で溶断した。ロゼはしっかりと着地。バランスを崩したワイバーンは地面に墜落。
ロゼは自分の刀を地面に突き刺した。
「少しずれた方がいいな。巻き込まれる」
「そうですね」
イヴと、リトニスはそう言って右に
「ミソラ、危ないから少し左に」
美空はロゼの指示通り左にずれた。
刀は再び炎をまとい、ロゼは先ほど地面に刺した刀をそのまままっすぐ上に振った。炎は刃となりそのまま地面をえぐり、ワイバーンをきれいに真っ二つに裂いた。
ロゼの戦いを見ていた美空は、唖然としていた。宣言通り、ロゼはワイバーンを″五分以内に倒した″。
ふう、と息を吐いて、もとの姿に戻ったロゼは言った。
「これでいいでしょ」
リトニスは数回うなずき、
「ああ」
と相づちをうち、イヴは
「すごいです兄さん。いつもより早く倒してしまうなんて」
と感心していた。
一方の美空は
「本当に五分以内に倒した……」
驚くと同時に、安心したように呟いた。




