全ての始まり-告白・廻-
俺は、木下元。(きのしたはじめ)
普通の高校二年生。
彼女いない歴=年齢。
とは言ったものの、数年前に一人、彼女がいた。
あの子と付き合った時間は短いけれど、一応、彼女だった。
今は、もう・・・。
そんな事を思いつつ、今日も学校へ向かう。
俺は学校に行くのが異様に早い。だからいつも教室には誰もいない。
俺は一人の時間が大好きなのだ。
友達はいるが、頻繁に話すほど、仲良くはない。
しかし、いつもあっちから話しかけてくるくらいだ。
少しばかり、ウザい。
たまに、恋バナをしたりするが、全く興味がない。
興味がないというか、なんというか、夏江の事が忘れられないだけなのかもな。
「・・・・」
夏江・・・。
彼女に会いたい・・・。
でも、会えない・・・。
グスッ。
少しばかり、涙が出る。
それを俺は拭いながら、今日も本を読む。
ちなみに、ガールフレンドはいない。
嫌われてはいないけれど。
こっちから、絡むこともない。
あくまで、一人が好きなのだ。
そんなある日、下駄箱に手紙が入っていた。
「貴方に、話したい事があります。
昼休みに屋上まで来てください。
咲野春」
そんなことが書いてあった。
咲野春・・・?
誰だ?
・・・・。
あぁ、同じクラスの。俺と同じく、あまり目立たないアイツか。
正直、行く気にはなれないが、仕方ないな・・・。
行ってやるか。
そして、昼休み。
咲野はそこにいた。
何故だかは知らないが柵の前に。
「咲野か?」
そう、声をかけると彼女はこちらに振り返った。
その一瞬、彼女と目が合う。
なんというか冷たい目だった。
もっと簡単に言えば、瞳に光がない。
・・・目が死んでいた。
咲野はこちらに歩みを進めてそれから、
「貴方が好きです。付き合ってください」
そう言った。
・・・・。
なんだって?
付き合って?
好き?
告白か?これは。
・・・・。
彼女は少し涙目だった。
どうやら、だいぶ勇気を出していたらしい。
「・・・・いいよ」
俺はそんな咲野の気持ちを無碍には出来なかった。
その日から、屋上で一緒に弁当を食べたり、お互いの家に呼んで遊んだりしていた。
特に、俺としては心境の変化はなかった。
なぜならば、やはり、夏江の存在があったからだろうか。
もういない、俺の初恋の相手。
そのいない人物を俺はずっと想い続けている。
付き合い始めて数ヶ月が経過した頃。
「おかしいな・・・」
咲野が屋上に来る回数が減った。
もちろん、そうなってしまったら俺は一人で弁当を食う。
なんというか、今までの感覚があるせいなのか、少し心細い。
一応、アイツの家に行ってみるか。
放課後、咲野の家に向かった。
家には入り、咲野の部屋に行った。
「咲野・・・!」
俺は部屋に入るや否やそう言った。
「何?」
咲野は慌てず、冷静にそう返してきた。
「お前・・・なんで最近、屋上に来ないんだよ」
「・・・・・別に」
少し言いにくい態度で咲野はそう言った。
その後、色々なことを聞いたが、「別に」の一点張りだった。
「・・・・・」
俺は何も言わず、部屋を出て、そのまま自宅へ帰った。
数日後、屋上に咲野を呼び出した。
屋上には俺達二人しかいない。
天候は雨。土砂降りだ。
何か起きそうな気がする。
そんな中、咲野が口を開いた。
「別れようか、木下」
・・・・。
そう言いながら咲野は屋上の柵を超えた。
「・・・・・私、死ぬつもりだったんだ。今になったから言うけど、あの日の告白は、『嘘』だったんだよ元。それをアンタが間に受けたってだけ。私は遊んでた」
咲野はそう言って、けたけた笑う。
俺は怒らず、まずは彼女の自殺を止めようと、口を開く。
「待て、咲野。あの日の告白が嘘だったなんて、今はどうでもいい!いいからこっちに来い!」
「無駄だよ。木下ぁ。てめぇに私は止められない。もう、限界なんだよ。
何もかも捨てたいんだよ、木下ぁ!」
ふらふらとよろけながら咲野はそう言った。
そして、「あはは、馬鹿野郎」
そう言いながら咲野は落ちていった。
この一件の後、俺は数日間、不登校になった。
アイツを、あそこまで追い詰めたのはなんだったのだろうか。
今の俺には知る由もない。
後書き。
えー、この作品は「告白シリーズ」の原点である作品、「告白」をリメイクしたもので、
今まで書いた「告白シリーズ」の設定を少しばかり、混ぜております。
私の「告白シリーズ」をこれから読もうと思っている方にはあまりお勧めできないかと思います。
時系列的には一番最初なのですが、設定的に分かりにくいところがあるので。
全ての告白シリーズを読み終わって、設定を理解した後に、読むことをお勧めします。
まずまず、この「告白・廻」はリメイクですが、「告白」とは別物だと思っていただいた方がいいかと。




