一話 登場人物紹介
一話のネタバレを多く含みます。できれば読了後に。
①古荘の管理人――乞日辻 居守
「人生の難易度が高すぎる」
「私のしたことが、どこの誰の怒りに触れたかなんて知ったことか!
あんた達、人ン家に土足で踏みこんで、ただで帰れるなんて思ってないでしょうね!!」
「私は、私達の居場所を傷つける奴だけは、絶対に許さない!」
攻撃■□□□□□□□□□ (非力)
防御■□□□□□□□□□ (紙)
速度■□□□□□□□□□ (晴れた日の蛙が如く)
精神■■■■■□□□□□ (確固とした自我)
特殊■■■■■■■■■■ (古霊の加護)
特技 暗算、家事全般
通称・オンボロアパート、正式名称・東雲荘の管理人。15才、高校一年生。
名の由来は「居場所を守る」という意味合いが込められている。
収まりの悪い黒髪には赤い斑模様が浮く。ショートヘア。モスグリーンの瞳。
身長149センチ。標準体型。分厚い眼鏡をかけている。やや猫背。
極端な寒がりのため、学校にいる時以外は制服の上に分厚い褞袍を羽織っている。
大人びたというよりか、やや年寄りじみた趣味嗜好と思考回路を持つ少女。
両親を6才の頃に亡くし、唯一の形見分けとして築68年のボロアパート・東雲荘を譲り受けた。以降、親戚とは絶縁状態。唯一存命中であるはずの姉とは音信不通。
入居者が長らくゼロのために家計は火の車。少ない貯金を切り詰めてなんとか生活していたが、高校入学を機に本格的なアパート経営を誓う。金に煩い守銭奴。家事の腕前は確か。
初夏7月生まれ。一人称は「私」。
■特殊能力
古霊に好かれやすい体質。そのために朧(闇に傾いた曖昧なもの。古霊とは対極的な存在)をも引き寄せてしまう。彼女自身に特筆した能力はない。
②綾取る八脚暴乱の荒人神――千篝 綴
「鬼となるか、蛇となるか。好きな方を選びなさい」
「人間気取りも大変ね」
「あたくしは手前様のことが気に入ったの。だから骨の髄まで愛してやるわ」
攻撃■■■■□□□□□□ (攻撃的)
防御■■□□□□□□□□ (脆し)
速度■■■■■■■■□□ (迅速)
精神■■■□□□□□□□ (依存的)
特殊■■■■■■□□□□ (鬼蜘蛛化、影の糸を操る)
15才、高校一年生。千篝双子の姉の方。
腰まで届く漆黒のストレートロングヘア、左分け。躑躅色の瞳。
身長170センチ、モデル体型。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗と三拍子揃った風情だが、口を開けばがっかり美人。思ったことがすぐ口に出、同時に手が出る。外見は冷たい印象を纏い、内側は間違った方向に明朗。手先は器用だが、家事(特に料理)はてんで駄目。
双子の片割れを溺愛。家族構成は双子のみ。両親は生前に他界(※)。12才の時に育った村を出、中学校には通っていない。「鬼の血を引く」などとも言われ、生まれに纏わる謎が多い。
独特の喋り方をし、所々に粗野な口調が混じる。
基本的に他人をフルネームで呼び、気に入った人間を「手前様」と呼ぶ。彼女なりの愛情表現らしい。
厳冬12月生まれ。一人称は「あたくし」。
■特殊能力
【鬼蜘蛛】と化す異能を先天的に所持。
双子神として崇め奉られていた荒人神。ゆえに半人半神。人の身でありながら神格を有する。
もう一つの姿【鬼蜘蛛】は節足動物門鋏角亜門に属する生物――オニグモの形。
異形化したとしても自我が薄れることはなく、あくまでもう一つの姿を持っているという認識に過ぎない。姿としては人型、オニグモ型の二つ。亜人のような姿にはならない。
血族を辿るとこの国の土着先住民に辿り着く。
異形化の際の変化は背中から。背中から四本の歩脚が突き出る。
■技
技は【黒糸威】と名付け、影を縫う異能を持つ。要の数値が上がると難易度と共に威力もあがる。
③紮げし白銀の現人神――千篝 縢
「せいぜい畏まって崇め奉ってくれ」
「俺を差し置き管理人さんと甘味を貪るとは鬼か、姉貴!」
「でも俺、シリアスな空気って嫌いなんだ」
攻撃■■□□□□□□□□ (不明点多し)
防御■■■■■■■■■□ (堅牢)
速度■■□□□□□□□□ (並)
精神■■■□□□□□□□ (依存的)
特殊■■■■■■■■□□ (不明点多し)
15才、高校一年生。双子。
銀色の髪、ショートヘア。右分け。躑躅色の瞳。
身長172センチ。両耳にそれぞれ八つずつ銀色のピアスを嵌める。
名は「縢る」=「布の裁ち目などがほつれないよう、縫い糸やしつけ糸でからげること」から。「紮げる/絡げる」。束ねくくること。また、くくったもの。「耀う/赫う」(かがよう)=「きらきら光って揺れる」。
姉と同じく成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗。非常に中性的な容姿。
慇懃無礼な毒舌家と自称するが、実際は単に歯に衣着せぬ性格なだけ。裏表がなく、性根は限りなく澄んでいる。姉よりかは常識的な思考回路を持つ。しかし所詮はドングリの背比べ。
普段からすさまじい握力と馬鹿力を持つ。単車程度なら容易に持ち上げることができる。
双子の片割れを溺愛している。家族構成は彼女のみ。両親は他界。
厳冬12月生まれ。一人称は「俺」。
■特殊能力
一話終了地点、未だ不明。
④鉄火場の昼行燈――閂 天鑰
「どっちの方が萌え度が高いと思う」
「うはは。愉快愉快」
「あたしはね、小僧。年寄りらしく年功序列を重要視するんだ。早い話、貴様は誰に向かってその減らず口を聞いている」
攻撃■■■■■■■□□□ (巧み)
防御■■■■■■■□□□ (鉄壁)
速度■■■□□□□□□□ (侮り難し)
精神■■■■■■■■□□ (老獪)
特殊■■■■■□□□□□ (不明点多し)
常夜商店街の片隅に雑貨店・大吉を構える妙齢の女性。見かけは30才ほど。
紅白きっぱり分かれたショートヘア、左目は真紅。身長170センチ。
紅白色の作務衣の下にTシャツを着ており、基本的に一年中この格好。体を鉄製の数珠で巻いている。また常に長い杖を持ち歩く。生来から体の右側に障害があり、右目は閉ざされ、右腕は使えず、右足は常に引き摺って歩く。
気質は極めて穏やか。ゆるやか且つのんびりとした口調で、相手を自分のペースに巻きこむ。
居守が幼い時からの友人であり、姉代わりの人物でもある。居守のことに対してはやや盲目的でもある。
一人称は「あたし」。
居守の過去を知る、数少ない人物。
■特殊能力
一話終了地点、未だ不明。
⑤荒ぶる若き雷龍――益嵓 巽
「御大層な人間性をお持ちらしいぜ。アタシの大っ嫌いなタイプだ」
『日和ってんじゃねエよ! 黴臭え古神如きが!』
『テメエみてエな偽善者が、アタシは、一番、大っ嫌いなんだよ!!』
攻撃■■■■■□□□□□ (危険)
防御■■■■□□□□□□ (龍鱗の装甲)
速度■■■■■□□□□□ (雷鳴が如く)
精神■■□□□□□□□□ (刹那的)
特殊■■■■□□□□□□ (降御神【雷龍】、雷撃)
龍を隷属させる16才の少女。門角学園二年生。
名の由来は「二つの己が共にある」という意味が込められている。
髪は青々しいウルフヘア。瞳は蛍光の黄色。
身長170センチ。
傲慢且つ浅慮。自らの前に立ちはだかる者は何者だろうと容赦はしない。その根幹には自らの感情を押し殺すこと、無下にされることに並々ならぬ忌避感がある。
魂は正義でもなければ悪でもない。完全に中立的な自己愛精神で動いており、時と場合によって全く違う立ち位置にいることになる。
【眷奉大祭】には早くから参加しており、ストレス発散の場所としている。
門角高等学校二年生一派の首領格。スケバン。
実家は古くから酒造を営み、250年を超える老舗。日陰で蟠っていた鬱屈を、幼少の頃からの下僕である【龍】と共に晴らし続けた。家族構成は祖父、父、長兄(甲 きのえ)、長女(乙 きのと)。
夏8月の生まれ。一人称は「アタシ」。
■特殊能力
「龍を宿す」異能を先天的に所持。特異【降御神】
龍を体に宿し、一時的に超人的な身体能力を発揮する。雷を使役するのは実はあまり得意ではない。どちらかというと龍本来の剛力を振るう技に長ける。
■【龍】
酒造の水元となる湧水にて生まれた小さな龍神。
正式な名前は吟之丞 水嵓 己辰。
二つ名を《雷打の凶龍》。
未だ幼体であり、ガキ大将のような巽に付き従っているような段階。巽自身、この龍の正式な名前を知らないために力は未だ発展途上。ただしこの子龍は巽のことは非常に好いている。龍の愛は深く、時には危険でもあるが、はたして。
⑥二枚舌の淫蛇――築路 爲地途
「体に分からせる、って方があたしの分野だわ」
「初物ね、貴女。美味しそう」
「縛るなり責め立てるなり、何なりどうぞ。お望みなら三角木馬にでも跨りましょうか」
攻撃■□□□□□□□□□ (細腕)
防御■□□□□□□□□□ (劣)
速度■■□□□□□□□□ (劣)
精神■■■■■■■■■■ (策謀に優れる)
特殊■■■■■□□□□□ (降御神【淫蛇】、特殊毒)
蛇を籠絡した16才の少女。門角学園二年生。
名は「目標を成す為に道を歩み続ける」という意味が込められている。
濡れたように長い、濃い紫色の髪。瞳は鋭利な甕覗き色。身長169センチ、細身。
性格は極めて陰湿且つ姑息。蛇のように執着心が強く、様々な策を弄して相手を絡め取る。気に入った女の子は徹底的に堕とさねば気が済まない。
属性は限りなく悪。しかしそういった本心をひた隠し、初対面の人間には友好的に接する処世術も兼ね備えている。
成績は学内でも主席であり、広い知性を兼ね備える。
高校一年の時に巽と出会い、以降は彼女の下で様々な策を巡らせている。同級生の中では「なぜ優等生の築路が不良の益嵓なぞに付き従っているのか」と疑問視する者も多い。
門角学園二年生一派の参謀。
一人称は「あたし」。
とある白蛇に呪われた一族の遠縁。疋斬 飛々鳴のいとこにあたる。
■特殊能力
「蛇を宿す」異能を後天的に所持。特異【降御神】
部位解放として、蛇の毒牙を持つ。蛇本来の様々な毒を行使することができる。
■【蛇】
齢を経た灰色の蛇と幼少の頃に契約を交わす。
正式な名前は灰雫螺。「房中術」に長ける。
雌蛇であり、性格は極めて好色。爲地途との淫行に溺れ、爲地途のほぼ支配下にある。
齢三十歳という低級神。濡れたように美しい灰色の鱗を纏い、二枚舌を閃かす。全長は1、5メートルほど。鱗の所々から黒い髪が生えている。
人中を掻き回す能力に長け、爲地途との連携力は極めて高い。
⑦暴腕の憶病蜥蜴――砦上 日向
「ふええ、味方がどこにもいないよう」
『おいおい、逃げんじゃねえや。すばしっこい井戸守よう?』
『煩いなあ、尾切は黙ってて』
『あ、駄目だよ。暴れちゃ駄目。わたし、あんまり加減ができないから、動いちゃうと危ないよ?』
攻撃■■■■□□□□□□ (剛腕)
防御■■□□□□□□□□ (凡)
速度■■■□□□□□□□ (凡)
精神■□□□□□□□□□ (鈍)
特殊■■■■□□□□□□ (降御神【石竜子】、割り罅)
蜥蜴と契約した16才の少女。門角高校二年生。
ふわふわとした茶色の髪、瞳は緑色(尾切に身体を明け渡した際は蛍光の緑色に変わる)。
身長150センチ、小柄。
気質は憶病で弱気。会話はほとんど尻切れ蜻蛉。
幼少時に性質の悪いオボロ神と契約してしまい、それ以来、蜥蜴の力を宿す。能力の扱いが極端に下手で、当初は必ず暴走した。周囲はおろか家族にすら疎まれ、自殺を考えていた時期がある。そんな折に巽と出会い、救われる。以降はずっと巽の後ろを追いかけ、巽に付き従ってきた。
学歴は下の中。運動神経はすこぶる悪い。
一旦神を降ろすと、並大抵の者では相手にならないほど強い腕力を振るう。
門角学園二年生一派の殴り込み隊長。
一人称は「わたし」。
いつも分厚いタートルネックのセーターを制服の下に着ており、コンプレックスの口元を隠している。
■特殊能力
「石竜子を宿す」異能を後天的に所持。特異【降御神】
融合した場合、能力者の口元は蜥蜴の如く耳まで裂ける。瞳孔は縦に細く。性格は極めて凶暴。これが彼女のコンプレックスであり、口元を隠す原因。
■【石竜子】
元オボロ神の千万。パワー特化型。
正式な名前は尾切。「罅」を司る。
二つ名を《山門砦の顎》。
本来はニホンカナヘビの姿をしており、性格は非常に凶暴。
全体的に巨大であり、四肢は太く、鋭い牙が覗く。力技に長けており、異能を行使すれば壁の一枚くらいなら容易に破壊できる。気に入らないことがあると途端に癇癪を起こす。まだ幼く、日向に従わないことも多い。
(以下順次更新予定)