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プロローグ

「正義の味方」それは、どの時代も健全に生きる少年諸君は憧れた響きであるだろう。

そして、追い求め続けた幻想でもあるだろう。


だが精神も身体も次第に大人になっていくにつれて、

胸が躍るような思いでテレビを見つめるまなざしも、次第に薄れていってしまう。

勉強。仕事。家庭。女。子供。食欲。性欲。

このような問題が目の前をぐるぐると回り始めてきたころには、

社会のどぶ川に落ちていったようなものだ。

この物語の主人公もそのような問題に悩まされ、

噴き出す生血と負の感情の泥沼におどぼれていた。

そこを自らを「正義の味方」を名乗る華奢な少女に助けられる。



これはその彼と少女が「本当の正義の味方」になるまで物語である。

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