買い物へ
評価よろしくお願いします。
街へ出ると、怪しげな店があったので入ってみることにした。
「ようこそ。悪戯道具専門店へ」
店の中は駄菓子屋のように棚に飴玉やよくわからない道具が所狭しと並んでいる。
「すいません。この店何売っているのですか」
俺は店員に尋ねた。
「初めてのお客さんですか?誰かの紹介ですか?」
「あれ、この店って誰かの紹介がいるのですか?」
「いえ、そういうわけではないのですが、初めてのお客さんはたいてい誰かの紹介なものですから。何をお探しですか?全身骨格模型や頭蓋骨模型、びっくり箱や血糊飴、煙玉、毛虫人形、悪臭爆弾など幅広く商品を取り扱っております。何かお探しのものはございますか?」
店内には俺のほかに客はいなかった。どうして店がつぶれないのか不思議なくらいだ。品質はどうかわからないが、品ぞろえの豊富な店だ。
毛虫人形なら見た目で悪戯に使えそうなことがすぐわかるが、悪臭爆弾など見た目は爆弾らしくないというか見ただけでは何かわからない。
特にほしいものがあるかわからないが一通り見て回ることにした。商品の値段はバラバラで1個10Kのものから果ては数百万のものまである。
なんか見ているだけでわくわくする。いくつか安い商品なら買ってもいいかもしれない。
「いかがですか。こちらは売れ筋商品となっております」
にこにこしながら、店員さんがおすすめを薦めてくる。
「これはどうやって使うのですか?」
俺は、血糊飴を手に取り尋ねる。
「普通の飴のように、食べることも可能ですが、中に赤い液体が入っていまして、いきなり血を吐いたように相手を驚かせるという商品になります。死んだふりをする際にも使えると思います」
確かにいきなり口から赤い液体を吐いたら、吐血したと思うだろう。面白い。1個55Kか。いくつか買ってもいいかもしれない。
ほかにも興味のある商品は多数あるのだが、金に限りがあるので、すべて買い占めるというわけにもいかない。頭蓋骨模型なんか色違いで数種類あり、値段も高い。悪臭爆弾は大きさが数種類あり、値段も大きく異なっている。一番小さいサイズなら買えない値段ではないが、万一宿で破裂したらえらいことになるだろう。どんな匂いなのか、興味はあるが。
「この店みたいな悪戯道具を売っている店ってほかにもあるのですか?」
店員に尋ねる。
「テニアにはここしかありません。ロマーニャ王国にも数軒しか、存在しておりませんが、それがどうかなさいましたか」
テニアというのはこの町の名前だろうか。ここはロマーニャ王国のテニアという町なのだろう。やっぱりここは異世界なのだと再認識した。地球上に同じ名前の国の名前は聞いたことがない。
日本のコンビニみたいに店がどこでもあるというわけではないので、ここで買うか買わないか決定しないといけないようだ。
後でまた買いに来るという選択肢もあるが、面倒くさい。
「これください」
結局、血糊飴を3個だけ買うことにして店を後にした。
その後もいくつもの店を見て回る。八百屋に魚屋、肉屋、本屋、服屋、薬屋、町にはいろいろな店がある。屋台では、うまそうな匂いの食べ物があちこちで売られている。かなり広い街のようで、まだ町の半分も見ていないのだろう。
そういえば、この世界に来てから魔法を見ていない。自分が使っただけだ。魔法はこの世界でも一般的ではないのだろうか。そこで、本屋に入り、魔法について書かれた本がないのか探してみることにした。
えーっと、こっちの棚は図鑑か。何気なく手を伸ばし、中を読む。同じ題名の本でも、装飾や中の絵が色つきだったり、白黒だったり様々だ。一つ一つ手書きで書かれている。これらの図鑑は、オリジナルではなく、模写のようだ。活版印刷の技術がまだないのだろう。値段もお高くなっている。
魔法関連はこっちか。魔法薬入門、初級魔法炎編、中級魔法水編、基礎からわかる治癒魔法、魔具の作り方、魔法使い試験Dランク過去問題集。思っていたよりも種類が豊富だ。やっぱり、こっちの世界では、魔法が一般に知られているのだろう。本の値段が高く、今も持ち金、全部使っても買えない。とりあえず立ち読みしてみた。
難しい。これはちょっと読んだ程度では理解できない。そこでお店の人に魔法について聞いてみた。
「すいません。一番わかりやすい魔法の本はどれですか」
「あんた、どこの学生さん」
面倒くさそうに返答してくる。
「いえ、学生ではないですけど」
「まさか、あんた独学で魔法を学ぼうとか思ってるんじゃあないだろうね。悪いことは言わない、やめときな。どうしても魔法を使いたいなら魔具を使うか、魔法学園へ行きな」
本屋のおばちゃんが言うには、独学で魔法を学ぼうとする人はめったにいないそうだ。魔法は簡単に使えるようになるわけではないので、各地の魔法学園で学ぶのが一般的だそうだ。魔法学園を卒業すると国の魔法部隊に就職するのが一般的で、いろいろ優遇されるらしい。
一般人が魔法を使うには魔具という魔法の力を封じた回数制限つきの道具を使う方法があるらしい。魔具は回数制限があるとともに、使用できる魔法は1個につき1つしか封じられていないので、複数の魔法を使うには複数の魔具が必要になるらしい。ちなみに魔具は三軒隣の店で売っているらしい。
そういえば、俺の魔術書にも魔具の作り方が載っていったような気がする。後で何か作ってみてもいいかもしれない。
さすがに本は高すぎて手が出せないので、本屋のおばちゃんに礼を言い宿に帰ることにしよう。
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