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眠る彼と妖精

作者: オレン

童話とは、児童向けに作られた読み聞かせ、成長させる本。

または大人に向けて作られた簡単なメッセージ。

私の簡単な解釈です。以降の文に対しては全然関係ない気もしますけどね。

「さて、今日も眠る彼を癒そうかしらね」


そう言って一匹の小さな妖精は、眠る彼の上空をグルグルと回り始めた。

 私は彼に使える専属の妖精。

 人間一人に対して専属の妖精が一つつかえるのが、この世界の仕来しきたり。

その人の一生を終えるまで私達は見守らなければならない。

 当然だけど、私達の姿を彼ら人間が進んで観ることはけしてない。

……過去に人間に堂々と姿を見せていた妖精が居たらしいのだけど、何故か死なない妖精がその人間の週で消え去った。

その原因は分からないけど、それのせいで妖精が人間に姿を魅せることが無くなったのは確かよ。

 妖精に性別なんてない。

ほとんど私のように人間の少女の格好をしているけど、全てが全てそういう訳ではないわ。


「それにしても彼、またこんなに夜遅くに寝て。……回復する身にもなりなさいよ!」


そう妖精は眠る彼の頬に軽く蹴りを数回入れる。

 昔はあんなに早く寝ていた彼も、気がつけばこんなに成長し、こんなにも眠るのが遅くなった。

……午前2時。眠らない原因は、彼が明るい画面の向こうの世界にはまってしまったから。

 今はまだ彼も若いから回復しやすいけど、ふと突然回復量が低下する時期があり、それを彼らは年だといっている。

……幼い頃から変わらない生活習慣送っていれば、そんな事ないのにね。

 そんなことを思いながら彼を見つめていると、彼は突然大きく寝返りをうった。


「……ひゃっ!」


唐突な動きに、妖精も思わず声を上げる。

 彼の寝返りは毎回脅かされる。

突然体を起こしたり、大きく一回転して布団からはみ出したり、妙な寝言を唱えたり……今まで使えてきた人間の中でも、寝相の酷さはトップね。

……足元上空で治療作業している途中でハイキックを受けたのは良い思い出よ。それも2回。


「全く、一度でいいから毎日の治療に感謝して欲しいものね」


「……り、がと……」


「えっ」


突拍子に妖精は彼の顔に目を向けたが、彼は気持ち良さそうな寝顔で寝ている。


「まさかね……」


妖精は言葉を吐き、薄っすら笑みを浮かべる。

 人の寝顔をもいてると、どんなに嫌な奴でも回復させたくなってしまう。

それくらい人の寝顔は吸い込まれるように美しく、見ていて飽きない。


「……でも早く寝ないと、回復してあげないんだらね!」


妖精は笑みを浮かべ、彼の治療の作業に入った。

 そして、また彼からの返答が聞こえて来たような気がしたのだった。

……あなたも早く寝なさいよ?

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[一言] ねます!おやすみなさい! うっしカメラ準備おk!
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