表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

第一話



さて、今回来たのは何処だ?

どっかの路地裏っぽいけど。


『そっちに行ったぞ!!』

「?」

『追い詰めろ!!』


なんだ?なんか、追いかけているのか?

まぁいい、とりあえず路地裏から出ないと、ここが何処だか分からん。


そんな俺が角を曲がった瞬間だった。


「きゃっ!!」

「おぅ!?」


女とぶつかってしまった。


「だ、大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ。俺は大丈夫だが、そっちは?」

「大丈夫です」

『こっちから声が聞こえたぞ!!』

「っ!?」

「どうした?」

「い、いえ、なんでもないです」


もしかして、コイツが追われているのか?


「……こっちだ」

「え?」

「こっちに来い」


ここで見捨てるのも、寝覚めが悪い。

……俺も大概、おせっかいだな。


『こっちだ!!』

「……あんな大声出したら、向こうの場所わかるだろ」

「え?」

「いや、なんでもねぇ。とりあえず、そこの樽ん中隠れてろ」

「は、はい」


俺は半ば押し込むようにして、その女を樽に隠した。

それが終わった瞬間、騎士の恰好した奴等がこちらに向かってきた。


「そこの貴様、こちらに女は来なかったか」

「来てねーよ」

「そうか。貴様らは、向こうに向かえ!!」

「ハッ!!」


その命令を聞いた途端、騎士たちは散らばっていった。

そして、命令を出した奴が一人だけ、残った。


「……貴様の剣、変わった形をしているな」

「それが?」

「我に寄こせ」

「は?ふざけんなよ」

「我に逆らうか?」

「つーか、誰だよお前」

「な、なんと!!我を知らぬか!!」


突然叫びだした目の前の男。


「うるせーな」

「よく聞け!!我が名はジーク・ヴァルスだ!!」

「だからどうした?」

「き、貴様、ヴァルス家も知らんのか!?」

「どーせ、名家なんだろ」

「その通りだ!!分かっているではないか」

「だから、自分の命令には従えと?」

「そういうことだ。我に従わなかった者は、死ぬ運命なのだ」

「あっそ。それでも、コイツを渡すのはお断りだ」

「な、なんだと!?」


さっきから、めんどくせーんだよ、コイツ。

俺は刀を抜き、ヴァルスに突き付けた。


「さっさと消えろ、屑が」

「き、貴様……!!」

「殺されてぇのか?」


俺は刀を強めに突き付けた。


「っ!!」

「分かったら、消え失せろ」

「お、覚えておけ!!」


三下のセリフを残し、走り去っていった。


「ふぅ……」

『あのー』


樽の中から声が聞こえてきた。


「あぁ、もういいぞ」

「さっきはありがとうございました。私はシキ・ファリスです」

「俺はネク・シーバだ。ところで、今は何年?王歴で」

「え?……っと、王歴2314年ですけど」

「2314年か……、500年前ね」

「どうしたんですか?」

「いや、なんでもねぇ」

「あ、あの、よかったら、家に来てくれませんか?……その、お礼がしたいので」

「まぁ、構わんが」


こうして、俺はシキの家に行くことになったのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ