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汗と涙と血の、

今更ですが、この話は作者の無いに等しい知識と溢れんばかりの妄想の賜物です。



事実とちがったりしても見捨てちゃだめなんだからっ(照り)




…スイマセン、頑張ります。




「ど、な、な…」




パクパク、陸にあげられた魚のように口を開閉。深呼吸しても、目をこすってもそれは消えない。



むしろ、鈴の後ろから二本の黒い尻尾まで見えてきた。




『ぶ、アハハ!!!アキツキ、超戸惑ってる』


『こいつ、頭大丈夫か』



とうとうこらえ(きってなかったけど)笑いもかなぐり捨てて爆笑する蓮目先生と、嘲り混じりのオッドアイに見据えられてやっと我に返った。




「猫耳!?まさかのモエ、ですか!?」


『なァ、お前本当に頭大丈夫か?』




猫耳つけて、尻尾まで標準装備のお前に言われたかねーよ!

しかもなにげに本気で心配してる目だし逆に悲しいわ!!




『ぷぶふっ…ネェ、アキツキ。彼は猫又(ねこまた)なんダよ』



「へ…ねこ、また?ってあの長生きしたネコが妖力をもってなるっていう?」



『それくらい察せ』




んなムチャな。




『そ、猫又。シカモとーっても強い猫又なんダよー』



『フン』



「はー…そうだったんですねー…って」




(受け入れちゃってる自分ってどうなの…!!)









『?アキツキ?』



「あー、大丈夫です。で、見たとこ先生はフツーの人間の姿ですけども、ホントは妖怪だったりしてくれちゃうんですか」


『オー、察しがイイね、アキツキ!!』



「ははは…」



してくれちゃうんだ。




『コイツは一つ目男だ。んで、この放研の顧問でもある』



『改めてよろしくネー、アキツキ!!』



「あ、よろ…」




しくじゃねぇ。




「あの、まだ私ここに入るなんて一っ言も言ってないんですが」



『あ?決定事項だろうがよ』


「いや、何勝手に決めてくれてるんですか!!イヤですよこんな高等妖怪に囲まれて学校生活おくんの!!」




『アキツキヒナ、16歳。9月26日生まレの天秤座』




あン?




『アってる?』



「えぇ、あってます…え?」




『実家は墓に囲まれた超絶心霊スポット…今はこの学校近くのアパート住み。お前、自分の家から逃げてきたのか?』



「え、ぇえ、えー?」



『身長は153㎝、スリーサイズは上から「ああああああああぁあぁあぁぁあ!!!!!!!!!!!」』




突然目の前で繰り広げられた暴露大会(個人情報漏洩)に目を白黒。

最終的にスリーサイズまで暴露されそうになった。何コレ、コワい。




「い、きなりなんなんですか!?ていうかどこから出した、その見るからに怪しい本!!!?」



『ん、これか?』




優雅に足をくんでつらつらと読み上げた、私の事が書いてあるらしい分厚い本。(とかいてあるのは気のせいか)




手品としか思えないくらい気付いたら鈴の手に収まっていたけど、もしや尻の下にでも敷いていたのか。













『コレはネー、この学校の全校生徒のプロフィール♪』



「…」




ダメだ、展開が規格外すぎる。




「つかぬことお聞きしますが、何故そんなものをお持ちあそばせちゃってるんでしょうか?」



『敬語おかしいぞ。権力は武器になる、覚えておいて損はないぜ?』




いや、そんなどや顔されても。

ていうかそんなホイホイ権力振りかざされたらたまったもんじゃないぞ、オイ。




『ていうかお前、まだここがどこか分かんねえのか』



「が、学校」



『バカ、アホ、マヌケ、チビ。この部屋だよボケ』



「なんでそこまで言われなくちゃいけないんですか!!知りません」




『『生徒会執行部室、またの名を放課後研究部部室』』



「…^^」




「…強奪でもしたんですか」




『は?』


「はい?」


『ぶふっ!!』




え、違うの?だってこの人なら『この部屋は俺様にこそ相応しい、出ていけ愚民ども』くらいやりかねない。




『…口から全部駄々漏れだぞコラ』



「えっ!!…てへ?」



『歯ぁ食いしばれ』



「暴力反対ィィ!!」




『ぶふふぷふっ、マァイイじゃない、スズ。今より、後から知った方がビックリするだろうし、…面白そう』



おのれ後者のが本音だな!?(先生のほっぺが破裂寸前なのがいい証拠。イケメン台無し)




『あー、けど、うるささも増すんじゃねぇ?』



『でも今教えたら絶対逃げるよ?』



『そんときゃ拉致か「当事者押しのけて会話進めないでください!ていうか今拉致監禁とか物騒な単語が出てきかけた気がするんですが!?」』




『ハン、何を今更』



「アンタが今更って言うんですか」




ま、ホント今更だけどね!!








『ふふ、スズ、そろそろ話戻しタら?』


『入れ』


「話戻すの早い!!だが断る」




私の切り返しに、しばし沈黙したあと…




鈴は、物凄い黒笑いで私を見つめた。

なに、コワいよ?




『学費、免除』




ぴくり。




肩が震えた。




『勉強しながらバイトは、キツいんじゃないのかー…?』



「なっ…!!」




何故知っている!?




『アラー、アキツキ。うちの高校はバイト禁止ダよー?』



「ぐっ…」



『普通だったら停学モンだな』



「うぐっ」



ど、どうして…!



『カン』




…人の心を読まないでくださーい。




「ふ…とうとう恐喝ですか…!」



『なんとでも言え、俺は手段は選ばねぇ』



「どこの暴君ですか!!サイテー、最悪、男の風上にも置けない!!!」



『コロス』



「なんとでも言えって言ったのにィ―――――――――――!!!!!!」



『マァマァ、アキツキ。悪くない条件デしょ?YESなら学費免除ダよ?』



「うー!!!」



『ちなみに断れば退学だ』



「ちょっとまて」




退学、たいがく、タイガク、TAIGAKU、expulsion from school、…




「退学!?」



『おかえり』



「ただいまです。なんで!?」



『権力は武器だ。repeat after me』



「泣いていいですか」



『ア、キ、ツ、キ♪』




ぽん…(肩に手を置く音)



『A person must know when to give up☆(諦めが肝心ダよ☆)』




サ―――――――――――――――(燃え尽きて灰になる音)






サヨナラ、平凡なJKライフ。




…コンニチハ、汗と涙と血の茨道。

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