放課後研究部、略して放研
イライラしながら紙を見ると、[放課後研究部概要]とでかでかと書かれていた。
…なんで最初に見せないんだ、この人。
『…念のため聞いておくが、お前それ読めんのか?』
「へ?」
いきなり何言い出すんだこの人。
よもや本気で問うてはおるまい、と思ったらどうやら真剣(目が見えないから多分だけど。ほんとこの人外見と中身噛み合ってない)。
『で、読めんの?』
「あ、はぁ…読めますけど…」
かなり煮え切らない返答だったけど、モッサリーは満足だったのかそうかそうかと頷いてる。
まさかとは思うけど、字も読めないアホだと思ってたと暗にバカにしてるのかな?
「ありえるー…」
『は?』
「いえっ、何でも!」
まぁ、ちょっと卑屈になりすぎたかな。
訝しげなモッサリーに誤魔化すような作り笑いを浮かべ紙に目をおとした。
[放課後研究部概要]
1…
一度入ったら退部は断じて認めない
「…すいません、たった1コ読んだだけで嫌な予感しかしな…」
『気のせいだ(キッパリ)』
気のせいじゃねえよ!
先行き不安すぎるー!!
2…
入るときは命の覚悟をするように
…。
「これ既に概要じゃねぇよ!!」
『気のせいだ』
そう言いながらなんでアンタは私と目を合わせない。
3…
次からの項目はこの部の活動説明である。目を見開いて頭に叩きつけるように。
ここでやっとまともな項目か!!
ていうか言い回しがまともじゃないけどね!!
…だんだん自分がツッコミ体質になってきているのは考えたくない。
①…活動時間
18時~4時
「はい、ストップ。」
「なんですかこの活動時間!?」
『何って…放研の活動時間だけど?』
「あぁ、この部活ってそう言う略し方するんですね…って違う!!そういう問題じゃなくてっ…」
『まぁ、いいから続き読めよ』
『何がいいんですか!!?この活動時間、人を夜行性って前提で作ってますよ!?』
『…よ・め』
「…ハイ。」
しぶしぶ引き下がったのは身の危険を感じたから。
②…活動内容
校内の妖の相談、必要に応じ制裁
「それでは私はこれで!!」
『逃がすかァ!!』
ダッ!!ガシィッ!!!
(雛猛ダッシュ、モッサリー首根っこつかみ取り)
「はっ、離せこのっ!ゼッタイ入りたくなァァァイ!!」
『はは、諦めろ』
あともうちょっとだったのにぃぃい!!
手を伸ばしとどきかけたドアはどんどん遠ざかっていく。
『さぁ、これでこの部のことは分かっただろ?入れ』
「そこに拒否権はないのか!!私には認められてないのか!!!」
暴れる私、押さえるモッサリー。
この細い体のどこにこんなバカ力が隠されてるんだ!!?
ガチャ。
『こーんにーチハー』
『「!!?」』
『アレ…。お楽しみチュウでしたかー?』
『「…。」』