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いいえ、私は見えません
鞄を肩に、手には部活紹介の紙。
確か今日から体験入部期間の筈だ。
どこに行こうかな、と紙を前にして思案していると、不意に肩を叩かれた。
「?はい、…!!」
『あ、あの、部活見学に行くんですか?』
おぉふ…!!
後ろを振り向いた、後に思考停止。
『?あの、』
「史上稀にみるモッサリ男…!!」
『、は?』
「はっ!!」
やば、口に出してた?
ぎこちない微笑みで目の前の青年に向き直る。
目は前髪で殆ど隠され、
その目すらも分厚い眼鏡で見えない。
全体的にダボッとした制服の着方で、
シューズ汚ねぇぇ!
『…ちょっと、無視…?』
「う、あ!ごめ…何ですか?」
やばい、今だにこんな天然記念物並のがいたなんて…
っと、またmy worldに入るとこだった。
「で、何か…?」
『あぁ、うん。実はね、確認したいことがあって』
ほうほう、なんぞや。
『キミ、あれ、見える?』
あれ。
名前も名乗らないモッサリ青年に指をさされ、その方向に目を向ける。
ふよよん、ふよよん、
「…イエ(ス)」