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東方饕餮記  作者: 待ち人
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プロローグ

まずはじめに

拙作は序盤に夏王朝を舞台にしていますが、作者はそこまで詳しくないのと書きやすくするためにかなり現代風になっております。

一応カタカナみたいなのは使わないようにしてますが嫌な方はバックを。


大陸のとある場所、どんよりとした雲の下、そこには男がただ一人で歩いていた。

黒髪黒い瞳の見た目二十代と言ったところか。

先日長い年月をかけて築かれた堤がとうとう完成し、彼も最後の一仕事を終えてからの帰宅であった。

決して安全とは言えないようなご時世であるというのに、護衛も雇わず人の集団に加わることもしないで一人で歩いている。



理由は簡単、まずこの男が霊能者だからだ。

霊能者といってもこの時代では別段驚くことではない。

大陸を治めている帝の名は禹――つまり神話の時代でありおよそ紀元前2000年と言ったところ,未だそこら中に神秘が満ち、幽鬼や妖怪がたくさん存在するこの地では霊力がなければ格好の餌だ。


 加えて彼は腕利きだった。それも朝廷から直々に依頼を受けるほどの。

 今日の仕事もその類いであり、河の神への生け贄の代わりとして呪符を貼った土人形を、堤に埋めたり完成を祝して河へと沈めたりと作業の肝要な部分を任されていた。

 こうして作られた堤は河の神の加護も加わり、何代にも渡って人々を洪水などの水害から守るのだ。



 さて、このように大仕事を終えて帰る途中に男は一つの妖気を感じた。

 大した大きさではない。いつもの男ならこの程度の小物は歯牙にもかけないし、実際に現れたのも弱小妖怪。

―――だが近寄ってきたその妖気は一瞬の内に感じたことの無いほど強大な妖気へと膨れ上がった。

 この不可解な現象に男は自らの感覚を疑い、次に目を疑った。


 先ほどまでの弱小妖怪の影はなく、代わりに様々な生き物が入り交じったかのような異形がいた。

 頭部は男性の人面でありながら角を生やし、虎の牙と牛の体をもつ異形。


 それは四凶という大陸最悪の妖怪の一角であり、人も魔も喰らい尽くすという幻獸

―――饕餮(とうてつ)であった。


 ここに至って男は焦り始めた。

 これはおかしい、饕餮は先代の舜帝によって打ち倒されたはずだ。

 辛くも逃げおおせて今は力をつけようと雌伏の時ということだろうか。

 ならば未だにその闘いの傷を負っているかもしれないが、饕餮は四凶に数えられる大妖怪だ。

 とてもじゃないが単独で手に負えるものではない。


 男はそこまで考えてすぐさま逃走を図ろうとするが、饕餮も目の前に一人で現れた極上の獲物を逃すつもりなど毛頭ない。


 よって激しい攻防戦の幕がここに切って落とされた。




 

 勝負は半日続いた。

 男はもてる霊力の限り闘ったが、如何せん相手が悪すぎた。 むしろよく半日持ったというべきである。

 手持ちの呪符も粗方使いきり残る霊力もほとんどない。


 倒れ伏す男にようやく食事が出来るとばかりに歩み寄る饕餮。 能面のような不気味な人面にも気のせいか薄い笑みが浮かんでいるように見えてくる。


 しかしこの期に及んで未だに男は諦めていなかった。

 自分を喰らった饕餮が力を得て更なる被害者をだし、最終的に往時の力を取り戻して都へ向かえば取り返しのつかない大きな被害がでる。

 それだけは避けたい。

 伴侶はいないが仲のいい友人くらいはいる。

 なんとかしてこいつを止めたい、と。

 男は手持ちの札で過去一度も使ったことのないものを飲み込むと饕餮を睨み付けた。




 そして男は饕餮に飲み込まれた。


プロローグ投稿でした。

大陸から始めるなんて我ながら無謀。五話まで書いて原作キャラが一人(笑)当然あの人です。

テンプレ転生にすれば良かったかなぁとも反省中、あまり転生は書きたくなかったからなんですが…

とりあえず最低週一で更新していきます。


それと同時にもうひとつの恋姫の方も復活したい…

実は恋姫はプロット段階で五胡√だったんですが草案でオリキャラ異常増殖、五人を予定していたのに次から次へと増えて十五人になってから一回草案消去。

で、今悩み中です。

しばらくは東方に構いっぱなしかな。


とりあえず拙作も暇潰し程度の気持ちで読んで下さると嬉しいです。


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