『なろうチアーズプログラム』に事前登録してみました
ようやく、この『小説家になろう』でも作者が収益を受けられる仕組みが始まるようですね。先日、その事前登録が始まったという記事を見ました。
まあ、自分はそこまで有名でもないし、歴史やSF、童話などのマイナージャンルが多いので、これで稼げるなんて夢にも思ってないですけどね。
それでも、今でも二年以上前に完結した代表作を読んでくれる方々もいて、日に3桁のPVがつくことも多いんです。
どのくらいPVが付いたらいくらもらえるのかはわからないけど、まあ、ほんのちょっぴりでもいただけたらありがたいかな。
そんな軽い気持ちで、事前登録をやってみました。
まずは二段階認証を済ませてから、事前登録ページへ。
お、ずらっと作品リストが出て、それぞれにチェックを入れるだけで、簡単に登録できるんだ。──あ、『全選択』とか『全解除』もあるやん。
それならいっそ、もう『全選択』にしちゃおうかなっと。
まあ、代表作といくつかの作品以外には、今から多くのPVが付くことはほぼないと思うんですけどね。
でも、ごくたまに昔の作品を読んでくださる方もいらっしゃるようですし、誰か影響力の大きい方が作品を紹介してくれたりレビューを書いてくださる可能性もゼロじゃない。
そう思って『全選択』を選んだんですけど、どうも数が合わない。全作品数の3分の1ほどが収益化設定されてない。
で、よくリストを見てみると、ある時期より前の作品には『作品分類が設定されていません』という注意書きがありました。
以前は投稿時に作品分類(『オリジナル』『二次創作』『TRPGリプレイ』)を選ぶ必要がなかったんですが、その時期の作品を収益化設定するには、ひとつずつ手動で作品分類を入力する必要があるようです。
──投稿される作品の大半が『オリジナル』なので、そこは省いてくれてもよかった気もしますけど。
この作業が、地味に面倒くさかったー。
作品数が多くて、全作品を収益化登録しようという方は、その手間は覚悟しておいた方がいいです。
まあ、自分は一度やり始めたことなので、何とかやりきりました。
でもその結果、『ユーザーホーム』を開くと、やたらと初期作品ばかりが最初の方に並んでいるという状況になってしまったんですけどね。
でもその後に、久しぶりに初期の作品のいくつかを読み返してみたら、書いた当時のことが色々と鮮明に思い出せたんです。
初めて感想をいただいた時の感動や、初レビューをいただいた時の驚き。
自分の作品を『ここが面白い!』と熱く語ってくれる方への感謝。
自分の作品を読んで『泣きました』と言ってくれたことへの喜び。
それらを思い出しているうちに、『ああ、自分はこれがあるから創作を続けているんだなぁ』としみじみと思いました。
──最近、PVやポイント狙いなのか、AIに書かせたとおぼしき適当な感想を大量に送る方がいると聞きました。
何か、もったいないなぁと思うんですよね。
そういう人って、自分が得たような書き手としての喜びを素直に味わえないんじゃないかなぁ、と。
ぶっちゃけ、この『なろうチアーズプログラム』で稼ぐのって、かなりハードルが高いと思うんですよ。実際にまとまった額を稼げるのは、コンテストで入賞して、書籍化やコミカライズ、アニメ化まで達成した方くらいなんじゃないでしょうか。
それ以外の方は、『ごくたまに少額のお小遣いが稼げたらラッキー!』くらいのおまけだと思っておいた方がいいでしょう。
何の実績もない方が、このシステムで稼ぐのはかなり厳しいと思います。
小ズルい手段で多少PVを獲得したところで、その手口はもう見透かされちゃってますから、継続性はあまりないですし。
はっきり言って、その時間でスキマバイトでもした方が、はるかに効率よく稼げるはずです。
自分は、底辺とまでは言いませんが、さほど知名度もない書き手です。
それでも、自分の作品を読んで『涙が止まらなくなってしまった』という感想をいただいたこともあります。
おバカな話を電車内で読んで思わず吹き出してしまい、変な目で見られてしまったという方もおられました。
投稿してからだいぶ経った頃に作品紹介エッセイなどやXなどで取り上げられ、感想欄に『私もあれは名作だと思います!』と書かれたりもしました。
(Xはやってないので、人づてに聞いた話ですが)
流行りのジャンルをほとんど書いてないので、ほぼ無名に近い存在ですが、読んでくれた何人かの方の心を揺さぶり、記憶に残る作品をいくつか書けたという自負はあります。
そして、そういう喜びを知っているからこそ、自分はこれからも地道に創作活動を続けていこうと思っています。
たとえ、ここで書くことによって1円も稼げなかったとしても、です。
だから、一部で懸念されているように『収益化設定』することであまりにエロい広告が表示されてしまうとかなら、早々に全解除することも考えています。
もし、これを読んだ方の中に『自分もPV稼ぐためにちょっとズルい手を使ってみようか』という誘惑にかられている方がいらっしゃるのなら。
止めといた方がいいですよ。あまりに時間効率が悪すぎます。
楽して稼ぎたいだけなら、他にもっと効率のいい方法はいくらでもありますし。
何より、そういう手段で一時的にPVを獲得できても、あなたという書き手やあなたの作品自体の価値を貶めることにもなりかねません。
一度『あー、あのセコい手でPV稼いでたやつね』なんて思われてしまったら、たぶんその読者はあなたの作品を二度と読まなくなるでしょう。
ほんのわずかな金銭のために、信用を失ったり、創作の純粋な喜びを感じられなくなってしまうなんて、もったいないですよ。
自分の作品が誰かの心に響いた手ごたえを得た時の喜び──これは、お金になんて代えられないプライスレスなものですから。