第十三日 裏切り
ーーーあらすじーーー
昨日、オスカーの上官が闇の取引をしているのを発見したオスカー。その結果、上官のいう通り闇取引に参加しようとした。しかし、どうもオスカーは当日ちがうところにいたところで..
ーーー人物紹介ーーー
・オスカー・ガルフィリノ(27)
20代で第77人民正常化部隊の隊長となった。軍に入ったのは、家庭の貧困化によるものであった。
オスカーは上官に渡されたメモ通りではなく、郵便調査局にいた。上官の汚職を密告するのが目的だ。あのまま闇取引に参加するのもありだと考えていたが、家族のことや自分が密告されたときを考えると、利益より不利益の方が大きいと考えた。
「次の方!」
「あ、あの、すいません。自分の上官がこういう汚職をしていて..」
そう言って電報と昨日もらったメモをとりだして提出する。
「なるほど..わかりました。受理します。」
「はい、わかりました。」
..なんかすんなりといったな。
後ろのデスクでは、自分の書類に緑のスタンプを押す姿が見えた。これで安心..なのか?
翌日、オスカーの上官が拘束された。オスカーからの密告の他にも複数の人間から密告されていたようだ。まさか、オスカーの親と同じ末路になるとは..
そして、上官に対する尋問ではこのような会話がなされていた。
「..それでは、尋問を始める。私の名前はアーノルド警官だ。今から尋問における君の権利を説明しよう。あなたには黙秘権がある。あなたの供述は、法廷にてあなたに不利な証拠として用いられる可能性がある。あなたには弁護士の立会いを求める権利がある。あなたはいつでもこの権利を用いることができ、質問に答えず、また供述をしないことができる。以上だ。君の名前は..これであっているか?」
「..はっ、こんな宣言を聞く側になって聞くなんて。あぁ、それであっているさ。」
「まず、この複数からの密告が挙げられている「数件の大規模な腐敗行為」は合っているな?」
「..あぁ、あっている。だから、司法取引をしないか?」
「..どういうことだ?」
「私には闇の人脈が数々ある。だから、それを全部君にひけらかそう。どうせ、バレていたことだ。だから、私の刑を減刑しろ。正義気取りの君たち人民警察にとって、うれしい話だろう?」
上官の下手な皮肉に対しても、アーノルド警官は冷静に対応した。
「..教えてくれ。」
「あれはないか?なんか、幹部リストみたいなものは..」
「..これのことか?」
そう言って、国家幹部リストを棚から取り出す。
「あぁ、これだ。こいつと、こいつと..あとこいつも関わってるさ。証拠なんて自分の部屋に山ほどある。」
「もう部屋には警察が突入していろいろ押収されてるぞ。」
「はっ、なら話が早いな。あとでそれを持ってきてもらおう。じきじきに解説してやるぞ。」
「それはありがたいね。」
..翌日、オスカーが隣でまた寝ているニューラルを見ながら起きると、朝刊が届いていた。歯磨きと朝風呂をした後、覚めたその目で朝刊の一面を見るとそこには
「人民防衛軍、大規模な汚職が発覚!」
と見出しで書かれていた。こんな、特に軍に関する犯罪や汚職に関するニュースは国営新聞では出さないはずだが..オスカーが目を搔きながら新聞の隅々を見ると、そこには「王立国民新聞」と書いてあった。国営新聞ではなく、反体制派がこっそりと新聞を置いていたようだ。
オスカーは、上官が銃殺刑に処されたというニュースに驚いた。しかし、次に目に飛び込んできた、無数にもなる人名と企業名を見て、さらに驚いたものだ。
オスカーは何か、自分が崩壊しかけたレンガのビルを人差し指で押して崩壊させてしまったかのような、そんな感覚に襲われた。
共和国はすべて正常だ!正常でなければならない!




