第十日 銃後
ーーーあらすじーーー
昨日、また闇市に出かけたところ、パルチザンのアジトの隊長であるクリスティーナと再会した。今日も人民保安省からの命令が来たが..
ーーー人物紹介ーーー
・オスカー・ガルフィリノ(27)
20代で第77人民正常化部隊の隊長となった。軍に入ったのは、家庭の貧困化によるものであった。
「第77人民正常化部隊よ。数日ほど前我々はアジトを壊滅したと思っていたが、またもやアジトが作成されたようだ。そのため、また潰しにかかってくれ。また、人員は前回任務を行った12名とする。」
..どうやら上の人間はバカだったようで、オスカーたちがつぶすどころか捕虜になったことも知らない。なぜ前回と同じ12人したのかはわからないが..
命令によりオスカーら12人は、またも南の名も知られぬ森へと向かった。トラックの中で、オスカーは隊員に話しかけた。
「..なぁ、もうパルチザンに寝返ったかもしれないと考えたことはないか?」
「うーん..あると言えばありますが..」
「そうか..俺もそう考えたんだ..どう思う?」
「...今の現状を見ても、やっぱそっちの方がいいと思うっす..」
「..はぁ、もう"指導者"に忠誠を誓うのはやめにしよう。もううんざりだ..」
聞いていた他の隊員が、それぞれに頷く。
「そうだな、もうやめよう..」
「うんざりだわ..」
そうして反逆者になったところで、アジトの近くについた。そこには、クリスティーナとその部下が数人ほどいた。
「ようこそ、オスカーさん。「歓迎」しますよ。」
「ははっ、敵の軍人を歓迎なんて、なんか裏があるのかね?」
「まぁまぁ、遠くからオスカーさんのトラックが見えたのでね。さっ、入りなさい。」
「所々パルチザンらしいな。まぁいいが..」
そうしてオスカーたちがアジトの中に入っていくと、その中にはなぜかダンスをしてるパルチザンらが見られた。
「あぁ、彼らはダンスをしていてね..定期的にそういうパーティーをしているの。あなたたちも参加する?」
オスカーらは隊員の目をちょっと見たあと
「..荷物をちょっと置いた後な。」
「わかった。」
そう言って隊員が全員そこらのベンチに銃とカバンを置くと、ダンス会場へと歩き出した。
そして、天国の祭典を味わった。ダンスを踊り、素晴らしい曲と照明により、気分が高揚していた。一生共にダンスをしていたかった気分であった。しかし、永遠なんて存在しない。数時間後、やっと終わった。オスカーも含め、全員がへとへとであった。あるパルチザンはそのまま相手と会話をしたり、あるパルチザンは自室に戻って水分補給したり..オスカーら軍人にとっとは、憧れざるを得なかった。物資も十分にあり、こうやって充実した暮らしを。人間らしいような暮らしを..
「あぁ、そうだ。「料金」をくれないか?」
「あぁ、これだよ。」
そういって、3つの小さな弾薬箱を渡した。一応ではあるが、これで上から見ればちゃんと戦ったということになるのだ。まるで節目だな。
「じゃぁ、気をつけて帰りな。」
「あぁ、わかった。」
オスカーらが荷物の準備をしたあと、そう言ってトラックはまた兵舎に向けて走っていった。
..
「いったいどういうことかね!?」
数十分後、オスカーは人民保安省にいた。報告で「アジトを見つけられなかった」という報告が癪に障ったらしい。
「なぜ見つけれなかったのかね?あれはもうすでに確認されており、場所も送ったはずだ。なのになぜ見つけれなかったのか?」
「いえ、そこにアジトはありませんでした..あったのはただの木だけでした。」
「じゃぁ、我々の調査が嘘だったということか?」
「い、いえ、そういうわけではないのですが..」
「じゃぁなぜ見つけれなかったのだ!」
「あ、あの..」
「もういい!言い訳は聞きたくない。この任務は別の部隊に回す。次もしこのような任務がきたら、掘ってまででもパルチザンらを探し出すことだな。」
「..はい、わかりました..」
オスカーが外の出ると、何かを確信したような顔になった。この国を裏切るという。
"指導者"の前に立ちふさがるような人間は、誰であっても容赦しない!