雨音
ぴちゃん、ぴちゃん……。
水音がする。
あぁ、雨か。
静寂の中、大地を濡らす水音は、規則的ではない。
時折強く降り、時折静かになり。
小刻みに変わりゆく音が、心地よかった。
あぁ、疲れたな。
静かに目を閉じ、ベッドに横たわる。
大の字になって、腹式呼吸。
規則的に膨らみ、しぼむ腹。
空気が身体からこぼれていき、
新しい酸素が体内を巡る。
明日こそ頑張ろう。
「何を」とは、あえて言わない。
口にしたら、プレッシャーで負けてしまいそうだ。
水音は澄んでいる。
心を浄化してくれているようで、
眠気を誘う。
明日こそ。
口にはしないが、きっと僕は頑張れる。
自分に甘い人間だと自覚はあるが、
それで誰かが傷つくことはない。
それならきっと、許されるよね。
僕は明日、何かを頑張るために、
ゆっくり意識を手放した。