表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/130

第16話 続々・対ヒュドラ戦


「ジュロロロロロォー!!」


 ヒュドラは激怒し暴れ出した。

 だがそれにより、完全に俺を見失ったようである。


「よしっ! あとは、獄ーー」


 ヒュドラへの接近に成功して獄氷を唱えようとしたその時、突如右方から毒液が飛んできた。

 その毒液は深紫の色をしており、とても凶悪な毒を有しているに違いない。


「!? ど、毒液!? そんな、まさか……!?」


 即座に左方へ跳び、ギリギリだが毒液を回避。

 毒液が飛んできた方向へ振り向くと、そこにはもう1体のヒュドラの姿があった。


「さ、最悪だ……策を練り直さなきゃ……」


 俺の勢いは止まり、取り敢えずは距離を取るために後方へ下がる。

 こうして再び一から策を練り直すことになるのだが、先ずはこのヒュドラ達の行動を観察することに。

 あわよくばこの2体のヒュドラ同士で争うことを望んでいたのだ。


「やっぱりダメか……そうなると、早く策を考えないと……」


 やはりそう都合良くはいかず、2体のヒュドラはこちらへ向かって歩き始める。

 しかも全身に傷を負ったヒュドラも殆ど傷は癒えているようだ。



(くそっ、黒葬では範囲が足りないか……)

 

 前回と同様の黒葬で動きを封じる策を考えたが、2体同時に封じるのは不可能だと判断して策を断念。

 すると、その他の策が考えつかずについ動きが鈍くなったその瞬間、2体のヒュドラは同時に毒液を吐き出してきた。



「うおぉぉっ……あっぶなぁ……」


 咄嗟の幽世発動により、大量の毒液をどうにか防ぐことはできたが、正直かなり危なかった。

 もしあの大量の毒液を浴びていたら、一瞬にして動けなくなり、下手をすれば死んでいてもおかしくはない。

 だがそれでも無傷に済み、折角結界を張ったので、このまま策を考えようと思う。



「焦るな……焦るヒマがあるなら考えろ……」


 ヒュドラ達が接近するなか、込み上げる焦燥感を抑えながら策を考え続けた。



「……!! コレだ!」


 俺は何かの策を閃き、早速幽世を解いてヒュドラ達の方へ駆け出した。


疾駆しっく!」


 風のチカラを借りて更に加速を。

 深い毒沼でも沈む間もなく駆け抜けていく。


 再びヒュドラ達が毒液を吐こうとしている様子が見て分かり、狙うかの如く魔法を唱える。


「ココだ! 灼光しゃっこう!」


 熱量を帯びた閃光が眩く輝き出して、その閃光を浴びたヒュドラ達は混乱することに。


 ヒュドラは竜種ではなく、水蛇系の大型魔物である。

 しかも水陸両用の両生類なので、陸蛇のようにピット器官を有しているはずだと予想。

 そこで、熱量を帯びた閃光によって視界とピット器官の両方を眩ませたのだ。


 ヒュドラ達が混乱している隙をついて、右側にいるヒュドラの元へ駆け出す……難無くヒュドラの足元へ辿り着き、透かさず魔法を唱えた。


「獄氷!」


 ヒュドラの身体は見る見るうちに凍りついていき、そして完全に動かなくなる。


「よーし、あと1体!」


 気合いを入れ、もう1体のヒュドラの元へ駆け出す。

 しかし、そのヒュドラの混乱も少し落ち着いてきた模様。


 だがこの時、目の前のヒュドラよりも更なるヒュドラの増援を危惧していた。

 もし今奇襲でも受ければ、きっと無事では済まないと考えたからだ。


「それでも……疾駆!」


 それでも目の前のヒュドラを倒すべく、疾駆を唱えるのであった……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ