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ホーボー・ホーボー魔導具を巡る冒険  作者: アトアン・グリューゼン


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第八十話 顔見せ

 アンリとガラテアはルーベルカイム市街の赤い屋根の街並みを歩いていく。雨に濡れた路面が陽光に照らされ乾き始めていた……水捌けの悪い場所に濁った水溜りが残っている。


「ハイディ先生からアンリの様子を見てくるように言われて来たんだ」


 ……そう口にしたガラテアが不意に立ち止まり、胸と腹部を押さえる。聖槍の魔力で肉体が活性化し黒霊布のブラの下で胸がより大きく成長しようと脈動する。ガラテアは呼吸を整えると丸薬を取り出し飲み込んだ。


「ガラテア、平気か?調子悪いのか?」


「問題ない……調子が悪いというか変に身体の調子が良くて力が湧いてきて困る……早く行こう」


 ガラテアは歩き出す。


「ああそうだ、ディアスの様子なんだがおかしなことに……」


「失礼、そこの二人止まってくれ」


 黒い修道服を着た褐色肌の女が二人を呼び止めた。


「なんです?」


 アンリが応える。


「そこの仮面の淵術士、顔を見せてもらっていいか?」


「……」


 ガラテアは黙って仮面を外す。褐色肌の修道服の女はガラテアの赤い瞳をじっと覗き込む。


「……協力感謝する」


「何かあったんですか?」


 アンリが修道服の女に問いかけると女はアンリへ目を向けた。


「ルーベルカイム周辺で人を襲う吸血鬼が出たという情報がある、気をつけてくれ、手練れの術者もやられているようだ、夜間の単独行動は避けてほしい」


「そうですか、わかりました」


「呼び止めてすまない、大いなる天上の主のご加護があらんことを」


 ・・・・・・


 アンリとガラテアは暫く歩き、黒い修道服の女が離れたのを確認したのち口を開いた。


「……ガラテア、さっきの女知り合いか?」


 アンリは声を潜めガラテアに問いかける。


「いや、向こうは私のことを知らない筈だ……知っていたとしてもこの状態だと背も大分伸びてるし、魔力波長も違ってるからわからないだろう、彼女は確か……セレス、中央教会の吸血鬼対策の専門家だったと思う」


「直接会ったことは?」


「聖都で遠くから顔を見たことはあるが会話したことはない……薬が効いてきた、胸が張って少し痛かったから楽になった……」

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