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ホーボー・ホーボー魔導具を巡る冒険  作者: アトアン・グリューゼン


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第三十一話 近


 ルーベルカイムの街を黒い修道服を着た金髪の女ガラテアが歩いている。


「くっ、あ……」


 ……身体の深部から熱いものが沸き上がり、彼女は震える手で胸を押さえる。


「あっ……あ、頭がくらくらする、吐き気もする……おかしくなりそうだ」


 彼女の心臓が激しく鼓動する。顔が紅潮し、全身から大粒の汗が噴き出る。ガラテアは街の路地の壁にもたれ、ハイディから渡された薬を飲みこむ。


「はあはあ……何処かで身体を休め……落ち着かせないと……ここからだと、アンリの家が近い……か……」


 ……ガラテアはアンリの家の前にふらつきながらもたどり着ついた。


「うっ、はあ……はあ……」


 合鍵を取り出し扉を開け部屋へ飛び込むと、修道服を脱ぎ捨て下着姿になり、アンリのベッドへ倒れこむ。


「くっ、ああ……」


 ガラテアはベッドに横たわりながら、再度、薬を飲み込む。


「……薬が効いて……?少し、落ち着いて……きたか?」


 聖槍の魔力により魔性が強化され、彼女の胸が張って大きくなっている。


「一体なんなんだ?魔導具が共鳴しているのか?」


 ガラテアは汗ばんだ下腹部に手を触れた。


「う、また……あっ!!」


 痛みと快感が全身を駆け巡り、再び彼女の顔が紅潮する……黒い下着姿の美しい女がベッドの上で悶えている。


「……熱い、もう……限界!」


 ガラテアは魔力制御術式の刻まれた黒霊布の下着を脱ぎすてた。


「……っっ!!」


 心臓が激しく脈動し、大量の汗が湧き出る。隕鉄の聖槍の魔力がガラテアの肉体を器として最適な存在へと作り変えていく……。

 

 ・・・・・・


「……ふう……はあ……はあ……」


 女神の姿に変異したガラテアはベッドの上で上体を起こし胸を押さえる……汗に濡れた金髪が女神の肉体にまとわりつく。


「……変異前の姿を維持できない……この姿でいる方が楽だ……」


 ……ガラテアはアンリのベッドに身体をうずめ、枕のにおいを嗅いだ。


「女の臭いがする……まあ、そういうのがあってもおかしくはないか……」


 彼女はベッドから起き上がると、聖槍の魔力が霊布として実体化しドレスを形作る……ガラテアは金属鏡に映った自分の姿を見つめる。翡翠色だった瞳が赤く変化していた。


「この赤い瞳……どうにかならないか」


 彼女は部屋の中を見渡す。


「ここに来たのは……あれから二度目か……男の部屋……男のにおいがする……アンリ……小さい頃はよく二人で遊んだな……あの時から何年たった……」


 ……その時、彼女はこの家に向かってくる何者かの気配を感じ取った。


「!!誰か来る!?……探知妨害の結界を構成……」


 ガラテアは魔術による索敵にかかりにくくなる術を行使した後、索敵を行う。


「二人か……少し瘴気の臭いがする……人間ではないな、リゾームの感応値から察するに一人はシェイマと……もう一人はエルフ?いやオークの女か?」


 ガラテアは身を屈め、窓の外をそっと覗き込む。


「黒髪のシェイマか……珍しい、確かオクタヴィアという名前の……もう一人はわからないな」


 ガラテアは急いでブラとショーツと修道服を拾い上げクローゼットの中に隠れる。


「う、狭いな、ごちゃごちゃしてるな」


 扉が開き、二人の女がアンリの部屋に入ってくる。ガラテアは構成した探知妨害結界の内部で聞き耳を立てている。


「あー疲れた、アガサ休んでいこうよ」


 ハルバードを背負い、腰に大型拳銃を差した黒髪の長身のシェイマが銀髪で金眼のオークの女に話かける。


「しかし、貴女はこんな大事な時期にうろついて……ロザーナの姫君がカストルに……」


「大丈夫だよアガサ」


 黒髪のシェイマはそう言うと、武器をおろしベッドの上に腰掛ける。


「……この部屋勝手に使ってよろしいのでしょうか?」


 アガサと呼ばれた凛々しい表情を下の青肌のオークの女は腰に細剣と短刀を差している。


「アンリはマリエスブールに行ってて、暫く帰って来ないから問題ないよ」


「マリエスブールと言えば……彼女に任せて大丈夫でしょうか……」


「あいつは出来る女だから大丈夫だよ、仕事だって上手くこなせるよ」


「はぁ……だと良いのですが……」


「アガサは心配性だなー」


「……!この部屋、女の汗の匂いがしますね……」


 クローゼットの中でガラテアはじっと息を殺し、二人の会話を聞いている。


「アンリにだってそのくらいいるでしょ……ねぇアガサ、少し飲もうよ」


「……貴女の少しは少しじゃないんですよ」



・・・・・・・・・・・・


 

「今夜は新月か……かなり暗いな」

 頭の角を触りながら、ハイディはマリエスブールの宿の外を眺める。


「空は曇ってないだろ、星は見える」


「ねぇ二人とも明日は用事あるの?」

 ルーネがアンリとハイディに問いかける。


「オレは特にないな」


「そうだな……あたしはルカさんの奥さんの様子をもう一度確かめたいな」


「じゃあ、それが済んだら魔獣討伐に行きましょうよ……戦いたい気分なの」


「いいね、行こうぜ」


「あたしも構わんよ、最近運動不足でね、身体を動かさないとな」


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