ネット掲示板の闇
―――『ネル』さんが入室されました―――
『ネル』:「死にたい……」
『ヴィギン』:「どうしたんだ! 急に」
『寂寞の民』:「何かあったん? 心配や」
『ネル』:「もうやだよ。こんな世の中生きれないよ」
『ヴィギン』:「何があったかわかんないけど、死ぬことはよくないよ! ぜったいやめときな」
『寂寞の民』:「そや。死よりひどいことなんかないで。死んだってなんにもならん。生きるだけ生きて
足掻いてみよ、な?」
『ネル』:「だって……就職決まらないし。お金はないし。恋人もできないし。生きてたってなんもいいことないじゃん。それならいっそ、死んで転生したほうが……」
『ヴィギン』:「だめだ! 絶対だめだ! なんかうまく言えないけど、生きてたらそのうちなんかいいことあるかもしれない。でも死んだらなんにもできない。だからいいこともなんにも起こらない」
『寂寞の民』:「そや。死んだら元も子もないで。せっかく生きてるんや。チャンス掴まんとどうすんねん。それもたった一度きりのチャンスやで。野球と同じや。ノーアウト満塁で打たなどうすんねん。バット振らんとなんも起らんで」
『ネル』:「だめだよ……。みんな励ましてくれてるみたいだけど、全然頭のなかに入ってこないよ。悪いけど、やっぱり死のうと思う。励ましてくれてありがとう。それじゃさよなら」
『ヴィギン』:「だめだだめだだめだ!!!!」
『寂寞の民』:「まて。おちつけ。はやまるんやない」
―――『www』さんが入室されました―――
『www』:「ねぇ。一人でやってて寂しくないの?」