ファンタジー
神はこの世界に数多いる
その存在は一つの世界に対して一人
神は自らが管理している世界をより良いものへを導く義務がある
しかしその義務を放棄した女神がいた
「フィーリア様ー」
広く清潔感がある廊下を背中に鳥のような羽が生えた少女が飛んでいた。
その少女は誰かを探している様子で周りをきょろきょろとしながら声を上げていた。
呼ばれている主は一向に見つからない。
まったく見当たる気配がしない少女は途方に暮れていた。
「シーナ」
その声に少女は反応した。
声のしたほうに顔を向けるとシーナと呼ばれた少女は嬉しそうに声の主であり、探していた人のもとに行った。
「フィーリア様!・・・世界を看ていたのですか?」
フィーリアと呼ばれている女性は女神でありシーナの使えている神だ。
「私が世界を看ていると本当に思ったの?」
「・・・そうですよね。フィーリア様が看ていることなんてないですよねー」
少し肩をうなだれたシーナだったが、すぐにふざけたように振る舞った。
フィーリアは女神だ。しかしここ数百年まともに世界を看たことはない。
神の仕事を放棄していた。
神の仕事とは世界を良くすること。
その世界に暮らすものたちを幸せにすることが仕事だ。
道を誤りそうなものには救いの手を、何かに苦しむ者には奇跡を・・・
そのようにしてその世界に暮らす者たちを導き、そして信仰を得る。
より信仰されれば神の力は増す。
だが、その仕事をフィーリアはしてないない。
つまりほとんど神としての力が無い。
「そんなことより早くパーティにー行きますよ!早くしてください!」
「・・・わかったわ」
フィーリアが出席するパーティーは、天界に住む神が年に一度集まる。
そしてその場で成績が発表される。
成績は神が世界をより良くするために動き、その効果でより良い世界になった時にポイントがもらえる。
そんなパーティに行くことを正直億劫に感じながらもシーナに少々強引に連れられ会場に向かうのだった。