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其の三: 転生者の憂鬱

「(待って。いや、本当に待ってケンタ。私死ぬ。冗談抜きで死ぬ。というか勝手な私闘は校則違反じゃなかったけ?!)」

「(仮にも魔剣使い目指してるんだから、これくらいはできないとな。それとルールなんてものは破るためにあるんだぞ)」

「(目指してねーよ!!ルールも守れよ!!)」


 おおよそ女とは思えない暴言が高等技術魔法:フィーリングを通じてケンタの耳に入ってきた。しかし内面で表情豊かなツルギの表の顔は入学当初からいつも通りの無表情。そんな無駄なことをよくできるな…とある意味でケンタは感心した。


「(ま。今はそれはどうでもいいか。ツルギには悪いけど一度戦ってみたかったんだよなあ)」


 背中に背負っている俺の得物の大剣がいつもより軽く感じた。愛嬌があって好意がもてると好評である笑みを浮かべる。これから来るであろう二次元さながらの戦いに心を馳せた。



 突然だが、俺は転生者である。



 生前は二十代前半のさえない男だった。そんな俺だが、ある日通り魔にあって死亡。まさかの小説や二次元創作でありがちな転生を果たしたのだ。気が付いたら赤ん坊になっていて美男美女夫婦に微笑まれていると知ったときには失神しそうになった。まあ驚いたのはその日だけだったが。


 当時の俺が思ったことは一つだけ。


「(人生イージーモード来た!!俺TUEEEEEEEEができる?!)」


 前世の俺は日ごろから「異世界に行きたい」だの「転生したい」だの現実逃避ばかりをかましていた。この状況はいわば俺にとっては神の啓示。俺は特別な存在になったのだと、とんでもない勘違いをしていた。


 今考えるとクッソ恥ずかしいけどな。もう終わっていたと思っていたはずの厨二病が治っていなかったのだから。


 …いやだって仕方がないじゃん?夢だったんだからな。


 まあそんな勘違いをしている俺は当然のように書物を漁って知識をつけようとした。親に不気味がられているのにな!

 更には中学生まではしてはいけない魔剣使いの適性審査まで親に頼んでした。見事適正者だと分かった俺は今まで以上に調子に乗った。今度は魔法を覚えるべく奮闘するわけですよ。アッヤバい恥ずかしすぎて死にたくなってきた。


 そんな大きくなりすぎた自尊心やらなんやらはツルギの所為で木端微塵に打ち砕かれるんだけどな!!


 俺とツルギの出会いは幼稚園だ。俺の母親とツルギの母親は姉妹だったし、仲が良かったから俺たちを同じ幼稚園に通わせたかったらしい。本当は直接家で会わせたかったみたいだが俺の家は所謂成りあがりの家。だからツルギの家のものにはいい顔はされなくて幼稚園での出会いとなったとか。


 ツルギと合った時の俺はテンションが高かった。ツルギは同年代の子と比べて大人びていたし、なにより美少女だったからな。うおおおおお俺にも美少女なテンプレ幼馴染が来たアアアアア!!とか思ってました。主人公の俺にふさわしいとか思っちゃってました。


 当時の俺何考えてんだマジで死ね。主人公とか何考えてんだ。


 公園でツルギや他の幼稚園の友達と遊んでいたときことだ。俺は天才少年(笑)を気取っていたから静かに木の下で本を読んでいた。そんな俺に小さなツルギがぽてぽてと近づいてきたのだ。手に何かを持ちながら。


「ケンタ~これどうしよう?おちてたんだ~」

「ツルギどうした………………って何チャッカマンもってんだ。あぶねぇからやめとけ」

「うん!分かった!!」


 カチッ、ボッ!


「うおおおおおおおおおおおおおお?!?!?」


 次の瞬間、俺が持ってた本が燃えた。

 それはもう勢いよく。

 俺は喉が枯れるんじゃないかというくらい絶叫した。

 というか次の日これのせいで声が枯れた。


 ヤッベエエエエ!!チャッカマンが出しちゃあいけない火力だしたんだけど!!そんでもって本燃えてんだけど!じわじわ燃えていくというかそういう勢いじゃない。ボファ!!という効果音が付くレベルの勢いのよさで燃えている。爆発したせいで発生した炎のようだった。つーか手が熱い!死ぬ!あと何でかわかんねーけど本から手が離せないんだけど?!


 俺は大慌てで走り回った。この時はテンパりすぎて水をかけるという発想が湧かなかったのである。馬鹿だ俺。ちなみにこの時の顔は現在のツルギ曰く「まるでコラ画像みたいな凄まじい顔芸をしてた」らしい。そんなことも知らずに俺は走りながらツルギに対して大声を上げた。


「なにやってんだツルギィィイイイイイイ?!俺あぶねえからやめとけって言っただろおおおお?!」

「ご、ごめんケンタ!危ないのは分かってたんだけど…やらなくちゃって思って…!」


「なんでだよ?!」


 今世始まって以来の全力の心の叫びが出た。

 なんでやらなくちゃと思ったんだ。子供の好奇心怖い。


 当時はチャッカマンが壊れたのかと思っていたが、無意識のうちにツルギが魔法でチャッカマンの威力を増させてしまったらしい。ついでに本から手が離れないような魔法も無意識下で使っていたとか。まあそんなことを知らない小さい俺は焦りまくるわけだ。「お願いだからなんとかして!」と何の力もないツルギに言うくらいには。


 ツルギは何度か躊躇った後、決意した顔になり、俺に近づいてきた。


 そしてなぜか素手で轟々と燃える本を握ったのだ。


「やってみる!」

「え」

「うりゃ!」


 ザッ!ガッ!


「ぎゃあああああああああああああ!!」

「なんか炎湧いてきたあああああああああああああ?!」


 ツルギが俺から本を奪い取り、適当なところに本をなげた。

 その本が幼女が本来なら出すことのできない勢いでポーンと天高く飛んでく。


 そして公園前で話し込んでいた男二人の内、一人の男の股間にピンポイントでクリーンヒット!

 当然のように男の股間が勢いよく燃え上がる!

 絶叫する二人の男!



 なんでやねんんんんんんんんん!!



 どうしてピンポイントにクリーンヒットするんだお前は?!それに何で男の勲章というべき場所に当たるわけ?!可笑しいだろ!!つーか燃えすぎだろ、あの男の股間!あああもう俺は何でこんなに絶叫してるんだ?!こんなにツッコミをいれてんだ?!あと女の子が素手で炎触っちゃいけません!!幼女怖い!!


 そんな大混乱は続き、なんとか苦労に苦労を重ねて炎を消火できた。終わった後の四人の間には知らない者同士なのにもかかわらず謎の連帯感と達成感があったな…。その事件の所為で俺の両手は大火傷を負い、ツルギの場合は軽い火傷を負い、股間が燃えた男は俺と同じように大火傷を負った。


 股間に。


 かわいそうすぎて他人事ながら泣いた。ちなみに俺の両手の火傷は傷一つなく完治済みである。魔法ってスゲーなと思った。


 …――そして後日病院にて。

 股間が燃えた男とは別の男が、親父たちと一緒にいる俺とツルギの元にやってきたのだ。この時俺は「ぜってー怒られるだろうな…」と思った。親父たちに対してきっと「お宅のお子さんに一体どういう教育をなさってるんです?!」ってな感じで怒られると。その怖さに年甲斐もなく俺の体がツルギと同じように強張った瞬間、男はこう言った。



「助かりました!!」



 えっ?


 いやいやいやいや…。今あり得ない言葉が聞こえたんだけど…。いやいやまさかァ…「子供たちのお蔭です!ありがとうございます!」お礼言った!!聞き間違いじゃなかった!!なんでこの人溢れんばかりの輝かしい笑顔でお礼言ってんの?!馬鹿なの?!


「実は僕…恥ずかしながら火傷した方の男から何度もカツアゲされてまして…」

 えっ

「困っていた所だったんです。そこに君たちが来てくれて!」

 えっ

「流石に火を扱うのはまずかったですけどね。君たち僕を助けようとしてくれたんだろ?女の子の方が『危ないのは分かってたんだけど…やらなくちゃって思って…!』って言ってたの聞こえたしね」

 ええええええ

「助かったけど、もうこんなことはしちゃだめだぞ?」

 ええええええええええええええええええええ?!


 耳を疑った。めっちゃいい笑顔でお礼を言ってくるお兄さんの頭大丈夫かと思った。火傷させたのにお礼いっちゃうの?!というかお兄さんカツアゲされてのか。知らなかったよ………そんな偶然あってたまるか!!


 神がかり過ぎている偶然。なんの冗談かと思った。

 手は火傷で痛いし無駄に精神をすり減らしてたから、その時は「まあそういう時はあるよね」と流したよ。流しちゃあいけなかったけどな!!


 それからというものツルギの周囲ではこんなことが多々あった。

 ツルギがこけたと思えば何故か「ツルギさん助けてくれたんだ…!」という解釈をされる。なんで?!なんとか誤解をとこうとしても「ケンタも苦労してるんだねえ。ツルギちゃんは人助けが好きみたいだから」的なことを言われる。誤解を解こうとすればするほど何故か余計に間違った認識が広がっていく始末。だからなんでだよ!!


 あまたの経験を得て俺は悟った。



 …―――月城ツルギは所謂、勘違い系主人公だと。



 俺は主人公じゃないのだと漸く気が付いた瞬間でもある。こうして馬鹿げた周りの勘違いを知り、俺の厨二病じみた行動は終わりを告げた。それからはもうツルギの行動を見てニヤニヤする毎日だ。


 特に中学の頃はすさまじかったなぁ…。勘違い的な意味で。そして高校になった今もまたツルギは馬鹿なことを考えて行動している。それが勘違いを生むとは知らずに。だから面白いんだよ。


 え?ツルギを嫉妬しないのかって?

 まあ最初の頃は嫉妬していたよ。どうして俺が勘違い系主人公じゃないのかって。でもなあ…ツルギが巻き起こす勘違いの渦を直で見て「勘違い系主人公にならなくてよかった」と心の底から安心した時から俺の嫉妬はどこかへ吹っ飛んだ。寧ろツルギが主人公でよかったと思っている。主人公になるやつは大概大変なことに巻き込まれるし、頭可笑しい奴らに好かれるからな。


 ま、そんなこんなでツルギとはうまくやってるわけだ。気分はツルギの父親である。

 ついでにゲスイことを言えばツルギと一緒にいれば出世街道進めるからだ。次男坊は家の後を継げないからな!!就職活動今のうちにしとかなきゃあ色々大変なんだよ外道で悪かったな!


「(それよりも今回ツルギがまたしても起こした事件を解決しなくちゃいけねえ)」


 今現在ツルギ&俺と委員長(土成さん)&水無がいる場所は学校所有の室内闘技場である。普通の高校に存在してはいけない施設だが剣城高校は普通の高校では無いため、当然のように存在してるんだよなこれが。これもそれも魔剣学科という剣と魔法を使う学科がある故にである。剣や魔法を使い、戦うためにはそれ相応の施設が必要というわけだ。


 そんな闘技場には昼休みにも関わらず多くの人がそこにいた。言わずもがな四人の戦いを見るためである。


 チラリと横を見るとその事実にツルギはいつも通りの無表情。だが長年の付き合いである俺には分かる。彼女の左腰に帯刀している日本刀が緊張でカチカチと揺れていることに。幼少期からやっているお蔭で無駄にうまい『フィーリング』を発動させた。


「(おーい。ツルギちゃんやーい。大丈夫か~)」

「(あああああ…大丈夫じゃないよケンタの馬鹿!どうしてこんなことに…。いや焚き付けた原因は私だけどさ…。ケンタと相棒バディになんてならなきゃよかった…)」


相棒バディ』。


 バディとは魔剣学科に通う生徒が作る二人一組のチームのことだ。圧倒的な力を所有しながらも魔剣使いになれる人数が少ないために国から「ペアを作ってお互いの身を守り、力を制御し合え」というお達しがあり、この制度が作られた。この名残からか正式な魔剣使いも基本的に二人一組で行動するようになったらしい。


 ツルギが心の中でモンモンと考えているのを俺は内心でニヤニヤした。こいつ本当に愛すべき馬鹿だよなあ。そんなことをしている内に少し離れたところにいる委員長が真剣な顔をしてこちらに声を投げかけてくる。すぐさまツルギはキリッとした無表情を作る。流石ツルギ。演技が神だよな。


「ルールは簡単。バディの内どちらか一名が戦闘不能になった時点でそのチームが負け。使用武器は剣なら何でもよし、それ以外は不可。魔法の使用は可能。で、どうかしら?」

「俺は何でもおっけーだよ~」

「日向は頼もしいな」


 水無からの言葉に俺は「ありがと~」と気の抜けた返事をした。俺の語尾がいつも伸びているのは演技しているからである。ワンコ系イケメンの俺がほやほやしていると女子受けがいいからだ。我ながら最低である。


 俺は背中から俺の得物である大剣を引き抜く。俺の横でツルギがいやいやながら日本刀を引き抜くのが分かった。


 お前の運命はあんなことを言った時からすでに決まってたんだ諦めろ。どうして委員長たちがお前のこと悪くないって言ってんのか俺にもわからないけど、多分勘違いのせいでこうなってるから。


 委員長は懐からダガーナイフを一本取り出した。ダガーナイフとは珍しい。サポートタイプっぽいな。それに対して水無はツルギと同じく日本刀だ。ほお…日本刀と西洋剣のチームか。俺とツルギも日本刀と西洋剣のチームだが、俺たち以外にいたとは。なかなかいないんだけどな。



「試合、開始!」



 審判役をかってでてくれた俺の友人が開始の合図を宣言する。


 その瞬間俺はグッと脚を曲げた。脚の筋肉がギチギチと音を立てる。俺の背丈ほどある大剣の柄の部分を両手で抱えた。様子見をしようと止まっているであろう委員長と水無たちに向けて俺はいつもどおりの愛嬌のある笑顔を浮かべる。


 そして筋肉をバネ代わりに委員長たちへと真っ直ぐにジャンプした。

 ビュンッと風を切って飛ぶさまは到底高校生が出せるスピードではなかろう!

 ふはははは――――ッ!と悪役が如く叫びたいが自重した。俺は前を見据えたまま口を開く。


「先手必勝!ツルギ!」

「ああ!《風魔法・ウインドカッター》!!」

 グンッ

「なっ?!味方に向けて風魔法?!」

「なんて威力なの?!」


 俺の後方にいるツルギの日本刀の刃が風を纏う。それも凄まじく荒ぶる風。暴風と言っていい。ツルギがそのあり得ないほど強い風を纏った刀を上段から下段へと振るうことにより、風が衝撃波となって俺に襲いかかる。


 自身のジャンプによって空中突っ切る俺は、ツルギの風の衝撃波を足の裏にのせて更に加速した!


 俺の得物は背丈ほどもある大剣。攻撃力は強いが、それ故にどうしてもスピードが落ちる。その問題をツルギの風がこうすることにより解決してくれた。正直めちゃくちゃ練習したけどな!


 それともう一つ。俺たちはこの一撃で水無を倒す必要がある。


 何故ならツルギの魔法は、彼女の魔法の力を10を最強としたら10か1しかだせない性質だからだ!

 ツルギが10の魔法を使えるのは一日二回。これを使ったら後一回しか魔法をだせねえというトリッキーな魔法の使い手なのである。


「(この一撃で決める!)」


 俺はスピードを殺さないまま驚きの表情を浮かべる水無に向けて切りかかった!


 むくむくと腹の中から魔力の渦巻きを感じる。

 腹で練られた魔力は俺の体を移動し、吸い寄せられるように俺の大剣に力が集まる。

 そして前世ならありえない力…―――――『魔法』を『剣』から発動させた。


「もらったァ!!《火魔法・ファイアーブレード》!!」


 知らず知らずのうちに勝利の雄たけびを俺は上げていた。

 目の前にいる水無は日本刀を下段の構えをしたまま固まっているのだから。

 余りに彼の脇腹は無防備すぎた。

 技術力を要する日本刀の使い手なら決してしてはいけなかった失態。

 さらにはツルギの風魔法でブーストしたこのスピード。


 避けられようはずもない!!


 溢れんばかりの炎を大剣に纏わせ右横から左に薙ぎ払うッ!!無防備なその脇腹に叩きこんでやる!

 風を味方につけ、火が風によって一段と燃え上がり、俺の剣に生き物のように巻きつく。

 その生き物のような炎が大きな口を開け、牙を見せながら水無の眼前に食らいつく!!


 俺のデフォルト表情である優しい(笑)笑みを今回ばかりは殴り捨て、邪悪に笑った。

 ちりちりと焼けるように顔が炎のせいで熱い。


「オラァ!!!」


 右横から左に薙ぎ払う―――――――……



 ことができなかった。



「…?!体が動かない…?!」


 まるで誰かに体ごと押さえつけられているように動かなかった。水無の脇腹の数センチ手前で俺の大剣の刃は止まっている。あり得ない。俺たちの攻撃を止めるなんて。


 それでは俺たちよりも速いスピードの『誰か』がいるってことじゃねえか!


 その事実に俺はハッと息を飲む。

 同時に慄いた。それは俺たちが決して彼らに速さで勝てないことを指し示しているからだ。

 魔剣使いにとって何よりも大切なのは『速さ』。

 接近戦を主とする俺たちにとって敵よりも遅いというのは不利を意味していた。


 それと気が付いたことがある。

 …――背後に誰かいるのだ。


 ごくりと唾を飲む。

 後ろから落ち着いた少女の声が聞こえた。この声はツルギじゃない。

 ツ、と俺の背中に汗が流れる。


「…危なかった。日向君が先手必勝タイプだったなんて…。仮にも月城さんのバディって訳ね」

「委員長…?いや、土成さん…」

「対月城さん対策をしておてよかったわ。《補助魔法・縛》」


 冷や汗を流しながらホッとした様子を見せる委員長こと土成さん。彼女は顔の前に人差し指を二本立てていた。補助タイプの魔剣使いが長距離から剣を通して魔法を操る時のポーズである。カッコいい。厨二心が疼くポーズだ。


 …ってまさかッ?!

 俺は視線だけでバッと水無の足元を見た。


 水無の足元には三本のダガーナイフが刺さっていたのだ。水無を中心にして三角形になるように刺さってある。つまり一種の魔法陣が完成していることになるのだ。


 いつのまに?!全然気が付かなかったんだけど委員長こわッ!!


 しかもさァ…《補助魔法・縛》と言ったら日本発祥の高等技術魔法である。長距離から魔法を剣を通して扱わなきゃいけないから結構な技術がいるのだ。又、日本の魔法と言えば魔力を多く消費することで有名である。入学して一か月目なのにもかかわらずそれを自然に使いこなし、開始早々からぶっ放してくる委員長は…。


「(このペア、手練れだ…!!やっべえ人選間違えた)」


 終わったァアアアアアア!!

 俺のバラ色学園生活終わったァアアアアアア!!


 実は俺、この勝負に勝つことで強者として見られたかったんです。戦ってみたかったのも勿論あるけど。強者として見られれば、お偉いさん又は上級生の目に留まり「お前強いな!うちのところくる?!」みたいなスカウトされたかったんだ!!後ついでにモテたかった!!


 勘違い系主人公のご加護があるならいけると思ってたんだけどな…アルエー?!


 え、どうしようマジでどうしよう?!ツルギは後一回しか魔法使えない。

 俺が魔法を使えばいいんじゃねって思う方もいらっしゃるかもしれないが、俺はコントロールがいいだけで魔力は普通なのだ。後、剣の腕が一般以下という残念な腕前である。


 ツルギからの「どうすんのこれ?!」という目線を浴びながら冷や汗を流した。


 あ、ヤバいこれ詰んだ。





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