闇の喉首
闇に身を監禁されて完全に無音に包まれているのならば、本能的脳髄的に無条件な空虚さや邪悪さは感じ得ることは少ないだろうし、それこそ思い浮かべるのは即死の穽ではなく五感的な「無」でしかない。闇イクォール人倫のない魔界もしくは死骸の放つ呪いの歌と勘違いしている人も多いかもしれぬが、闇とは永続的に禍々しいものではなく、やはりそれは完全な「無」に近い概念の増殖であるため、maliceや葬送といった思弁は正確には持ち合わせていない。巨きな穴としての機能の面からいえば、無間地獄・奈落が適した語彙だろうし、もし例えるならば蟒蛇の口腔内もしくは胎の最奥であろう。闇とはしいていえば「時間の無」「空間の無」の両界を孕んだ特殊領面だ。現実世界と夢幻世界の閾。全てを瀰漫する複雑渦流のことである。更なる説明をすれば「時間の無」とは空間の存在における「無」ではなく、移ろいとしての「無」のことであり、収縮・圧縮されうる時の流れを見定めるものでもある。時間が喪うならば存在の連続性を反応的に喪い、宇宙膨張的identityまたは、言葉の流入・流出が消えるという意味でもある。言葉が死んだ世界ではそこはやはり闇であり、思考の崩壊・瓦解まで勢力圏が拡がり魂の轢断・入滅が発生まで至る可能性がある。生きる我らに「時間の無」は致命的であるが、不思議と恐怖や不安が感じ得ない区劃なのである。なぜならといえば、恐怖は「無」の前ではその存在が無意味であり、恐怖の絶望対象として存在できないからだ。「時間の無」とは移動ができなくなる地獄のことであり、物質が原子単位で時を進めないことを示す。――また、先ほど述べたように闇は「空間の無」も包含している。対蹠的に「空間の無」とは時間の存在の無ではなく、存在意味・意義を覆すこともできうる空間錯視のことである。纜の失った戦艦のように曠然たる大海をひたすら彷徨うことであり、精神分裂的に脳内に展開する仮想思考のようなものである。実存しない概念・空想。漆を塗った暗黒では自身の座標軸を麻痺させ壊死させることができ、X地点もY地点も消えて蒸発するのだ。穢れも聖らも存在せぬ。渾沌も坩堝も見当たらない。開闢も終焉も消えてしまった。やはりこれもidentityを喪わせる因となる。やはり闇とは死の象徴ではなく無の象徴なのだ。涸いた体は涸渇したまま、濁った魂は汚濁したまま、対象物は対象形質のまま空間に固着され保存されるべきであり、それは「空間の無」のことであるし、「無」とは数学上ゼロであるため、現実世界ではそれを許すことはできず、闇という特殊状況だから発生すべき現象である。現実では第三者や第三対象が存在するため、それらが動き監視することがあれば束縛され桎梏の身であるものは大気の流れ・意識の流れが自然発生的に起こり、縛りは解除される。自分以外の存在が喪われた闇の場であるからして自分が比較対照されないからこそ「無」は起こる。結局、存在とは比較されうるべきモノである。逆にいえば第三者・第三物質が存在するのならばすぐさま自分の身は動き始める。動くことができるのは自分以外の存在が動くことができるからである。自分と他者の両立があってこそ初めて自分が存在できるのである。それは一種のパラドックスであろう。結句、闇とは保存の理を吐瀉し排泄しきった概念である無なのだけれど、やはり内包すべき「無」の外延に「無」が存在していることも必然注意せねばならない。難解な言い方かもしれぬがいわば「ゼロ」の中には「ゼロ」は存在し、「ゼロ」の外側には「ゼロ」が存在しているメビウスの輪・クラインの壷現象のことである。同時に存在しえない次元の存在がメタレヴェル的に歪曲度を生みだしひしゃげた形態を保つことができるのである。■■■のphenomenonの到達といってもいい。現象的に闇を見るのならば闇と死の聯関を考えねばならない。死の思惟として、月も星も見えない本物の闇の中で発狂するまで幽閉されれば、巨大に成長した恐怖が芽生えるのかもしれぬが、だが、しかし、闇の叢というべきだろう淼淼たる高原で臥し、井然たるモノクロームに呑まれ消えてしまうのならば、それは「無」であり「死亡」の塊であろう。宇宙空間の中で落下することはフォルマリン漬けの標本になり果てることに等しく、それは形而上学的深海に呑まれることと起源を同じくする。が、死は恐怖すべき対象ではない。恐怖と死は違う。闇は恐怖の属性を所有しているわけではない。闇とは光の逆語の位置づけが■■され、枠づけられる死の中で闇は死と前世現世来世の枠として■■■空となる。恐怖ではないのだ。死の咒い的に闇は■■に呑まれ、光は闇に勝てる唯一の手段として過去決められている。だが、先述のように闇は無であるから、光は完全に闇を■■■することはできない。黒は白を上書きすることはできるが、黒を白に塗り直すことができないのがその証拠であろう。黒の通った痕を白に作り直すのはとにかく難しい。駆逐するには一定の負圧の綯い交ぜが必要で、■■の柵から脱却する方法としては■■■的■があげられる。やはり「時間の無」「空間の無」は「エネルギーの無」に置き換えることができるため、エネルギーの非存在を打ち消すことのできるエネルギーは存在しない。闇は「無のエネルギー」を鎧うているので、深淵で血を吐き毒を嚥めば、一時的に意識を昏睡的闇に落下させれるが、意味も意義も無であるため、■■■■■■■■■■。炎群ら、石塊、は前衛的に闇に彩られ、啖われる。だからといって■■■■■■■■■■■■■だ。■■■■を殺すのだ。■■■も殺すのだ。闇は全ての物質・現象を殺す。だから、そして、――そう、最終的に闇は何を殺すかといえば、文字なのだ。文字がなければひとは何も表現できず、思考すら■■■■。文字が闇に陥れば、それこそ闇の侵攻は究極的に始まり、■■■■の■■は虫食い状態となり、文章を存続できない。■■■■、小説が全滅してしまうのだ。小説とは■■■の■■■■で、■■■だったはずだが、そもそも■■■■は文学として降臨している。闇と小説の融解は■■■■となる。それは恐るべき現象である。原稿用紙の枠組みはまず白紙であり、文字を記入することにより、■■■■■■なのだが、紙そのものをインク壺に抛れば、文字どころか■■■的世界も■■■■■。闇に溺れた登場人物と語り手、■■■作者も読者も■■■■■。表現された全ゆるものが画一的な存在となり、読者は読むことも■■■■■することもでき■■。■を■することは■■■の■なのだから「■■」は無限大■■単位であるともいえるが小説内■■■設定として■■■■は真実めいて■■■■■。■■■■■…………。涯もない地獄だが、■■■■破壊性■■■■は破壊し、■■■■■。――だが、私はそれでいいと■■■■■。小説の文字脱却という■■■■■■で小説が非小説となる■■■■ではなく、あくまでも小説が小説のまま■■■■できる■■■フェーズではないか、と私はそう思う。闇の切っ先が文字に■■■、■■に灼かれて、■■■■破れて、守れなくとも、■■■■■■■■■。充満される黒一色が訪れる黙示録■■■■■■■はまるで血まみれの■■■。ここまでくれば小説的光条を摑んでも無駄で、■■■■■、傷を抉るだけだろう。感想や批評も「無」となり、■■■■■■文字本来の意味も喪い、■■■■■■■■■完成する。脱色されたプロットも■■■の構想も■■■■・■■■■■の■■断面図でしかない。乱丁・落丁では■■■■■、それが書くという行為となり、乖離した■■■■■■■神話と化す。静かに染み込む■■■■■■■音楽的■■■■■■。小説は死んだ。さりとて、■■■■■としての小説は生き残り、抽象的■■■■■■■が網膜の先の■■■■■■、■■■脳髄で再構築され■■■■■■■、美しい。気だるい分裂■■■■■■■■■■表現方法の■■■確立され、簡素化される。文学の第一義的■■■■■■、第二義的■■■■■■■■、もちろん質量は無であるので、■■■■■■■■■、■■■■■■■■■。倒置・転倒した■■■■■■文脈と、■■■■■■■■■■■■文学的価値も■■■■■■される。浚渫と統合を繰り返して■■■■■■■■■■■■闇の詞■■■■■■■■流れて、品詞の■■■■、名詞、動詞、■■■、形容動詞、■■■■■■、死の■■■■■■■■ポストモダンのポストとして■■■■■■■波紋が■■■■、■■■■■■■■■■。夢と現実と文章といった三つの■■■■■■■■紡がれて■■■■■■■■■■■■織りなすのだ。このときを伝える描写を■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■。私は思うのだ。■■■■■■することはモノトーン■■■■■■、唯一の真実■■■■■■■■■■無意味・ノンセンス■■■■■■■■■■■■■■■■■■。奇怪な■■■分裂的■■■■、幾重にも■■■■■、やはり無とは■■■■脳内の■■■文章なのだ。小説の畢り■■■■■■■■■錯覚■■■■うわべの■■、■■■、■■■、が続き、■■■■■が続く。■■■■、メタ文章■■■■■■■■■これこそ小説の最終過程なのかもしれぬ。闇こそ小説界を救い滅ぼす■■■■■■■■■。文字とは■■■■■■■は聖画像■■■■■、されど■■■■■目を閉じて■■■■想像力■■■■■は叶う。待っているのは■■■■歌声。闇は■■■■■■次元上やはり■■■■■■読者までも飲み込み、■■■■■■■■■■■■■……堰を切って飲み込まれ、■■■■■■■■■■■■■■■■■■孤独■■■■■■■滴る■■■。■■■■■■■■■■■魔酔■■■■■■■■■■■■■■■■■消えていける■■■■■■■■■■■。闇は雪崩れて■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■。■■■■■■■、――されども■■■■■■■■■■■。■■■■■■開闢として働くべき■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■、哲学的湖水の中へ■■■■■■■■■■、骨格■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、永遠に■■■■■■■■■■■■■■。畏怖と■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■漆黒■■■■■■■■■■■■■。まずはじめに■■的油膜が■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■文学の残存する意味■■■■■■■■■■■■■■顆粒の文字■■■■■■■■■■■■■■■。だからこそ、■■■■■■■■■■■■あらがう正統文学■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■輻射する光■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■闇の子宮■■■■■孕み■■■■■■。■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■。■■■■■■■界面としての小説で■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■殆どひたすら■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■生きていた答えを■■■■■■■■下層としての読者の■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■言葉を束ね■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■――■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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■■■慊い■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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■■■■■■■■■■■■■■訣れの時、■■■■■■■■■
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