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第二話:お父さんと私、反抗期という名のテンプレート

第2話:お父さんと私、反抗期という名のテンプレート


友達と話していると、よく「親がウザい」とか「お父さんなんてキライ」という話題になる。最初は共感のふりをしていたけれど、正直なところ、私にはその感覚がよくわからない。


私には、いわゆる「反抗期」がなかった。


世間一般で言われるような、ドアを閉めて引きこもったり、暴言を吐いたりする時期。今からそれが来るのか、それとも私は一生経験しないのかは分からないけれど、少なくとも現時点では、お父さんを嫌いになる理由が見つからない。


お父さんは、忠史。四十四歳。


仕事は忙しそうだけど、家ではいつも穏やかで、私を「えっちゃん」と呼んで大切にしてくれる。


友達が父親のことをけちょんけちょんに言っているのを聞くと、少しだけ複雑な気分になる。あれは一種の「ネタ」なのか、それとも本気なのか。もし本気だとしたら、なんだかそのお父さんたちが可哀想に思えてしまう。


世の中のお父さんは、娘に対してはびっくりするくらい甘いと思う。


少なくとも、私のお父さんはそう。毎日頑張って働いて、家族を養ってくれている。そんな相手をわざわざ敵に回して、険悪な関係になるなんて、純粋にコスパが悪い。そんなふうに書くと「打算的だ」って言われるかもしれないけれど、仲良くしていたほうが、お互いにとって幸せで、平和じゃないかな。


だから私は、これからもお父さんと友好的な関係を続けていくつもり。


並んで歩くと、私と父の間にはかなりの身長差がある。見上げなければ視線すら合わない距離。性別も年齢も背景も違う。これだけ違うんだから、見える景色も違ければ、考え方が違うのも当たり前。


同じ空の下にいるのに、見えている高さが違う。だからこそ、お互いに見えない部分を補い合えるのかもしれない。……そんなふうに考えると、少しだけ背伸びをして歩くのも、案外悪くないと思えてくる。



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