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無駄な意地、おかゆに散る。
「……ただいま」玄関に鬼。
節子と美也子が仁王立ちだ。
手にはプロテインの領収書。
「これ、何?筋肉育てるの?」
節子の声は、閻魔より冷徹。
美也子がスマホを突きつけた。
「ハッシュタグ、無駄な意地」
動画には、震えて飲む二人が。
リビングで正座、無言の二人。
食卓には、胃に優しいおかゆ。
肉も辛味も、そこにはない。
「明日の朝は、青汁とバナナ」
妻の宣告に、力なく頷いた。
だが神宮寺が、おかゆに呟く。
「……剛田、どっちが早く食」
「乗った。負けたらゴミ出し」
妻の溜息が、夜の茶間に響く。
二人の無駄な意地は、不滅だ。
最後はおかゆを前にしても火花を散らす二人。
きっと明日も元気に(妻たちに内緒で)
何かを競い合っていることでしょう。




