裏世界の魔王幹部02
「ククッ…アンタ、こいつのお仲間か?」
「ま、そんな所だ」
「ア・・・アニー・・・・・・ポーション・・・を・・・くれ・・・・・・」
俺は内傷の痛みで弱々しくも荒い息を吐きながら、アニーの腰ポシェットを指さし回復ポーションをくれと訴えた。
「ポーション?お前持ってねえのか?」
「か・・・回復は宿に置いたまま・・・傷ふさぎは持ってたから傷は塞いだけどな・・・」
「お前よぉ・・・戦いに行くんなら回復ポーションも持っとかねえと、"ここ"じゃ死んじまうぞ〜?」
「戦いに行くつもりはなかったんだよ・・・・・・」
次からは回復ポーションも常備しとこう
ここは"裏世界"だ。
今の俺からして見れば、一撃で致命傷レベルの攻撃をしてくる敵はバンバン出てくるだろうし
今みたいに突如、超強敵とエンカウントする可能性だってあるし。
「しょうがねぇなぁ・・・」
アニーは腰のベルトポーチを開き中身を確認した。
数秒フリーズした後
改めて俺の方を見ると両手を顔の前で合わせ
「すまん!俺も回復ポーション持ってきとらんかった・・・」
「そ・・・ん・・・な・・・」
「悪いが…セフィーが来るまで我慢してくれ」
アニーは背負っている大斧を抜き出し直ぐ様両腕で構えて言い放った。
「コイツは俺が引き受ける」
もう限界ギリギリなんだが・・・まぁ…敵を引き受けてくれるなら…い…良いか……。
「アンタこの街の者じゃないな?」
「あぁ」
「何しに来た?」
「教えて何になる?」
「確かに…聞いてもわからんと思う…ッ!」
アニーは地を蹴り魔者に向かって飛翔する
大斧を魔者の頭目掛けて振り下ろすも片手の鉤爪でガードされたが持ち前の筋力で押し切った。
だが魔者はアニーの力を後ろに受け流すように回避し、アニーが振り下ろした斧が地面に刺さるとボコボコと周囲の地面に複数の亀裂が入った。
「(そういえば、さっきの子は・・・?)」
俺は周囲を見回して助けた男の子がまだ残っていないか確かめたが、その子の姿は目視では
「(た・・・多分逃げれたんだな・・・良かった・・・)」
ふと、安心すると俺の意識は霧のように薄れて行った・・・・・・・。
「お前は筋力値が特筆していると見える」
「あぁ、戦士だからな」
「見れば分かる。俺が出会った戦士の中でも少しばかり上に位置しそうだと思った…つまり…」
「少し、力を入れてやる」
「!?」
魔者が一瞬にしてアニーの目の前に接近し鉤爪で胸を貫こうとするもアニーが左手に付けたバックラーでガードした。だが・・・!
「(な…なんだ…?お…重い…??)」
アニーは鉤爪の突き攻撃をバックラーで防いだ瞬間に魔者の力が自分と同程度かそれ以上だと感じ取った。
「ふんっっ!!!!」
アニーは腕に掛ける筋力を上げて突き攻撃をバックラーで跳ね返した。
攻撃を跳ね返された魔者は後方に宙返りしてから地面に着地すると、顔を上げアニーに向けて告げた。
「言っておくが、この程度の力は我々にとっては””普通””だぞ?」
「へへ…そりゃあ楽しい戦いになりそうだ」
アニーは再び大斧を構えて魔者に向かって言い放つ
「それで全力だったら、物足りないと思ってたんだよ…!」
「ククッ、強がりを…」
両者己の武器を構える。
先行して動いたのはアニーだ。
アニーは地面が割れる程の脚力で跳躍すると
空中で身体を回転させ遠心力で威力が上がった斧の一撃を魔者に食らわせるも
魔者は鉤爪で防ぐもアニーが力で押し切り片手のごと鉤爪を切断した。
「へぇ…強がりでもないみたいだな…」
魔者は一瞬にして手を再生させ、カチャカチャと鉤爪を鳴らした。
「お前、今ので全力か?」
「いーや、全然?」
「ククッさっきの勇者は期待はずれだったが…お前は幾分かマシそうだ」
「リクはお前なんか簡単に超えるさ」
「ククッ死んでるのにどうやって俺を超える?」
「リクは生きてる、気を失ってるだけだ」
「…あ、そういえば奴にも言うつもりだったが忘れていた。死んでお仲間の勇者に会えたら伝えてやるといいさ」
魔者は鉤爪を長い舌で舐めてから己の名前を名乗った
「我が名は【ディエイデン】魔王様に仕える者だ」
「だからリクは…死んでないって」
「じゃあ、こう言い変えよう、”お前が死んだ後、俺がトドメを指して送ったお仲間に会えたら”これでどうだ?」
「そうか、じゃあ名乗って貰ったし、俺も名乗ろう。俺は【アニー】だ」
「覚えるに値する実力だったら覚えておこう」
「そして今の言葉そっくりそのままお前に返してやるぜ」
「ククッ…ほざいてろ」
「へへっ…」
2人は笑った直後ほぼ同時に地を蹴り攻撃を仕掛けた。
戦士の大斧と魔者の鉤爪が衝突し火花が散る…!




