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魔王討伐任務 #0


「これでギルドに正式登録出来るね!」


「はい、ノコ!早速手続きをしましょうノコね!」



な、何だか急に着々と話が進んでしまっている……!


「いや、待つんだ、ルド」


「え?」


「3人に聞きたいことがあるんだリクを登録すれば君達は当ギルドでパーティー任務を受ける資格を得られる、パーティー任務の中でも最高難度の任務が、魔王討伐だ。」


「勿論、受けますよ?魔王討伐」


「俺も、そのつもりだ。そもそも、その為に俺らは転移させられたんじゃなかったか?」


2人とも決断が早いって!ちょっとは考えようよ…!!


「リクを登録するのは良い。だけどね…魔王討伐のパーティー任務を与えるのは難しい、2人はともかくリクが戦闘に着いて行けず最悪魔王城に向かう森を抜ける途中で魔物に襲われ殺されてしまうだろう」



そ、そうですよね…!ギルド長!

まだ僕には早いですよね?だってまだLv55ですよ?

そもそも平均Lv80の世界なのに無理矢理Lv50以上で特別にOKという話がおかしな話であってー…。


「それならいざという時は私達が守りますよ、リクのこと」


「いんやー?嬢ちゃんには悪いが、今の”北側の森”へLv55で入るのはあまりにも危険だ。」


そうだそうだ!名前わかんないけどギアーヌの仲間らしき人!!


シーラは俺達の周りを歩きながら話を続ける。


「私もギアーヌ達から話を聞くまでは”魔王討伐”を君達にも受けて貰うつもりだったんだけどね?

どうやら、周辺に住む魔物達が何者かによって強化されているらしい」


「ああ……ありゃきっと……」


「魔王の信徒がその辺りに来ていたんじゃないか?そうだろう?ギアーヌ?」


「ええっ!?なんでわかったの!?まだ言ってないのに!?」


シーラの発言にギアーヌは仰天し、ちょっと椅子から飛び上がった。


「魔物達が強化されていたんだろう?そんな事が出来るのは…"魔王の信徒"級の魔者しかいないからね」


「さっっすがシーラさんだぜぇ……!あぁ、見るからに……って感じでした」


「あの""黒魔霧の濃さ""は……ギルド長の言う通り魔王の信徒に違いないでしょうね……」



「信徒がいたから私達は遠回りして行ったんです、討伐対象の生息地まで」


シーラはギアーヌ達の話を聞くと、テーブルの近くで足を止めた。


「それなら、俺達も遠回りして行けば良いんじゃないか?」


アニーが言うと、シーラは腰の小物入れからずっとはみ出て居た巻物を取り出して、結んでいる紐を解いた。


開かれた巻物の中身が目に見えた、地図が描かれている。


「そうも行かないんだ。これを見てくれ」


シーラはテーブルの上に開いた地図を置いた。


「ここが、ギルドで……」


シーラが地図を指さすと空中にギルドの建物が立体絵で写し出された。


地図のシーラが指を置いている場所に


【リムグリッド】


と書かれている。つまり、ここの地名だろう。


リムグリッドから見て南側には

俺達がこの世界に転移して最初に立った平地があり

リムグリッドと平地を森が逆ひょうたん状に囲っている。


「ここから北東へ真っ直ぐに森を抜けて行くと…隣町があって…」


シーラが地図上の場所を指で示しながら説明を続ける。


「ギアーヌ達が見た魔王派の信徒が居たのが多分ここで…北側と西側の森を抜けた先にはデモトロン族とデモピット族の住処があるんだ」


シーラが地図上の北西を指すと赤い目をした左右瞼の上に角を生やした巨人が写り

地図上の北を示すと黄色い目に背には小さな羽が生えたコウモリと人間のミックスの様な者が開いた地図の真上の空中に写った。


二族とも表世界でエンカウントした魔族の種族名と姿形の両方が一致している。



「つまり、魔王城へ向かうには北側と西側の二族のどちらかのテリトリーを通るか北東の隣町を通って行くか……」


「一番安全なのは隣町を通るルートだったんだが…今はリスクが高くなってしまった」


シーラは更に話を続ける。


「二族のテリトリーを通過して魔王城に進むルートで行くと…

まず、デモトロン族の村を通過する事は問題ないだろう」


「でも、デモトロン族も魔族だから敵対するんじゃ……」


しかも、表世界より更に数段強力な魔族と化しているんでしょ!?

むりむりむり!勝てない勝てない勝てない!!!


「はは!そりゃ初めは、その反応になるよな!わかるぜ兄弟」


青ざめている、ギアーヌは笑いながら言った。


「この世界のデモトロンは人語を喋りますし人間に友好的なんです」


ギアーヌの仲間が補足してくれた。


でも、今の所は……


「へ……へぇ……」


い……イメージ出来ない………


「そう、だから通る事は問題ない、問題はその先で……」


「デモトロン族の村の先は「マモノノ森」の危険魔物生息区域となり、S級討伐相当の魔物が生息してる上、体内に白魔霧を保有している人間なら即死の猛毒霧 狂霧が蔓延してて猛毒耐性魔法を使えなければ先に進めないんだ」


「残りはデモビット族のテリトリーを通り抜けるルートだ、彼らは魔王勢力だ、冒険者パーティーとは敵対関係であるがらこそ、正面から通ろうとすると確実に戦闘になるだろう」


「んなもん、ぶっ倒せばいいんじゃないか?」


そりゃぁ……あんた程の脳筋なら力技で解決出来るのかもしれませんですけれども・・・


「俺らもそう思ってたんよ?戦士の兄貴〜?

でもよぉ・・・」




「めちゃめちゃ強いんだよね〜裏世界(こっち)のデモピット」


「元いた世界のデモピットとは比べ物にならない強さでした・・・」


ギアーヌがアニーの一言に反応すると、続けて仲間2人が反応した。なるほど……こっちのデモピットと元いた世界のデモピットってワードが出てきたという事は、ギアーヌ達は俺らと同じ転移者なんだな。


確かに、あっちのデモピットは・・・


討伐階級=D級


推奨Lv.30


・・・と、低レベル冒険者が倒せる程度の強さだった。




「とはいえ、絶対に不可能という訳じゃない」


シーラは続けて話す。


「魔力察知能力が低いから”忍びの魔法”を使えば気づかれず抜けられるのさ、君達はこの方法で魔王城に向かったのだろう?」




「それがね、シーラちゃん、 デモビットも強化されてて最高ランクの”忍びの魔法”でも気づかれちゃうんだよね〜」



シーラがギアーヌ達に尋ねると仲間の少女が答えた。仲間の少女は続けて答える


「てか、森中の魔者と魔物が強化状態にあるんじゃな〜い?そんな臭いがしたんだよね〜」


森でアニーが倒した親玉アントローの死体をギアーヌ一行で最初に見つけていた、あの少女だ。



「そういえば、何で南の森に住み着いてたアントローでさえも強化されていたんだろう?もしかして信徒の影響で強化されてるとか?」


「いや信徒が居た森とアントローが住んでる森は距離離れてるし、その影響は考え難いんじゃねえか?」


「あーー、そう言えば〜あの時微かだけど南にいたアントローから魔王の信徒と同じ臭いがしたよ〜」

「えっ!?」

「マジで!?」

「そういう重要な情報は早めに共有しなさいって!!」

「だ…だって、聞かれなかったし…」

「嗅覚で空気中の魔素の種類を判別出来るのはコロックだけなんだからな?」

「あ、ゴメ〜ン…忘れてた〜」



「で、北側の強さはどの程度だった?」


コロック「うーん、ウチらでもちょっとは本気で連携取らないとムズいかも?って感じ〜まだ本気で戦ってないからなんとも言えないんだけどね〜〜」


「そもそも低難度の任務だったからね、装備もポーションも最低限しか持って行かなかったから途中で撤退したんだよ。あのまま派手な負傷するのは利益に見合ってない損失だからね」


「さすがジェラル賢明だね。」


ジェラル「私から言わせて貰うと、彼は確実にお荷物になる。アントローを倒せても直に魔王城に向かうとなればS級の魔物にデモピット族も居る。あの魔物達にLv50の人間抱えて戦えるとは思えないよ」



ギアーヌとお仲間の3人がコクコクと頷いた。

勿論、俺自身もお荷物になると思う!


コロック「だから、ギルドに登録した後は別のパーティー任務を受けた方が良いと思うよ〜」


「というワケだからアニーとセフィー。今のリクは魔王討伐に行けない。」

「・・・・・・・」

「ここまで言っても今からでも”魔王討伐”任務を受けるのかな?」


そうか、セフィーとアニーとはもうココでお別れか・・・ありがとう今まで!そしてさようなら!!俺は勇者じゃ無くなるけどソロの冒険者としてのんびりこの世界を歩むよ・・・。



「はい、受けます」


せっ……セフィーさん!?今の話聞いてましたーーーーーーーッ!!!???


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