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犬は犬でも

私の性癖ぶち込んでいきます。

うわこれは無理だ、と思われた方は即座にブラウザバックよろしくお願いします。



突然だけど、犬って可愛いよな。


シェパードや、ゴールデンレトリバー。

柴犬にパグにダックスなどなど。


姿形も性格も犬種や個々によって全然違う犬が俺は昔から大好きだった。



けどさ、いくら似てるからって、人間を犬扱いするのはどうかと思うんだ。



「おいポチ、サイダー持ってこい」

「はい鷹道さま!」


良い返事をした自称兄の犬(ポチ)さんは素早く5メートル先のサイダーを持ってきて、跪いて兄に渡した。


そんなポチさんに兄は、

「返事はワンだろ。この駄犬が」

チッと舌打ちをしながらサイダーを受け取ってポチさんのことを踏む。

きゃんっ!と犬の鳴き声のように鳴きながらも顔は嬉しそうに溶けているポチさんが気持ち悪い。そして周りでイイなぁと羨ましそうに観ている兄の犬達もだいぶ気持ち悪かった。




前言撤回しよう。これは主人と犬ごっこではない。

ただのSとMの茶番である。


* * *


俺の兄は小学生まではまだマトモだったはずだ。

少なくとも俺の記憶ではそうだったはずである。


劇的に変化してしまったのは兄の中学の入学式のことである。

その日も兄と一緒に登校していた俺は(小中一貫校だった)、兄である鷹道と昨日出会ったチワワについて話していた。

和やかに進む会話の中、そいつらはいきなり兄の目の前にやってきた。


「お前、狗神鷹道(いぬがみたかみち)だな」

「よくも昨日は仲間を……っ!!!」


ドガッ!!


は???


多分その瞬間、俺と彼等の思考はシンクロしたと思う。

話し出した不良っぽい男を最後まで話すのを待たずに兄が真正面から顔面に拳を叩きつけたのだ。


不良達も?となっていたがそれ以上に今まで穏やかな兄しか見てこなかった俺は白昼夢を見ているのかと自分の目を2回擦った。

けど、自分の兄が人を殴ったという事実は変わらなく、殴られた相手は鼻血を出して意識を失っていて、そして、不良達は怒り狂った。


そこからの乱闘は、兄の圧勝としか言えないくらいの凄絶さだった。

今よりも血に耐性がなかった俺は、不良達が気絶した後も殴り続けている兄をみて、気持ち悪くなって吐いた。

それを見てやっと俺がいたことを思い出した兄は、とりあえず小学校に向かって保健室に俺を寝かせ、「絶対に何も喋るな、大人しく寝てろ」という命令を出して俺が頷くのをみるや否や入学式へ向かって行った。


嵐のような出来事にぼんやりとしていた頭が、何が起こったのかちょっとずつ理解しつつも(兄ちゃんってドーベルマンだと思ってたけどボルゾイだったのかな…)なんてアホなことを考えて現実逃避をしていた。


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― 新着の感想 ―
[一言] マグロさんの小説、初めて読ませて貰ったのですが、めちゃくちゃ好きです!! え! ちょッ!! 続きが気になりすぎて、通勤中に「続きぃぃい!!」って脳内祈願しちゃいましたwww
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