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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
五章 三変人
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【85】ポポロ逃走




 ストーンズ兵達がストラディアヘルバードを撃退すると、町は静けさを取り戻していた。ブラックとスパイダーは不安な気持ちのままベッドへ戻るとそこへエヴァンスが帰ってきた。


 エヴァンスは部屋へ入るなり


「よし! 作戦が出来たから今から打ち合わせだ。ポポロ、ブラック、スパイダー。起きろよ。」


そう言うと、ブラックとスパイダーは渋々起き上がりエヴァンスの方を見た。するとエヴァンスは二人の方を見た後にポポロのベッドを見るとポポロが居ない。エヴァンスはポポロのベッドへ近付くと1枚の書き置きが有り


『お腹が痛くなったので帰ります。 ポポロ=マングースカ』


と書いていた。エヴァンスはその書き置きを丸めてブラックへ投げ付け


「あの野郎! 堂々とサボりやがった! 」


と叫んだ。ブラックは丸めた紙を広げて見て、手を上げて


「エヴァンスさん。ポポロさんも居ない訳だし、今回は中止と言う事で。」


そう言うとエヴァンスは腕組みをして少し考えて、ブラックを見ると大量のマジックポーションを取り出してニヤリと笑みを浮かべて


「いいや。やるよ。」


と言った。ブラックはポポロの代わりに自分が扱き使われる事を悟り悲しい顔をした。エヴァンスはそんな事は気にせずに作戦を説明した。


「先ずは俺が市場で買ってきた大量の肉を人の形に固めて町の外へと配置する。そしてブラックの多重召喚で空を飛ぶ召喚獣と、足の速い召喚獣を召喚してもらう。スパイダーは足の速い召喚獣に乗ってストラディアヘルバードを肉の所まで誘き寄せてくれ。そして俺は下へと降りたストラディアヘルバードの背中へと爆弾を落とす。」


「わっ、私が囮ですか!? エヴァンス君。」


「スパイダーさんすまない。人手が足りないんだ。ストラディアヘルバードが肉へ食らいついたら、そのまま町の中へ逃げてくれ。そして俺が今まで攻撃を受けたことの無い背中へ爆弾を落として、倒れなかったらブラックは更に巨大な召喚獣を2体召喚してそう攻撃を仕掛けてくれ。」


「多重召喚なら、おいらは10体までいけるから良いですよ。」


「この町は石は売ってくれないが、爆弾なら買えた。ブラックが召喚獣で攻撃を長引かせてくれたら俺は更に爆弾を使って攻撃を繰り返すから。」


そう話しているうちに、なんだかブラックもスパイダーもその作戦が上手くいくような気がしてきた。


「それじゃ準備を始めるか。」


エヴァンスはそう言うと宿屋の店主に荷台車を借りて外に置いていた肉人形を4体荷台に乗せた。そしてブラックとスパイダーが降りてくると3人で荷台車を押しながら市場へと向かった。


 エヴァンスは市場へ着くと武器を扱う店へと行き、そこで大量に爆弾を購入した。そしてそれを荷台に乗せると3人で荷台車を押しながら町の外へと向かって行った。道で擦れ違う兵達はそんなエヴァンス達を指差して


「あんな荷台車と弱そうな3人だけで何が出来るんだよ。」


と笑っていたが、エヴァンスは気にもせずに荷台車を押して町の外へと出て行った。そして町から離れた広場で木の棒を地面に刺すと、それに肉人形を括り付けて立たせ、それを4体作った。そしてそこで一度、水を飲みながら休憩を取りもう一度作戦を確認した。もし作戦が失敗したなら即座に町へ避難する事も確認し、ブラックも戦いに向けて準備運動をしていた。


 そして一時休むとブラックは立ち上り、召喚獣『ソリッドチーター』と『シルバードラゴン』を召喚した。エヴァンスは鞄に大量の爆弾を入れるとシルバードラゴンの背に乗り、ソリッドチーターにはスパイダーとブラックが乗り作戦を開始した。シルバードラゴンは上空へ飛び上がり、ブラックとスパイダーの乗ったソリッドチーターはストラディアヘルバードの住む山へと向かった。

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