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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
五章 三変人
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【84】ストラディアアイランド昔話




 長年に渡り倒される事無くストーンズの町を襲い続けるストラディアヘルバードであったが、架空ではあろう神話にストラディアヘルバードの様な巨大な鳥がストラディアアイランドを襲い、それを退治した女神の話しが載っていた。



※※※※※※※




 アルスガルディアのとある島には女神が居り、その女神ストラディアはとても美しく多くの神々から求婚を受けていた。しかしどの神の求婚にも女神ストラディアは応じずに冷たい返事を向けていると、その中の地獄の鬼神であるヘルドロスが居た。


 ヘルドロスは女神ストラディアの冷たい態度に腹を立て、地獄から巨大な怪鳥を呼び寄せた。嫉妬から女神ストラディアへ近付く者を食い尽くす様に命令を下し、女神ストラディアの周りの人々は全て巨大な怪鳥に食べられてしまった。


 独りぼっちに為ってしまった女神ストラディアは寂しくて毎日泣いていると、島へ一人の男が現れた。その男は石の神と名乗り、海岸の岩肌の様なとても醜い顔をしていた。その為に地獄の鬼神ヘルドロスは『この様に醜い石の神ならストラディアを取られる心配は無い。』と石の神を相手にしなかった。


 しかし石の神は醜い顔をしていたが優しい心を持ち、毎日泣いているストラディアを心配して世界の事を話したり、珍しい花を摘んでは持ってきたりたとストラディアを楽しませた。そんな石の神の優しさに段々とストラディアは惹かれていった。


 それに気付いたヘルドロスは怒り狂い巨大な怪鳥へ石の神とストラディアを食べてしまえと命令した。


 石の神とストラディアいつもの様に話しを楽しんでいると、ヘルドロスへ命じられた怪鳥は二人を飲み込みに現れた。石の神はストラディアを守る為に怪鳥の前に立ちはだかり戦った。しかし石の神の奮闘も虚しく怪鳥へと飲み込まれてしまった。


 石の神を飲み込んだ怪鳥は次にストラディアを鋭く赤い目で狙いを定めた。そして勢い良くストラディアへと飛び掛かると怪鳥はストラディアの目の前で泡を吹いて倒れた。ストラディアは震えながら怪鳥を見ていると、何と口の中から石の神が生きて戻って来たのである。


 石の神は怪鳥のお腹の中で暴れて、怪鳥を退治してしまったのである。女神ストラディアは石の神を大切な人だと気付いて二人は島で永遠の愛を誓い、ずっと孤独だったストラディアにはたくさんの子供が出来た。そして怪鳥の居なくなった島にはたくさんの人々が訪れ、石の神と女神ストラディアは幸せに暮し、その島がストラディアアイランドとなった。



※※※※※※※



「ふーん。よくある昔話だな。」


そう言ってエヴァンスはその本を閉じるとそのまま寝てしまった。


◻️◼️◻️◼️



 翌朝、エヴァンス達は激しいサイレンの音で目を覚ました。エヴァンスが窓を開けると外にはまた巨大なストラディアヘルバードが羽ばたいていた。それを見たエヴァンスは急いで外へと出て行った。


 残されたブラックとスパイダーは、外でのストーンズ兵の砲撃を見ながら


「あんな激しい攻撃で傷一つ付かない化け物をどうやって倒すんですかね? おいらにゃ考え付きませんよ。」


「しかしエヴァンス君はどうしても、この島の石が欲しい筈だ。何か考えがあるのではないか? 」


そう話していると、前回よりもストラディアヘルバードは長い時間暴れて、兵士達は次々と魔石の砲弾を放った。動き回るストラディアヘルバードに砲弾はなかなか当たらずにいたが、当たって炸裂してもなかなかダメージを与える事は出来なかった。


 体長が1キロメートルも有り、その上空を飛び、更に頑丈な羽で守られている。そんな化け物を本当に倒せるのか? とブラックとスパイダーは固唾を呑みながら考えていると、またも閃光弾の輝きで兵士達は怪鳥を追い払った。




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