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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
五章 三変人
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【78】モンパカ交易社の朝礼




 モンパカ交易社のメンバーとスペーディー達の酒宴は盛り上がり、その話しの中ではワルキュリアの話題もあった。フロイツのアルスガルディア変人偉人伝には世界最強の女戦士『滅獄のワルキュリア』の事も記されており、スペーディーとハートゥはワルキュリアにたくさんの質問を投げ掛けていた。


「滅獄のワルキュリアなんて呼ばれているから怖い人かと思ったけど、実際のワルキュリアって凄く綺麗な人なんですね。」


そうハートゥが言うと、ワルキュリアは恥ずかしそうに


「その様な事はありませんよ。」


と謙遜していた。そして真夜中になりそんな宴会も終わりを迎え、皆が楽しい思いを残して眠りに着いた。



▽▲▽▲



 朝になるとエヴァンスは金庫屋で皆が集まるのを待っていた。エヴァンスよりも早くに来ていたローバインが淹れたコーヒーを飲みながら七輪で焼いたパンを噛り、ローバインと打ち合わせをした。戦艦の輸送力や国単位の交易の成果もありモンパカ交易社はかなりな利益を持っており、その上でドラゴニアの丘の牧場へ大きな倉庫を建設して輸送を効率的に行える様にもなっていた。


 そしてポツポツと従業員達が集まり、スパイダーやスペーディー達も金庫屋へと集まった。そしてエヴァンスは皆の前に立ち


「おはようさん。モンパカ交易社の仲間達よ。昨日ある程度の人間には紹介したが、俺が北の大陸で新たに見付けた仲間を紹介する。先ずはスパイダー=ジョナサンこっちに。」


そう言うとスパイダーがエヴァンスの横へ立ち会釈をした。


「このスパイダー=ジョナサンと共に新しく通信事業と言うもの展開していこうと思う。そしてスパイダーにはその開発リーダーとして頑張って貰おうと思う。それにはブラック=パピヨン。お前がサポートに就いてくれ。そしてスペーディー、ダイヤン、ハートゥ、クラビィこっちへ。」


そう呼ぶとスペーディー達もエヴァンスの横に来て居心地悪そうに会釈をするとエヴァンスは続けて


「彼らは北の大陸で知り合った新しい仲間だ。彼らは世界と人物の知識に精通している上になかなか腕も立つ。そしてこの南の大陸では調査活動に当たってもらう。あまり会わないかも知れないが一応モンパカ交易社の従業員だから覚えていてくれ。」


そう説明するとエヴァンスは続けて


「それから、ライムとサファイアにポンドゥロア方面の輸送を任せて、護衛にはワルキュリアに就いてもらう。ポポロは俺とスパイダーとブラックと共に新規事業の手伝いを頼む。業務報告は以上だ。」


そう言って朝礼を終えて、各々が自分の仕事への準備に取り掛かった。そしてイノーグからの提案で従業員の拡充を提案されたのでエヴァンスはそれを了承して新規事業への準備に入った。


 ポポロはトコトコとエヴァンスの横へ歩み寄り小声で


「こっちの護衛にワルキュリア就けた方が良いんじゃないの? ブラックだけじゃ不安でしょ。」


「バーカ、リシュタインに会える様にしてやってんだよ。」


そう話していると、エヴァンスの下へスペーディーが駆け寄り息を切らして


「エヴァンスさん。僕らは何をすれば良いんだよ? 調査なんて言われても何をやっていいのか解んないよ。」


「ああ、手を出して。」


エヴァンスはそう答えると、スペーディーの手に金貨4枚を渡して


「色々助けてくれたお礼だよ。俺達が新規事業を手掛けている間は南の大陸を好きに旅してくれ。終わったら一緒にオーヴ=カーターとサクジュ=ヨシノ、それとツラユキを捜しに行こうぜ。そして出来れば北のゲンシュタット帝国について調べてくれると助かる。じゃあな。」


そう好き勝手言うと笑ってスパイダー達とモンパカ車へ乗り込み出掛けていき、スペーディー達はとりあえず南の大陸の旅を楽しむ事にした。




 

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