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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
三章、モンパカ交易社拡充
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【57】怒りのサファイア




 怒ってサティーナ教徒を殴り飛ばしたサファイアを見てライムは


「日頃大人しくて移動魔法しか使えないサファイアは、怒るとお爺様譲りの腕力を発揮するんだよ。それに移動魔法が加わったら手が付けられないんだから。」


そう言うと、サファイアは次の黒ずくめの男へと瞬時に移動して


「これはモンパカちゃんを怯えさせた罰。」


そう言ってまたもボディブローで遠くへ吹き飛ばし、また次の黒ずくめの所へ飛び


「そしてこれはモンパカちゃんを怯えさせた罰。」


とボディブローを放ち、また黒ずくめの男の傍に飛び


「そしてこれもモンパカちゃんを怯えさせた罰。」


そう言って吹き飛ばすと、最後はサロメチアだけになった。それを見ていたライムは


「結局全部モンパカちゃんを怯えさせた罰じゃないか! 」


と突っ込んだ。それが聞こえたのかサファイアは少し恥ずかしそうな顔をして


「これはモンパカちゃんが怯えた罰よ! 」


と少しだけ言い方を変えて、両の拳に風魔法を込めて巨大な竜巻を拳から放ちサロメチアは風に捲き込まれてズタズタになりながら空へと消えて行った。ライムはそんなサファイアを見て


「あっ、言い方少し変えた。」


と呟いた。サティーナ教徒達は跡形も無く居なくなり、草むらに残った氷炎をライムは炎の魔法で一つずつ消して氷炎を全て片付けた。するとモンパカ達は興奮して


「ぷにーぷにー。」


と鳴き始めてポッコポッコ跳び跳ね、モコモコとしている。サファイアはそれを見ると喜んでモンパカの柵へと近付いて集まって来たモンパカへ抱き付いて


「恐かったねーモンパカちゃん。」


そう言うと、ライムは


「サファイアが1番恐い気がするけど。まあいいや。」


と、そう言ってライムはサファイアを見守った。そして一頻りモンパカ達とじゃれあうと、ライムとサファイアは避難した風の民のコテージへ行くと、風の民達は無傷で笑いながら戻って来た二人に驚きながら


「ありがとう。あなた達ってとっても強いのね。」


「さすが寵愛者(ネザー)だ我々とは魔力が違い過ぎる。本当に助かった。ありがとう。」


ココロとリアンは二人に感謝の言葉を言うと、二人を抱き締めた。


 そしてサティーナ教徒を撃退した風の民の集落は無事平穏を取り戻し、各々が自分達のコテージへと戻り朝を迎えた。朝は何事も無かったかの様に綺麗な朝日が昇り、風の民達は広場へ集まり朝食の準備を始めた。眠たそうに起きてきたライムとサファイアの下に風の民の子供達が集まり感謝を述べると、その内に大人達や老人も集まり同じく感謝を述べた。ライムとサファイアは恥ずかしそうに


「お世話にっなっているので当然のことをしたまでです。」


と言って謙遜すると、風の民達の朝食が始まった。その様な出来事からライムとサファイアは風の民達との距離を縮めて仲良くなり、ライムとサファイアが魔法のコツを教えると風の民達は二人にモンパカの乗り方を教えたりと、互いに歩み寄って行った。


 そしてモンパカの世話をするライムとサファイアに子供達や若者が集まり、ライムとサファイアの出身地の話しや、ポンドゥロア公国の話しをした。それから何で風の民の集落へ来たのかと質問攻めに合い、少し照れ臭くも風の民と仲良くなれた事に二人は喜んだ。


 そんな姿を見てリアンは農作業の手を少し休めて


「本当に子供って無邪気で可愛いな。」


そう呟くとココロと目を見合せて微笑み合った。そして二人は目を閉じて両手を合わせてライムとサファイアに向けて


「風の神の御加護を。」


と祈りを捧げた。そんな中で無邪気に笑い合い風の民の子供達とライムとサファイアは忘れられない時間を共に過ごし、モンパカもそんなライムとサファイアになついてエヴァンスの依頼を気付いたらクリアしていた二人であった。






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