【48】ブルームーン奥義
ブルームーンは王の杖を持ち天へ掲げると魔力を放ち雷が四方へ飛び散った。しかしその雷はゾンビ兵には当たらずに
「ブルームーン=ジントリア最終奥義」
『まご集合! 』
と叫んだ。しかし何も起こらずに、言っている意味も解らないので周りの皆は不安で仕方なかった。所が1分もせずにブルームーンの周囲へブルームーン孫が移動魔法で集まってきた。そしてブルームーンは腕組みをして
「我が孫達1000人よ! このゾンビ兵を殲滅せい! 」
「はい! ブルームーンお爺様! 」
そう叫ぶとブルームーンの1000人の孫達は一斉に様々な攻撃魔法を放ち一瞬にしてゾンビ兵達を消滅させた。流石のエヴァンスもこれには驚き
「おいおい、孫を1000人召喚だなんてバカげてるよ。しかも孫が1000人って自由過ぎるだろ。」
そう呟くと、ブルームーンはエヴァンスへ自慢気に
「ほら見ろ世界一自由なのは儂だろ? 」
と言うので
「今に見てろよブルーの爺さんめ。」
とエヴァンスは悔しがった。ブルームーンはその調子で振り返ると一瞬でスクリューの下へ走ると剣を叩き落として腰を掴み、スクリューの尻を激しく叩いた。
「このバカもんが! 王位は国民有ってのものぞ。それを理解もせずに戦争で奪おうとするわ、魔王軍と手を結ぶわ、バカもん! 」
そう言うと、もう一度スクリューの尻を激しく叩いた。そして
「コイツは儂の小間使いにして根性を鍛え直してやる。おい。さっき戦場で恋人捕まえた色男! こっちに来い! 」
そのブルームーンの言葉に慌ててリシュタインは、ブルームーンに駆け寄り膝を着いた。するとブルームーンは
「その様に畏まらんでいい。お主の名は何と言う? 」
「はっ! 私はビアダル=エールリル公爵様の側近、リシュタイン=リーベルと申します! 」
「そうか、じゃあこのウォルスカ領を儂の権限でこのリシュタイン=リーベルを領主としてリーベル領とする。賛成の者は拍手で称えよ。」
そうブルームーンが言うと、各々が激しく拍手を鳴らした。こうしてリシュタインは温かく新しい公爵として迎えられた。リシュタインは彼女も出来、領主にも成るわで幸せ絶頂であった。そしてブルームーンは柏手を打つと
「よし! ポンドゥロア公国も元に戻り、このリシュタイン=リーベル公も幸せの極み。アレやろうぜアレ。」
「アレと申しますと? 」
アレキサンダーがブルームーンの言葉に応じると、横からビアダルがアレキサンダーの肩をポンと叩き
「めでたい時にアレと言ったら『ポンドゥロア五酒豊祭』だろ。よーし! リシュタインよ...... 。おおいかんいかん、リシュタインはリーベル領公爵であった。リシュタインが居ないと不便だな。」
そう言って大笑いすると、ブルームーンが
「おお! 流石ビアダル。それじゃ『五酒豊祭』だ! このポンドゥロア王ブルームーン=ジントリア王の令に従い今より『五酒豊祭』の準備を開始せよ! 」
その号令に兵士達も公爵達もエヴァンス達も声を揃えて大きな声で
「オーーーーー!!!!!!」
と雄叫びを挙げこのポンドゥロア大戦は幕を閉じたのであった。
そしてブルームーンはエヴァンスに空飛ぶ戦艦に乗せてくれと頼み、エヴァンスはそれをニヤニヤとしながら承諾した。こうしてウォルスカ城はリーベル城となり、領主となったリシュタインと、その恋人となったワルキュリアを残して全員を空飛ぶ戦艦に乗せて各領へ公爵達と兵士達を送り届けた。エヴァンスとブルームーンは二人で戦艦からの景色を酒の肴に飲み、エヴァンスとポポロはジントリア城へと招かれた。
ブルームーンと共にジントリア城へ着いたエヴァンスとポポロは城へと通され、そのお世話はブルームーンの孫達が行ってくれた。そしてブルームーンとエヴァンスは酒を酌み交わして朝までバカ笑いをして過ごした。




