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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
二章 -2ポンドゥロア大戦
52/109

【52】裸の王様




 急な静けさを見せる戦場を不思議に思いアレキサンダーは注意して見渡すと。固まった戦場の中を一人悠々と走る騎馬があった。アレキサンダーは望遠鏡を手に取り覗くと驚き


「ポポロ殿、船を降ろしてください。」


「良いけどどうしたのよ。」


「もう終わったのです。」


そう言ってポポロに礼をした。ポポロはその言葉に戦艦を着陸させるとその一騎の騎馬は戦艦へ近寄って来た。ポポロはモンパカ車の準備をするとアレキサンダーは荷台へ乗り込むと、エヴァンスも


「何だよ面白そうだな。」


そう言ってアレキサンダーへ続き荷台へと乗り込むと兵士達も次々と荷台へ飛び乗り、ポポロはモンパカ車で戦艦の下へと降りた。するとそこには全裸で筋骨隆々の白髪の老人が立っていた。エヴァンスは荷台から飛び降りて老人に近付くと


「おー! ブルー。こんな所で一人で何やってんだよ。裸で。」


そう言って胸板を叩いた。この老人はエヴァンスが夜中にゾンビ兵から逃げたのを助けた『ブルー』であった。しかしアレキサンダーと兵士は慌ててブルーの側で膝を着いて


「ポンドゥロア公国王ブルームーン=ジントリア様。行方不明から3年、御健勝にあり感銘致しております。」


そう挨拶をするとブルーは


「お前等固っ苦しいぞ。もっと自由にせい。これから儂は自由を見せびらかす為に裸で落城にチャレンジしとるんじゃから。それにしても空飛ぶ戦艦とは、やるなエヴァンス。」


そう言って肩を叩くとエヴァンスは


「裸で落城なら、こないだ俺がバスキリア城でやったぜ。」


と勝ち誇った顔を見せた。するとブルーはなんとも悲しそうな顔をして馬の後ろに乗せた服を着始め


「何だよ。せっかく初めての事やってエヴァンスに自慢してやろうと思ったのに。」


そう言って落ち込んでいた。その姿を見たアレキサンダーは


「さては、先程ジントリア城を解放していたのはブルームーン=ジントリア様ですね? 流石と言う他ありません。ウォルスカ爆鬼三将も居たと言うのに。」


そう言うとブルームーンは髭を擦りながら


「そんなもんは朝飯前じゃい。」


と少し嬉しそうにした。そうして居るとそこに、ビアダルとロブロイも現れ膝間付いた。しかしブルームーンは


「良いからお主等立てよ。これからスクリューの馬鹿を説教しにいくぞ。」


そう言って、皆を引き連れてウォルスカ城へ徒歩で向かった。ウォルスカ城へ着くと門から手を繋いだリシュタインとワルキュリアが二人でニコニコとしながら出て来たので、エヴァンスとビアダルは驚き


「お、お前達...... 。」


と言うと、ワルキュリアとリシュタインは皆に


「あの私達、先程交際することと成りましたので、皆さんにご報告をと思いまして。」


そう言い出すので、エヴァンスとビアダルは呆気に取られ言葉を失っていると横からブルームーンがワルキュリアとリシュタインの前に立ち


「戦場で交際開始とは何と自由だ。二人をこのブルームーンが祝福しようぞ。」


そう笑って言うと、ワルキュリア達の後ろからウォルスカ城城主スクリュー=ウォルスカが現れた。アレキサンダーはそのスクリューへ


「3年不明で有ったブルームーン=ジントリア王がお戻りになった。それによりポンドゥロア公国王位選挙は無効となる。そしてポンドゥロア公国への謀叛の罪により大人しく投降されよ。スクリュー=ウォルスカ。」


そう言うとスクリューは剣を取り


「ならばブルームーン王を亡き者にするまでよ。出よ魔王軍よ! 」


そう叫ぶと暗雲立ち込めて太陽を遮り、地中からゾンビ兵が現れ、ポンドゥロア連合とブルームーンを取り囲んだ。その数はポンドゥロア連合の10倍もの数に及び、各々が剣や弓を構えてゾンビ兵を返討たんと心身共に戦闘体制に入った。そんなポンドゥロア連合へスクリューは空に響くほどの笑い声を挙げて剣を向け、その場に戦慄が走った。





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