表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
二章 -2ポンドゥロア大戦
50/109

【45】リシュタインの告白




 ビアダル=エールリルの号令により、兵士達は雄叫びを挙げ戦闘の陣に入りウォルスカ城を目指した。アレキサンダーはエヴァンスと共に戦艦へと乗り、兵士達と戦闘の準備に取り掛かった。


 そしてビアダルとロブロイは騎兵を連れてウォルスカ城へと突撃を開始し、決戦は陸戦により開始した。ビアダルが騎兵隊で門へ向かうと、ロブロイが騎乗弓隊のハイボールへ指示を出すと騎乗弓隊は魔昌石の矢を放ち、無数の魔昌石の矢が門前の魔法障壁へと放たれた。一度目の攻撃で魔法障壁へヒビを入れると、ハイボール率いる騎乗弓隊は二発目の射撃を行った。


 門前の魔法障壁は砕け、通路を確保してビアダル率いる騎兵槍部隊が門へと一直線に向かうと、ウォルスカ騎兵も迎え討ってきた。そこへウォルスカ城からは砲撃も行われビアダルは


「砲撃をかわしつつ、門へと向かえ! 」


と指示を出しながら、ウォルスカ騎兵を剣で斬り倒して行った。しかし敵方本拠地と言う事も有り次々と現れるウォルスカ騎兵にビアダル率いる騎兵槍部隊は足止めを余儀無くされた。


 ロブロイはそれに気付くと騎乗弓隊へ援護の指示を出し、自らの騎兵隊で戦い止まるビアダルとウォルスカ騎兵の間を抜けて門へと向かう指示を出した。その作戦は功を奏し門付近まで一気に近付く事になったが、門前で重装歩兵が壁となりウォルスカ軍はポンドゥロア連合軍を塞き止めた。


 しかしそこへ、リシュタインとワルキュリアが駆け付け重装歩兵を蹴散らし門を開ける事に成功し、ウォルスカ城敷地内へと突入した。


 そこでワルキュリアとリシュタインを待ち構えて居たのは、ワルキュリアの兄でヴァンパイアと成ったカイエル=ドラクルスであった。カイエルは剣を抜き二人に対して構えを見せた。ワルキュリアは眉間にシワを寄せ


「兄さん。貴方では私には勝てません。退いてください。」


そう言いながら剣を構えると、リシュタインがワルキュリアを遮り


「ワルキュリアさん。貴女はこの魔法障壁を破壊に向かってください。ここは私が引き受けます。」


「しかしリシュタイン殿...... 。」


「良いんですよ。惚れた手前ここはカッコ付けさせてください。」


リシュタインはそう言って微笑みながら剣を構えた。最強故に今まで守られた事の無かったワルキュリアで有ったが、兄と戦う状況に不安である気持ちに、リシュタインの言葉は嬉しい物であった。そして生まれて初めての『惚れた』との言葉にワルキュリアは顔を赤く染めながら


「それではリシュタイン殿、貴方のくれた幸せな気持ちに私は従います。」


そう言って城内へと向かった。そして逆にリシュタインもワルキュリアの言葉に


(えっ? 何ワルキュリアさんの今の幸せな気持ちに従うって。私の告白はOKって事ですか? うわっ、戦場なのに私めっちゃ幸せですよ。)


そんな事を考えると、強敵カイエル=ドラクルスを前にしてもリシュタインは幸せな気持ちが溢れ、それは闘気と混ざり何やら人智を越えた力と成り激しく溢れるオーラと成った。そして目の前のカイエル=ドラクルスへ


「お兄さん! ワルキュリアさんの事はこのリシュタイン=リーベルが必ず幸せにします! 」


そう言って目をハートにしながら斬り掛かった。流石にカイエルもこの状況を理解できずに、リシュタインの剣撃を剣で受け止めながら


「き、貴様は何を言ってるんだ。そして何で交際の報告と同時に斬り掛かる? 」


そう言って鍔迫り合いをすると、リシュタインは


「お兄さんはワルキュリアさんの肉親。そして今交際が決まったのでご報告をと思いまして。」


「それは何となく理解した。しかし何故そのタイミングで斬り掛かる? 」


「いや、一応私はポンドゥロア連合でお兄さんはウォルスカ軍て事で敵ですし。」


そう言いながら二人は切り離れて間合いを取りながら剣を構えた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ