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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
二章 -2ポンドゥロア大戦
45/109

【40】ライバル?謎のモテモテ老人ブルー登場




 一緒に飲んでいた兵士が寝てしまいエヴァンスは退屈になり下へと戻ろうと思い立ち上がった。そして


「ほんとゾンビ兵だなんて迷惑な話しだよ。人間の自由を脅かすだなんて舐めてるよ。貴様等に本当の自由を教えてやりたいもんだね。」


そう言って瓶の酒を飲み、服を脱いで全裸になると塀の上に立ち


「死ぬ事すら奪われた不自由な魔王軍よ! 俺様の自由でも拝みやがれ! 」


そう叫んで踊り始めると、案の定エヴァンスは足を滑らせて下へと落下した。下には藁が集められており、それがクッションとなり怪我は無かったもののエヴァンスは要塞の外へと転がり飛び出て行った。


 エヴァンスが転がり終えて目を開けると、要塞を囲んで居た無数のゾンビ兵がワラワラと集まって来て周りを囲まれてしまった。エヴァンスは自分の陥った絶体絶命の事態に冷や汗を滴ながら


「いやいや無理ゲーだしー! 」


と叫びながら、ゾンビ兵の隙間を掻い潜りダッシュで逃げ始めた。ゾンビ兵はエヴァンスの動きに反応して追いかけて来、思いの外素早い動きで走った。


「何でゾンビが足はえーんだよ! ワルキュリアー! リシュタインー! 助けてくれー! 」


そう叫ぶがエヴァンスは要塞と反対方向へ逃げ出しており、最早要塞の見えない位置まで来ていた。気付けば草原を抜けて森へ入り、そこでは更に蝙蝠や狼も追いかけ始め、ゾンビ兵の数も数百人に上り物凄い数の軍団となっている。エヴァンスは必死に森を数時間駆け抜け、山岳から流れる川原へと辿り付いた。


 そこではキャンプを張り焚き火を囲む大柄の老人と若い娘が数人居り、エヴァンスはその場へ辿り着くと


「これからこっちに大勢の魔物とゾンビ兵が来るから、爺さん達も逃げな。」


そう説明すると、その大柄の老人は白い髭を擦りながら


「魔物なんかはどうでも良いとして、お前さんは何で裸なんだ? 」


「俺は自由を愛している。だから裸になるのも自由だ。」


エヴァンスは老人の問いに答えると。老人の周りに居る四人の若い女性達がキャーキャー言いながらエヴァンスの下半身をマジマジと見ている。それに気付いた老人は


「それなら(わし)の方が自由だ。」


そう言って立ち上り。服を全部脱いで、老人とは思えない筋肉質で艶々とした、水をも弾きそうな身体をポーズを取って見せ付けた。エヴァンスは


「俺は全裸でこの森を駆け抜けてくる程自由なんだ。俺の方が自由だ! 」


そう言うと、老人は脱いだ服を着て


「ふん。儂には脱ぐ自由も、服を着る自由も有る。儂が世界一自由な男『ブルー』様じゃ。ほら、悔しかったら服を着てみろ? 服も持っていない不自由な若者よ。」


そうからかって言い返し、勝ち誇った顔をすると周りの女達は


「キャー! 流石ブルー様!カッコいいわー! 」


とブルーと名乗る大柄の老人をチヤホヤしている。エヴァンスは悔しくて少し顔をひきつらせながら、テントへと歩いて行き中に有った服を適当に着て出てきて


「俺だって服を着る自由は有るんだよ。クソ爺。」


「キャー! あれワタシの服じゃない! 」


「あー! あれはわたしのブラウスよ! 」


「イヤー! あれは私のミニスカート! 」


「ヤバーイ! それウチのハイヒールやし! 」


と四人の女の服を各々着て仁王立ちした。その姿はTシャツの上にブラウスを羽織りミニスカートでハイヒールを履いていた。そんなエヴァンスを見るとブルーは大爆笑して


「ひぃーっひっひっ。お前さんは中々自由な男だ。気に入った名を名乗って、ここで一緒に酒を飲め。」


そう言った。エヴァンスはそのブルーの言葉で我に帰りゾンビ兵に追われている事を思い出し


「俺はエヴァンスって言うんだけど。それより魔物とゾンビ兵が来るんだよ。」


そうブルーへ伝えると、ブルーは笑いながら立ち上り指を鳴らして森から現れた魔物やゾンビ兵の前に立ちはだかった。





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