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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
二章 -2ポンドゥロア大戦
42/109

【37】ウィスキネ海戦-2




 海洋での戦闘中に謎の霧に包まれたポンドゥロア連合艦隊。その中でロブロイは甲板に立ち、この不穏な霧の先を見定めようと目を凝らした。すると霧の中に大きく黒い影が現れロブロイの乗る戦艦の船首へ激しい衝突が起こり、戦艦は波飛沫を受けながら傾いた。兵士やロブロイはよろけながらも、その大きく黒い影が何なのかを見詰めた。


 それは妖気を纏ったボロボロの船であり、幽霊船であった。兵士達は


「あれは何だ! 幽霊船が何でこんな所に! 」


そう口々に叫び狼狽える中、ロブロイはそれを収めるように


「てめえ等! 狼狽えんじゃねえ! 敵が何であろうが生き延びろ! ウィスキネ魂を見せてやるぞ! 」


そう叫び、手でリーゼントを撫でると剣を握り幽霊船からの襲撃に備えた。そしてもう一度幽霊船が船首へ体当りをすると、ロブロイの戦艦へとゾンビ兵が雪崩れ込んで来た。ロブロイは気合いを入れて兵士達と共にゾンビ兵へ斬り掛かった。



△▼△▼



 幽霊船の襲撃は他の戦艦にもおよび、各々の戦艦でも戦闘が始まった。ゾンビ兵と近接戦の中でジャック=ウィスキネは一人怯えながらも応戦していた。しかしゾンビ兵は不死身である為に斬っても、斬ってもポンドゥロア連合艦隊の兵士達へ襲い掛かって来た。その中でジャックは甲板から逃げ出して船内へ走って行った。そし船内の馬房でしゃがみ込んで震えていると、一頭の馬が慰める様にジャックの顔をペロリと舐めた。


 するとジャックはよろけながら立ち上り、その馬の顔を撫でると馬はクイッと背へ向けて首を振った。ジャックは


「何だおまえ。僕に乗れって言ってるの? 」


そう言って馬の背に跨がった。ジャックは普段は気弱な若者であるが、何故か馬に乗ると性格が変わり荒々しくなるのであった。ジャックは目付きを変え馬の綱を外すと


「よっしゃ! 行くぞコノヤロー! 俺のエナジー見せてやるぜ! 」


そう言って馬で走り出すと壁に掛かっている槍を手に取り、そのまま船内の階段を駆け上り甲板へと飛び出た。


「貴様等俺に任せやがれ! 」


そう叫び、ジャックは槍を振るいゾンビ兵に突き刺すとそのまま海へと投げ出した。そして船上を馬で駆け巡りアッと言う間にゾンビ兵を蹴散らし、そのまま幽霊船へと飛び乗りゾンビ兵を蹴散らし続けた。それを見た兵士達は


「そうだ! ゾンビ兵は塩水に弱い! 斬り合わずに海へと落下させろ! 」


そう霧の中で呼び掛け合い士気を高めた。それからジャックは馬を操り幽霊船の下方に見えるポンドゥロア連合艦隊の巡視船を見付けると飛び降りた。そして巡視船を任された兵士に


「お前等。ここで決めっぞ。この霧を抜けウォルスカの戦艦へ寄せろ。」


そう言うと、巡視船はウォルスカ軍の戦艦へと向かった。霧を抜けるとそこには巨大なウォルスカの戦艦が立ちはだかり


「すみません。これ以上船を寄せる事は出来ません。」


「いや、充分だよありがとさん。」


そう言ってジャックは手綱を引くと巡視船の甲板を馬で走り一気にジャンプするとそこへ移動魔法を加えてウォルスカの戦艦へ飛び移り、そして次々と兵士を倒して槍を高々と掲げた。そこへウォルスカ軍爆鬼三将の一人巨大な斧を抱えた少年、ブルドッグがジャックの前に現れた。


「まさか幽霊船を切り抜けて来るのが居るとはね。ボクはウォルスカ軍爆鬼三将の一人破壊のブルドッグだよ。」


「俺はバスキリアから来たジャック=バスキリアだ。その首貰うぜ。」


「き・み・じゃ・む・り・だ・よっと! 」


そう言うとブルドッグは小柄にも拘わらずジャックへ巨大な斧を素早く振り下ろし、ジャックは間一髪で斧を避けると続けてブルドッグは斧を横から振り抜いて来た。ジャックはそれも避けて槍を構えて


「何てパワーのガキだ。風圧だけで身体飛ばされそうになりやがる。しかしそのパワーよりも俺のエナジーが上だー! 」


そう叫びジャックは間合いを詰めて、ブルドッグを槍で突いた。しかしブルドッグは槍を交わして下方から馬の首を目掛けて斧を振り抜く。ジャックは手綱を引いて馬が避けると次の突きを放った。




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