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自由の商人エヴァンス物語  作者: 橘 六六六
二章 -2ポンドゥロア大戦
33/109

【28】緊急事変




△▼△▼



 小麦粉と干し肉の大量に乗った荷台でエヴァンスは寝転がり、空を見ながらポポロに訊ねた。


「なあポポロー。更にモンパカちゃんを増やしたいんだけど、モンパカって何処に生息しているんだ? 」


「モンパカならフランティア公国のベイル高地の遊牧民が飼っているわよ。あんたモンパカちゃんを増やして輸送を増やしたいの? 」


「うん。バスキリアとポンドゥロアは方向が同じだから良いけど。まだまだ交易先を増やしたくてね。」


「ワタシの魔力なら、荷台を大きくして1回の輸送量を増やす事も出来るわよ。荷台を、いや船を飛ばす事も出来るけど。」


「船? 船か。船良いな! よし! 船買おうぜ! 」


エヴァンスはポポロとの会話で新たなビジョンが沸いて上機嫌になると、一行はバスキリアへと辿り着いた。そしてモンパカ車でバスキリアの市場へ向かい小麦粉と干し肉の卸し先への店舗へ辿り着くと、そこにはバスキリア帝国の王へと返り咲いたジョージ=バスキリアがハイボールを連れて遊びに来ていた。エヴァンスは二人を見ると


「おう! ジョージ! お前に丁度会いたかったんだ。一緒にビアダルの所に付き合えよ。」


「ビアダル公の所に行こうってのなら、お前はまだ聞いて無いんだな。ポンドゥロア公国は王位選挙の最中にスクリュー=ウォルスカの軍事制圧によって占領されたんだ。」


「なんだとー! お前これからポンドゥロアとバスキリアを巻き込んで大きい商売するために恩を売っといたのに! 」


「ちょ、ちょっと...... エヴァンス様。下心が溢れ出ていますよ...... 。」


ジョージの話しに激昂するのをワルキュリアに宥められながら、エヴァンスは真面目な顔で


「それで、ポンドゥロアの他の公爵達は無事なのか? 」


「今はウィスキネ領意外は占領されてしまい、ウィスキネに他の公爵一族は避難して暮らしているらしい。」


「スクリュー=ウォルスカか。よし! 今回は大いに暴れろワルキュリア。」


そう言ってワルキュリアの肩を叩き笑顔になった。ワルキュリアは戸惑いながらもエヴァンスのここまでの活躍を思い出して身を任せる事にした。ジョージはエヴァンス達に


「エヴァンスのお陰で物流も安定し出したが、まだまだ不安定な内政状況で俺はこのバスキリアから今は離れる事は出来ない。代わりにこのハイボールと、バスキリア軍一の騎士『ジャック=バスキリア』をウィスキネへ連れて行ってくれ。」


そう言ってジョージの後ろに隠れていた男、ジャック=バスキリアをジョージはエヴァンスに紹介した。ジャックはペコリと頭を下げておどおどとした様子で前に出て


「ぼ、ぼくはジョージの弟でエルモア領を治めていた、ジャック=バスキリアと言います。ぼくはずっとエリザベートに幽閉されていましたが、エヴァンスさんのお陰でこうやって解放されました。本当にありがとうございます。」


「ああ流れでそうなっただけだから気にすんな。それよりそんな気の弱そうで戦場なんて大丈夫か? 」


「それなら心配要らない。コイツは馬上になると性格が変わる変な奴だから。ジャック、お前が留守の間はキャサリンがエルモアの面倒見るから心配すんな。」


そう言ってジョージはジャックの肩を叩いて送り出した。エヴァンス達はジョージと別れてウィスキネへと急いで向かった。


 モンパカ車でウィスキネ上空を通ると、そこでは海洋からウォルスカ海軍がウィスキネ領の護岸を砲撃しており、それを見たハイボールはウォルスカの戦艦へ堪らず火矢を放っていた。ハイボールの腕は確かな物で、動くモンパカ車の荷台から放った火矢は戦艦へ命中はしたものの戦艦の大きさに微々たるダメージしか与える事が出来なかった。ハイボールは母国を襲われる悔しさから次々と火矢を放ち、次々と命中するがウォルスカ海軍が攻撃を止める事はなく悔し涙を流していた。







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